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化け物レベルの無能。『無能な働き者』が企業を潰す原理

作者: ふりがな
掲載日:2026/02/17


組織を潰す化け物レベルの無能となると、そこに至る道のりは結構限られているなと思っていまして、それは、小説物でも見かけるような典型的な人格です。

自身では何も考えずに、無理難題を下に押し付け、外面は良い人物が組織全体を食い潰すのを時折見ます。

何故、こんな人が組織には生まれてしまうのか。

彼らは、いったいどんな人格なのか。


それは、所謂、権威主義的パーソナリティの人です。

権威主義的パーソナリティというと、強きに媚びへつらい、弱きを挫くような人格の事を言います。

人生を経て、権威に依存して生きるようになった人格です。

この権威主義パーソナリティの人には大前提として自己の中心が無いんです。


例えば、X(旧Twitter)で言うと、Aさんの投稿とBさんの投稿、どちらが正しい事を言ってるか、権威主義的パーソナリティの人からすれば、自己の中心がないので判断は出来ない。

だから事の成否というか、真偽というか、敵味方という色々な境界の混ざった勝敗を、フォロワー数の多さで決めてしまおうといった行動に至る人がいます。

あれはネタではなく皆さん真実、本気でやっています。

実の所、判断出来る能力のある人もいるんだけれども、自己の中心が確立出来ていないので、物事を判断する動機が生まれない。

では、物事の善悪、敵味方、成否、真偽の境界が曖昧な理由はなんでしょうか。

これも根拠は同じで、自己の中心が確立出来ていないので、物事の境界をはっきりさせる動機が自身の中に生まれないのです。

彼ら権威主義的パーソナリティの人からすると、自己の中心の確立よりも、外部的な権力の方が遥かに大切です。

権威主義的パーソナリティの人は、自己の中心の穴を、権力への依存で埋めるしかなく、他に方法はないと信じています。


なぜ、権威主義的パーソナリティとなってしまうのか。

権威主義的パーソナリティは、成功体験の無さからの自己への絶望と、PTSDで成立しています。

皆さん、人生で本当に自己へと絶望した事はありませんか?

人は知らず知らず、衝撃的な体験からPTSDを発症し、人生を諦めたりします。

かけっこが遅い、勉強が出来ない、背が低い、あらゆる事に才能がない、顔がブサイクだ、体臭が人より酷い、貧乏である、話がつまらない、モテない。

複合的な根拠による自己の人生への絶望は、自己の存在確立の否定につながります。

私はそれをモブ化と呼びます。


中学、高校受験の失敗、部活動での低順位、はたまたイジメ。

人生にはモブ化する決定的な契機が幾つか存在します。


そして、モブ化する決定的な契機に気づけない人も多くいます。

傷ついている自分自身に気づけない子供は、日本社会において実は非常に多いのです。

その証拠がネット上に溢れる権威主義的パーソナリティの書き込みの数です。


自分自身に期待出来ないから努力をせず、結果、成功体験が激的に減るから自己を確立出来ない。

結果、生存戦略を自分の外側である権威へと集中させ、麻薬のように権威へと依存する。

中身の存在しない人格はこのように生まれます。


何故、ナチス・ドイツ成立の研究から、権威主義的パーソナリティの研究が生まれたのか。

ナチスが与党になった時、国民は多くが権威主義的パーソナリティに染まっていました。

あの時、ナチス・ドイツが成立する前の時代、世界はドイツ国民から何を奪ってしまったのか。


では、権威主義的パーソナリティの度合いが高い人が、どうして化け物レベルの無能になるのでしょうか。


結論して、結局は自己の中心が、この世に存在しないという要素が大きいのかなと思います。


権威主義的パーソナリティの人は上司に指示されている時は、上司の言う事だからと真剣に聞き、解決能力がある人も中にいるんです。

上には徹底的に媚びへつらい、下には厳しく当たるので頼りになると上司のウケは良い。

解決能力も問題なさそうだ。

だから昇進させても問題ないだろう。

そして、いざ権威主義的パーソナリティの人が認められ、昇進し、部下を持つと、彼らは、いったいどうなってしまうのか。


そこでは、縋るべき権威が、自己確立の失敗した自分の中にしか存在しないという自己矛盾が発生します。


権威主義的パーソナリティの人からすれば、格下の部下の言う事は真剣には聞けません。

部下の言う事を聞けば、自身の権威が落ちてしまうからです。

もしかして、部下の発言は自身の権威への攻撃かもしれないと彼らは思い込みます。

でも、仕事をするのに部下の情報は必要です。


普通であれば、人間には得意な分野の偏った生き物であるという認識から、わからない事があれば、誰かに聞き、知識が自分と対等以上なら、任せてしまった方が上手くいくと考えます。


しかし、権威主義的パーソナリティの人からすれば、部下はいつ、何時でも対等ではあり得ません。


結果、自身が部下だった時にはあったハズの解決能力が、昇進によって軒並み消滅します。

結局は自己の確立がない故に、思考に主体性を持ち得ないという原因が大きいのです。

よって、権威主義的パーソナリティの度合いの高い人物が昇進した場合、解決能力のなくなったまま、自身の仕事が何だかわからなくても、周りに相談せずに目標を決めて、下に無理難題を押し付けるという、自己矛盾に端を発した異常行動を連発します。


やっかいなのは、権威主義的パーソナリティは権威主義的パーソナリティを再生産するという所です。

一度上にたった権威主義的パーソナリティの人格が起こす自己矛盾は、必然的に他者へと向きます。

いくら中身に何一つない自分自身とはいえ、権威の否定は出来ないからです。

上司の自己矛盾につき合わされる部下、という構図が出来上がります。

ある日の上司の指示はaであり、翌日にはbになっている。

そしてaとbは二律背反にある。

しかし、権威主義的パーソナリティの中では、aとbは、矛盾関係にはあたりません。

どのような立場であれ、権威主義的パーソナリティの思考の境界は常に曖昧で、権威的に上位の指示は優先されるからです。

自己の確立がない故に、物事を判断する動機は生まれようがありません。


そのような環境で生き残れるのも、また、権威主義的パーソナリティの部下です。

権威的上位者の指示は全てに優先される、思考の境界の曖昧な部下は、自己が確立していないので、矛盾に気づくだけの思考の動機が生まれません。


これは、エラーを起こしているのに、自己矛盾で破綻せず、無限に増え続けるがん細胞と同じ原理です。


自己確立の無い上下関係は、どんなに組織を崩壊させても、組織の破綻するその最後まで互いに自己矛盾を引き起こさないのです。


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