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読書初心者

更新サボってごめんなさい。。。

 その夜、僕は小説の素晴らしさに感動していた。読んでいく内にどんどんその世界に引き込まれていく。身近にこんな面白い世界があったなんて、今まで気が付かなかったことを後悔してしまう。

 

 僕が小説を読んでいる姿を見て、お兄ちゃんは「明日は雨か」と言って馬鹿にするけれど、そんな嫌味さえ気にならないほど、僕は小説の世界にドップリはまっていた。

 

 夕食後の食器を洗う音が気になっていまひとつ集中できない部分はあるけれど、それは僕が読書初心者だから仕方がない。何事も始めはうまくいかないものだ。



「ゆうちゃん、随分と熱心だねえ」



 おばあちゃんは僕のことを「ゆうちゃん」と呼ぶ。僕の家族で僕のことをそんな風に呼ぶのはおばあちゃんだけだ。秋岡は「ゆうちゃんって何か女子みたいだな」と笑っていたけれど、僕にとっては昔から呼ばれ慣れているからちっとも変だとは思わない。人とは違う呼び方をされるというのは、その人との関係が特別だということだ。



「おばあちゃん、小説ってこんなに面白いものだったんだね」



「そうだねえ。自分の知らない世界に触れるというのは、いつだってドキドキするものね」



「これ、読み終わったらおばあちゃんにも読ませてあげようか?」



「ゆうちゃんが読むような最近のものは、おばあちゃんには合わないよ」



 僕はこの面白さをおばあちゃんにも教えてあげたいと思ったけれど、無理やり勧めるのはよくない。人それぞれにシュミシコウというやつがあるのだ。



「授業の方はどう?」



「ちょっと黒板の文字を写すのが大変かな」



「じゃあおばあちゃんと一緒に左手の特訓をしようか」



 おばあちゃんの好意は有難い。でも僕は今、猛烈に読書家なのだ。左手の特訓は必要だと頭では分か

っていても、本を読みたいという欲求は抑えきれない。



「ごめんおばあちゃん、今はこれ読むのが忙しいからまた今度」



 テーブルに開いた小説に目を移し、左手でページをめくる。再び忙しなく動き始めた僕の視線を察してか、おばあちゃんはその後何も言わなかった。


短くてごめんなさい。。。

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