モーニングパプニング
翌朝、喜一はまだ夢の中にいる2人の様子を見に行こうと、ウキウキしながら部屋の扉をそっと開けた。
「うわっ…!」
その視界に飛び込んできたのは、ぐっすりと寝ている聖と周の姿。彼女は、まるで天使のように穏やかな顔で寝ていたが、その浴衣が彼女の成長した身体をギュッと締め付けるように見えた。幼児の姿から元の姿に戻った彼女を見る喜一は驚きを隠せなかった。
その時、聖が人の気配を感じたのか、うっすらと目を開け始めた。彼女は、いつもとは違う苦しさを感じ、不快な寝巻きの感触に少し眉をひそめた。混乱した様子で自分の姿をチェックすると、乱れた着崩した浴衣が目に入った。
「な、なんでこんなことに…?」
思わずつぶやいた聖は、寝相の悪さを恨めしく思った瞬間、正面に立つ喜一の姿に気がついた。
「あっ…!////」
「えっ…!///」
2人は一瞬、固まった。互いの視線が合った瞬間、まるで時間が止まったかのように感じられた。喜一はどう反応したらいいのか分からず、目を逸らすこともできなかった。
周もその騒ぎに気がついて覚醒し、状況を理解した瞬間、彼の目が大きく見開かれた。
「え?何故みなさんここに…!?」
聖は慌てて体を隠そうとするが、どうにもこうにも浴衣は乱れていて彼女の思惑とは裏腹に、さらなる混乱が生じた。喜一は思わず目をそらし、恥ずかしさと混乱で気が狂いそうだった。
「ちょ、ちょっと待って!説明しないと…!」
周は慌てて立ち上がり、状況を整理しようとしたが、聖はまるで赤いトマトのように顔を真っ赤にして、ただただ身を隠そうと躍起になっていた。その姿は、まるで子供のように無邪気でありながら、変わることのない女の子らしさを持っていた。
「こんな朝から何やってるんだよ…」喜一は口を開いたが、言葉が続かなかった。ただ、彼の心には新たな感情が芽生え始めていた。
その瞬間、部屋の雰囲気が変わった。聖の真っ赤な顔が、恥ずかしさの中にも少しの可愛らしさを醸し出し、周もそんな彼女を見つめていた。喜一は、ただの同僚だった二人の関係が、これからどうなるのか理解してしまった。
「運命の悪戯って、こういうことなのかもしれない…」喜一は心の中で呟き、彼らの未来をそっと見守ることに決めた。その日、彼の心にも新しい感情が芽生えていた。