スリーピングガール
聖の身体が幼女体に変わってから数時間が経ち、周と喜一の二人は、その魔法のような変化に夢中になっていた。まるで着せ替え人形のように、次々とかわいい衣装を試着させる姿に、聖はもうクタクタ。お腹も空き、目が虚ろになって、とうとう可愛らしいワンピースを着せられた瞬間には、そのまま夢の世界にトリップしてしまった。
周が選んだのは、真っ白なフリルとレースがたっぷりあしらわれた、まるで王女様のようなふんわりしたワンピース。頭には大きなヘッドセットが乗せられ、聖はまるで人形のような姿に仕上がっていた。喜一はカメラを取り出し、「お人形さんが寝てるみたいで可愛いね!」との言葉と共に、パシャリと写真を撮る。聖の無邪気な寝顔は、この瞬間の幸せを切り取るようだった。
そんな光景を前にして、二人は「さて、聖さんはお疲れですから、私が連れて帰りますね。後は任せてください」と喜一が言うと、「えぇーずるいよ!俺が連れて帰って面倒見るよ!」と周が反論。二人の言い争いはどんどんヒートアップしていくが、その声が聖を起こすことを恐れてか、周が少し声を潜めて言う。「俺が連れて帰るもんね!」と意気込む。
「ちょっと周さん、強引すぎです!でも、わかりました、貴方も一緒に私の家に来てください。今日は天ぷらでも作りましょうか」と喜一が一歩譲る。
天ぷらで釣られた周は
「わーい!」と喜びがこぼれ、その瞬間、喜一が「シっ!聖さんが起きてしまいますよ」と微笑みながら囁いた。聖の寝顔を見つめながら、二人はこれからの楽しい時間にウキウキし、心を弾ませていた。
喜一の家に着くと、周は早々に和室に向かい、寝かしつけられた聖を見守った。小さな体でスヤスヤと眠る聖の姿に、安堵の表情を浮かべるおじさん二人。その無邪気さに癒され、思わず微笑みがこぼれる。喜一は夕飯の準備を始める。
「周さん、お湯の準備ができましたら、先にお風呂に入ってくださいね。」喜一の声が、なんとも心地良い家庭の温もりを感じさせる。
その背中を見ながら、周は「良い嫁さんだ。」と小さく呟いた。喜一の家事に励む姿は、まるで理想的な家庭を築くための一つの模範のようだ。さて、風呂が炊けるまでリビングでグダグダするのも悪くないが、周は聖の隣に横になりたくなった。
聖の寝顔を見つめながら、周もいつの間にかそのまま眠りに落ちてしまった。数分後、気がついた喜一は、周が冷えてしまわないようにと優しく毛布をかけてあげた。そして、襖を半分閉めて、静かな空間を作り出す。
温かな雰囲気が流れ、喜一は再び夕飯の準備に戻った。こんな穏やかな時間がずっと続けばいいのにと、彼は静かに願った。