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着せ替え人形

周は、自分の選んだかわいいワンピースを着た聖の姿を見て、心が高鳴るのを感じていた。小花柄のリボンとフリルが、幼い顔立ちにぴったりとマッチしていて、その愛らしさに目が離せない。周は思わず、聖の周りを何度もぐるぐると回りながら「ほんとに可愛い!」と叫んでしまった。


「何着せても可愛いけど、洋服姿が特に可愛い〜!」周は興奮した様子で喜一に言った。「見てくれよ、このワンピース、すごく似合ってるだろ?」彼は鼻息を荒くし、自信満々で喜一の反応を待った。


喜一は顎に手を当てて微笑み、「確かにそのワンピースも素敵ですが、私が選んだこちらも負けてはいませんよ。」と言った。彼は聖に向かって手を振り、「さぁ、聖さん、次はこっちのお洋服に着替えてみようね。」と提案した。


聖は彼らの提案に無言で反応し、首をかしげて喜一を見上げた。彼女は幼くなっただけでなく、霊力を失い、聴力と左目の視力を無くしてしまった。記憶も後退したため、二人との意思疏通が難しくなっていた。しかし、その無邪気な表情は周囲の心を和ませるものであった。着せ替え人形にされる彼女の少し疲れた様子は、逆にその美しさを引き立てており、周と喜一のおじさん二人は、そんな聖を見てまた新たな興奮を覚えた。


周は「大丈夫かな?聖、楽しんでるよな?」と声をかける。聖は小さく頷き、二人の期待に答えるように笑顔を見せた。彼らの楽しい時間は、心温まるものであった。


聖は無邪気な表情を浮かべながらも、自分の意志を伝えることができずにいた。彼女は幼くなったその瞬間から、記憶や能力も失ってしまったため、周囲のふたりに頼るしかなかった。彼女の無垢な目が喜一を見上げていると、その視線にふたりとも胸が痛くなった。同時に、その圧倒的な可愛さは、彼らの心を一層掴む。


「この子、ほんとに何を着ても似合うね」と周は笑顔で言いながら、再び聖の髪を優しく撫でた。「もっと着せ替えしようぜ!」


喜一は次の衣装を手に持ち、聖に向かって「ほら、これも試してみて!」と声をかけた。その衣装は、淡いピンク色のリボンに猫耳がついており、リボンの縁に白いレースが施された、とてもロマンティックな猫とメイドが合わさったワンピースのデザインだった。聖はその衣装を見た瞬間、目を輝かせた。彼女の中で何かが動き、好奇心が表れたようだった。


「さあ、着替えてみよう!」周は急かすように言った。聖は何も言わずに頷き、その衣装を手に取った。周と望月は彼女の仕草を見守り、どんな姿になるのか楽しみにしていた。


聖が衣装を着終わると、再び二人の前に現れた。その瞬間、周も望月も驚きの声を上げた。「うわぁ、すごく似合ってる!」喜一はそのままスマホを取り出し、シャッターを切る。聖は少し恥ずかしがりながらも、嬉しそうに微笑んでいた。


「この子は本当に何を着ても可愛いな。まるで小さなお人形みたいだ」と周は感心しながら言った。聖の姿は、まるで夢の中から飛び出してきたかのようだった。周と望月はその美しさに酔いしれていた。


しかし、その楽しさの裏には、聖の本当の思いを置き去りにしていることに対する小さな不安も芽生え始めていた。彼女が本当に何を感じているのか、彼女自身の意志はどこにあるのか、周囲の人々はそのことを考えないようにしていた。


それでも、聖はその瞬間を楽しんでいるように見えた。何も知らないままでいることが、もしかしたら一番幸せなことなのかもしれない。周と望月は、そんな聖の姿に魅了されながら、次の衣装を準備することに心を躍らせ続けた。彼女がどんな新しい姿を見せてくれるのか、期待が高まる。

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