2話の魔法展示物の紹介
『オリバーの可変模型』
製作者 オリバー・ブラック
20世紀初頭にアメリカ出身の魔法使いオリバー・ブラックによって製作された模型である。
その特徴は名前の通り、ありとあらゆるものに可変することが出来るという点だ。あるときは、人の模型になり、その見た目も子供から、老婆まで様々な見た目に変更することが出来た、また人型以外にも可変ができ、ユニコーンや、サラマンダーなどの魔法生物に姿を変えることが出来る。
その有用性から魔法生物学の分野で非常に話題になり、大量生産が望まれた。しかしオリバー・ブラックは当時からその製造方法を秘匿し、すべての可変模型は彼の手によるハンドメイド品となった。
製造を開始して5年12体の『オリバーの可変模型』が製造され、名実とも優秀な魔法技師として名をはせたオリバー・ブラックであったが、その13体目の製作中に事件が起こり彼はこの世を去る。
その後この可変模型と彼の名前は、世界中に広まることとなった。
可変模型は模型ではなかった。
その正体は、存在する生物を吸収し、その肉体をそのまま自身として乗っ取る、特別製のブロブを時間凍結し、見た目を保存、再生できるように調整した物であった。
つまり今まで我々が模型と思っていたものは、そのブロブに吸収された被害者たちの姿であった。
これは13体目の製作中にオリバー・ブラックが時間凍結に失敗したブロブに吸収され、自身が13体目の可変模型になり、命を落としたことで判明したことであった。
今では吸収された人たちの人権を尊重し、基本状態のブロブか、魔法生物の見た目でしか展示を許されていない。