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1話の魔法展示物の紹介

『カノニカル・ファイブ・ジョージ・ヤード』

 製作者 不明


 1888年にイギリス・ロンドンのホワイトチャペルのジョージ・ヤードで使われた、ジャック・ザ・リッパーのナイフ。

 当時の魔法使いの犯行であると断定した、当時の魔法協会がこのナイフを回収。

 その後この事件は無魔法能力者の犯行であると判明したため、そのままイギリスの魔法協会の倉庫にしまわれていたものが2000年初頭に発見された。

 そのまま処分するわけにもいかずチャリティーオークションにかけられ、当博物館が購入をした。

 ナイフ事態に何も特別な魔法は付与されておらず、魔法的価値はゼロである。


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『蜻蛉切』

 製作者 藤原正真


 天下三名槍の1本、三河文珠派の刀工・藤原正真の作った伝説の槍。かの徳川四天王が一人、本多忠勝が愛用したことで知らる名槍、穂先に止まった蜻蛉が切断された事からその名前が与えられた。

 天下三名槍の1本と数えられている。

 使用者が蜻蛉と認識した物であればどんなものでも切断することが出来る。射程は300メートル。

 使用に非常に特別な訓練が必要で魔術的価値も低いため、戦前には当博物館に寄贈されたと記録がある。

 同じ天下三名槍である御手杵は戦争で焼け落ちてしまい消失。

 日本号は現在も国防の要として使用されるため、現存し見ることが出来る天下三名槍はこの蜻蛉切のみである。

 

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『ペーノ・パイプラインの生きた心臓』

 製作者 ペーノ・パイプライン


 18世初頭に生きていたとされる不死の魔術師ペーノ・パイプラインの切断された生きた心臓。

 彼は無魔法能力者の貧困な農家に生まれで、体が弱く学校など、真っ当な教育を受ける事が出来なかった。14歳の時に自身の魔法の才能に気づき、魔法の初歩である炎の魔法を独学で習得。噂は広がり、当時彼の住んでいたドーセット州の領主であった、ガルバビス伯爵によって魔法を学ぶことを認められ魔法学校への入学を認められた。

 その生まれから元来生への執着が強く、大学では不死を研究し、生物学、人体学、時間工学と様々な分野を幅広く研究していた。今日のヤサヤマシバハミトカゲの細胞分裂については彼の功績ともいえるだろう。30歳と遅まきながらオルレアン魔法大学を卒業し、そのまま大学へ就職し、45歳にて人体学の教授となる。


 大学教授となり大成後も不死への探究は衰えず、当時の当代最高の時間工学の権威であったアルべバッグ・ボルトールと共に物質の時間凍結に成功。特定の空間内であれば時間経過による経年劣化を抑えることに成功した。

 翌年の生態実験において、実験用のモルモットの肉体には経年劣化が見られず成功したに思えたが、モルモットは精神に異常をきたし、自分を食べて自害した。

 翌年に当時の魔法省、現在の国際魔法連合によって、その魔法は生物への行使が禁止された。

 パイプラインは、ついに掴んだ不死への糸口をあきらめず、5年後自身の研究室の生徒にこの魔法を使用して生態実験を行った。結果として六人の若い魔法師が失われ、国際指名手配者となった。


 この心臓はそのまた20年後、イギリスの片田舎で、白骨化したミイラの傍から発見された。

 残された遺品からパイプラインの心臓である事がわかった。

 彼は自身の心臓を魔法で切断し、肉体と切り離しに成功したのだった。

 切り離した自分の心臓に時間凍結の魔法をかけ、精神的汚染を防いだのだ。

 結果として心臓以外の肉体が耐え切れずに心臓だけ残った。

 資料はほとんど残っておらず、発見された現場から推測されたものである。

 

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『微細に切断された数_No67』

 製作者 アブトラヒ・C・ベルト


 魔法界の数学の父、アブトラヒ・C・ベルトの最高傑作『微細に切断された数』シリーズの67番

 その小さな箱には微細に切断された67という数字の概念が保管されている。箱の中では67という数字は存在する事が出来ず、67は崩壊し、67以外の存在になるか、消滅をしてしまう。

 当時仮説とされたていた、概念に干渉する第八魔法の存在を証明した作品である。

 この作品の発表後に様々な魔法使い達が第八魔法の開発に臨んだが、現在までの120年間彼の高みへ上り詰めたものは居なかった。

 それは『微細に切断された数』は切断された数の概念であり、その切断魔法が第八魔法であるため、この作品は第七魔法と第八魔法の中間的な存在であるということに、50年間我々は気づくことが出来なかったからだ。その事実が判明した現在でも完成されたという事例は報告されていない。

 彼はこの作品を発表後、第八魔法の危険性を重視しており、生涯その魔法の開発について明かす事は無かった。

 現存する第八魔法を行使できる魔道具は、アイルランド共和国、国立魔法博物館に封印されている国宝ゲイ・ボルガのみである。

 ファーストロットである1から50までの数字はその存在の危険性から封印対象となり現在国際魔法連合の名の下に厳重に世界のどこかで封印されている。

 現存する鑑賞する事の出来る『微細に切断された数』は20作品しかなく、日本の国内では当博物館のみ展示をしている状況である。


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『時間逆行郵便』

 製作者 エンバーグ・C・ミレード・アンデス・グレートベン


 世界で初めてタイムトラベルに成功したと言われている魔法使いエンバーグ・C・ミレード・アンデス・グレートベンが作ったと言われる奇跡の作品。

 現在でも時間を跳躍する魔法は実現できておらず、彼の存在はもはや伝説とされている。

 彼の来歴は現代でも多くが謎に包まれている。紀元前のエジプトのオベリスクには彼の名前があり、彼がいた痕跡が認められている。一番多くの痕跡記録が残っている中世紀イギリスでは、彼が一番長く魔法界の歴史に介入した時代と言われる。その時に現在の魔術の基礎となる多くの分野や技術が確立され、今日における魔法の殆どは彼の功績によるものであると言える。


 時間に干渉したという事象は我々には観測する事は出来ないが、時代の多くの魔術的転換点には彼の痕跡であるこの『時間逆行郵便』や彼の名前が記録に残っており、その事実は確かな物である。

 この魔道具はエンバーグ本人以外でも過去に手紙を送ることが出来る。使用するのには、本人の資質が関係ないということだ

 未使用の『時間逆行郵便』があれば、誰でさえ過去に手紙を送ることが出来る

 19世紀に唯一現存した未使用の『時間逆行郵便』を国際魔法連合管理下で使用し行い判明した。

 

 時間逆行郵便を使用された手紙の内容は、世界を揺るがす重要な秘密から、明日の天気など、隣の奥さんの出産予定日など、内容は様々である。これは恐らくエンバーグがこの時間逆行魔法の実験のために使用したものが残っていると考えられる。

 現在までに世界で確認された、使用済みの時間逆行郵便は魔道具学術界機構によると54通、これは55通目となるであろうものだ。

 

寄贈者 丹藤大地様


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