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アカシアの記録  作者: 平石 賢人
幼少期
2/2

魔族の再来

新世紀569年12月30日...

世界を変える一人の少年の物語が小さな街カランドランここから始まる...




本を閉じる音: パタ



1本のロウソクで部屋を照らしてベットの上で勇者の物語を読み聞かせてる母と子がいた


「はいお終い、どうだった?アラン?」


本を閉じたアランの母マリーシャは

優しい笑顔で聞いた


「うーん難しくて分らないけど勇者様は強くて優しいよね僕も勇者様みたいになりたいなお母さんもお父さんも僕が守るんだ!」


アランは満面の笑みでそう答えた。


「アランは良い子ね〜その為にはいっぱい寝て、いっぱい食べてお父様から剣術を学ばないとね、悪い子はゴブリンに連れ去られちゃうからね!」


「僕は大丈夫だよゴブリンなんて怖くないもん、いっぱいご飯を食べて剣のお稽古をして強くなるんだから」


アランはマリーシャに対して楽しげにそう答えた


「そうねぇ..お父さんとお母さんを守ってね」


マリーシャはアランのその言葉に愛おしさを感じ抱き寄せた。


「お母さん苦しいよ、大丈夫だよ。何があっても守るから!」


苦しそうにアランは言った


「その前にいっぱい寝なきゃねアラン」


「えーお母さんもう少しお話し聞かせてよ」

 

「勇者様は我儘を言わないですよ!」


マリーシャはアランの唇に指を添えた


「お母さんわかったよ...おやすみなさい」


「うん、おやすみなさい良い子でね..」


眠るまで見守ったあとにマリーシャはそっと布団をかけアランの寝室から出て行った..

そのまま自分の寝室へと向かいベッドに入った


「貴方、アランはもう寝たわ」


「そうか、少し話し声が聞こえたがアランは何か言ってたか?」


アランの父ルドルフはベッドで横になりながら聞いた


「ふふっ貴方聞いて、アランは勇者になって私と貴方の事守りたいんですって」


マリーシャは微笑むように喋った。


「はははははっ俺はまだまだ守られんぞ!」


ルドルフはマリーシャの隣で大きな声出し、笑っただがすぐさまマリーシャはルドルフの頬を強く掴みつねった。


「痛て!?」


「アランが起きちゃうでしょ!静かにしてよ!」


鬼の形相で小さい声量で注意をした


「ワリーヒャごべんよわるかったて」

(※マリーシャごめんよ悪かったって)


マリーシャはルドルフの頬を強く掴んだ手をルドルフが謝った後そっと手を離した...


「貴方の元気な所は良い所でもあるけど悪い所よ声の調節をしてよねっ!ふんっ」


マリーシャはルドルフを背に向けた


「ごめんよ〜マリーシャ気をつけるよ〜」


「そんな所アランに見せるから守ってあげるなんて言われるのよ」


マリーシャは小さな声で囁いたのだった。

 

「マリーシャごめんって..」



マリーシャを後ろからそっと抱きしめるルドルフであった...


痴話喧嘩の中お互いそのまま眠りに着こうとした瞬間に異変は起こった


「ドガーーーーン!!ドドドドバーン!!!」


突然街中央の方で爆音と共に大爆が起こり激しい揺れが起こった、そして驚く2人


「!!!!!?なんだ?(なに?)」



二人はすぐさまベッドから立ち上がり窓越しから街の中央、時計台の方を見た時計台は上から崩れていて黒く歪んだ所から黒い物体が沢山飛んで出て来ているのが見えた..

 周りを見渡すと街の中央の家々は崩れていたルドルフとマリーシャ二人はその黒い物体が何者かに感づいた..

 ふとルドルフはマリーシャの横顔を見たそして不安そうな顔をしていたのに気づいた


「マリーシャ!!!!」


ルドルフはマリーシャに対して大きな声を上げた。


「アランを連れて壁外の地下避難所に迎え!!向かう際に余裕が有れば俺の母さんと父さんを拾って一緒に向かって欲しいっ!!だがアランが安全が第一優先だ!分かったな!」


大きな声だったが冷静で的確にルドルフが状況を瞬時に判断しマリーシャに対して発したのだった。

 このように即座に状況判断出来た理由..ルドルフは名の通った冒険者で場数を踏んでおり、この様な場面では心を正常に保つ事に慣れていた。

 そして緊迫した状況で妻に対して余裕があれば祖父母を連れて避難しろと述べたのにも理由があった

 マリーシャ自身も冒険者で魔法使いの中では有名で実績もあり任せられると思っての言葉だったのだ


「ブランクはあるだろうが大丈夫だろう、任せたぞマリーシャ。」


「分かったわ、貴方」


廊下からドタドタと足音が聞こえてくるアランが二人の寝室に来たのだそれはそうだろう、あれだけの大きい音がなればビックリする筈だ..

そして着いたアランが喋った...


「お父さん...お母さん...」


今にも泣きそうなアラン怖くても涙を堪えている..


「大丈夫だから、アラン行くわよ」


「お母さんどこに行くの?お父さんは剣を持ってどこに行くの?」


マリーシャはアランの手を掴んだそしてルドルフはこう答えた。


「アランすぐに戻ってくるから大丈夫だ」



ルドルフは大きな手をアランの頭にそっと乗せるたのだった..


「はははははっまだ小さいなアランは..」


ルドルフは笑ながら少し悲しそうな声で呟いたそして続けて大きな声で名前呼んだ


「アラン!」


そして続けてルドルフは大きく優しい声で声を発した


「大切な事を言うぞ大切なのは自分の思い、言葉を曲げない事だアランは勇者様みたいに強くて優し男になりたいんだろ?お父さんとお母さんを守れる男になるんだろう?大きくなって強くなってみんなを守れるようになれよ!お父さんとの約束だ!』


覚悟を決めたようにルドルフは大きな拳をアランに突き立てた


「うんっ!」



アランは拳を合わせたが、この時のアランはルドルフの言葉の意味、行動が理解出来ていなかった。


「マリーシャ後は頼んだぞ!」


「はい」


ルドルフはマーシャルを強く抱きしめた後マリーシャに口付けを優しくし手を繋いでいたアランを抱き寄せ額に優しく口付けをした

 その後ルドルフは時計台の方へと窓から向かって行った


「お母さん?お父さんはどこに向かったの?」


「悪い奴と戦いに行ったの..


さあ行くわよアラン、お婆ちゃんとお爺ちゃんを迎えに行くわよ」


マリーシャはアランの手を握り必要最低の物を魔法袋にいれ玄関から出たそうすると街中は混乱と悲鳴で満たされていた


「魔族と魔物が攻めて来た!早く逃げろ」


「おかーーーーさん起きてよ!起きてっ」


 街中に悲鳴や混乱した人々が溢れている、マリーシャはアランの手を強く握り街外れにあるルドルフの祖父母の家に向かうのであった。


 「...................」


道中アランの中で寝る前に読んでもらった勇者の物語を思い出していた。魔神王が地界の封印がとけて復活してたんじゃないか、それで魔族が攻めて来たんじゃないか。

 アランはルドルフが名の知れた冒険者だとは知らない、だか小さいながらもルドルフのその強さは知っていた。

 考察の中で....お父さんが別れ際に言った言葉の意味に感づいていた、さっき家で言っていた言葉はお父さんのお別れの言葉じゃ無いかと。

 難しい言葉は理解出来なかったが幼いながらも感覚で分かったのだ。

 そしてマリーシャとルドルフは突如現れた黒い物体が魔族の魔力だと二人は気づいていたのだ。

 ルドルフはあの大量の魔族を倒し魔族が湧き出て来る黒いゲートを閉じる事、今この街にそれを出来るのが自分自身しかいない事ルドルフがアランに言い残した言葉は自分が生きて帰れないと察していた事を...


「お母さんっ!お父さんは死な無いよね?」


「お父さんを信じて」


マリーシャは穏やかな顔で返した。

そして、やり取りをしている内に祖父母の家に着いた。


「お爺ちゃんとお婆ちゃん!いた!」


色々伝えたそうにアランはそう叫んだ


「アラン良く無事で、マリーシャちゃんも..」


アランのお爺ちゃんエルダンが安心した様に発した、続けてお婆さんのサラマが言った

 

「ちょうど出る所だったんだよ..良かった」


ルドルフがいない事で二人は察しエルダンとサラマは現状の街の状況を見て即座に判断した。

そしてサラマは続けて言い放った


「ルドルフは向かったんだね」


悲しそうにマリーシャはこう答えた


「はい。」


「なら早く急ぐよ」


サラマはマリーシャの返事を聞き4人は急ぎ足で壁外の地下避難所に向かって行った....

 



.......場面は変わりルドルフへ


「今の速度では遅くなるな..上身体強化(ハイフィジカルアップ)よし、これならあと2分位で黒いゲートの方に着きそうだ」


謎の魔族が目の前にいきなり現れたこう言った


「はいそこで、止まって下さい」


丁寧な言葉を発した人物は緑色の目・銀色の髪・黒灰色の肌をした明らかに異様な存在が目の前に立ち塞がった..

 その異様な存在にルドルフは問う


「お前は誰だ?」


お前は誰だと発言と同時にルドルフは腰に差していた剣を抜き目の前の異様の存在と対峙した


「名前を問うなら先に名乗るのがお決まりでしょうに、まあいいです。私の名前はベルゼブブ暴食を司る魔族です()()()()君」

 なぜ自分の名前を知っているのか?ルドルフは驚いたがそれを嘲笑う様にベルゼブブは陽気で勘に触る口調で答えていた

 そしてルドルフは冷静な口調でこう返した


「七つの大罪か...なぜこの街にいる」


ベルゼブブは笑いながらこう答えた


「それはですねこの街が643年前に封印されたヘルガーデルの門だった場所なんですよ」

   

「答えになってないぞ」

 

ルドルフは持っていた剣をベルゼブブに向かってそう発言した


「貴方は薄々気づいてるんでしょ?地界の封印が解け始めてる事を...そう封印が解かれる前に貴方達がいると邪魔なのですよ」


「..........」

   

ルドルフは間を開けこう質問をした

  

「なぜ封印が解かれてないのにお前らは出て来れた」


ベルゼブブは自慢げに話始めた


「本来は答えられませんが冥土の土産で教えましょう私のスキル孤空庫(こくうこ)生物はお互いの同意の上で無機物の物ほぼ全てを収納し取り出す事が出来るんですよ。

 そして時計台の上にある歪んだものはゲートです、もう一つの私のスキル併用で可能性にしてるんですけどねゲートを壊せば私でも10年程再現に時間かかりますね、魔力量が凄ましくてね。

 まあ私が壊させないですけど」

   

ベルゼブブは人差し指を立てて続けてこう言った


「あっ、私を倒さないと壊せないですよ!」

   

   ---ここでスキルの説明をします---

  《①スキルの説明》孤空庫こくうこ

   系統 : 空間

   能力説明

   生物・無機物を収納する事が出来る

   収納量は所有者の魔力量に準ずる

   本人の魔力が100だとして

   収納した生物が魔力量1だとしたら

   100体収納出来る

   取り出す際も同じ魔力を消費する

   無機物は大きさにより収納量は変わるが

   取り出すのも収納ま無制限で行える


  《②スキルの説明》空間転写(ワームホールビジョン)

   系統 : 空間

   能力説明

   指定した範囲(※範囲より魔力消費)を

   コピーをしあらかじめ指定した場所に

   転写する能力。

   生物の転写は不可能で

   無機物と魔法・スキルによる現象

   は可能性とする能力

   

  

「お前はどうやって来た言う顔をしてますね

 634年前に魔神王様が封印されそうな時に原初の力(プリミティーボ)の力を借りて中界に私の依代を用意したのですよ私達、魔族は精神体で身体を持たないですしね

 天族も魔族もグランマランに来る為には肉体が無いとダメですからねぇ最初に用意した依代は私と馴染まなくてですね、時間が634年もかかってしまいました。

 この世界に完全復活する迄に時間がかかってしまいましたよ。」


ベルゼブブはニヤケながら語った

   

「お前ら魔族は何が目的だ」

   

ルドルフは即座に質問をした


「精霊王も天神王も力無き今原初の力(プリミティーボ)を探し、またホグラヘンを繋げて我らが王、魔神王様に捧げる為ですよ」

   

「なぜそんな事をする!」

   

ルドルフは大声で叫んだ


「それは教えられませんねまあお話しはここまでにしましょうか魔神王様が復活する前に貴方達勇者末裔はここで消すとしましょうか」


「..................!?」


ルドルフは目を大きく開き少しの間が空いたあとこう聞いた


「なぜ知っている?」


「それも秘密です。」


その返答を聞いたルドルフはベルゼブブを無視をして彼の横を通り抜けようとした。


「ですから、行かせないですよ!極空食(ベルハーイボーレ)



ベルゼブブは少し怒った様に技を繰り出した


その技をルドルフはとっさに後退した避けた、そして避ける前にいた場所、空間が切り取られた様に黒く歪んでいたのだ今のを避けられずに当たってたら間違えなく死んでいたと感じた


「楽になれましたのに」 

 

「空間魔法か...」

 

ルドルフに人差し指を向けながらこう言った


「ルドルフ君せいかーーーいです」

 


「お前を倒さないと通れないか、本気を出さないといけないようだな...」


ルドルフはそう言うと魔法を詠唱し始めた


「炎の精霊、精炎王(サラマンダー)我の問いに答えよ」

 

「おおお四大精霊の召喚ですか悪魔族には効果抜群ですもんね流石です、それでこそ勇者の末裔」


ルドルフの背後に白肌で赤色の模様が入ったドラゴン、サラマンダーが召喚された20メートルは超えるであろう巨体その体の周りにはマグマの様に暑い炎が舞っている。

 召喚された瞬間にサラマンダーの口から炎の息吹が吐き出された


極炎息吹(プロミネンスブレス)

 

サラマンダーの息吹と一緒のタイミングでベルゼブブの真後ろに瞬間移動し極炎息吹(プロミネンスブレス)と挟み内で剣技金溶纏い(ゴルエンアーマ)で切り裂こうとしていた。


金溶纏い(ゴルエンアーマ)っ!!」


ベルゼブブは前方からはサラマンダーの息吹、後方からはルドルフが発動した金溶纏い(ゴルエンアーマ)溶岩のような熱い炎の剣から全身に纏い斬りにかかった。


「これは避けられないですね」


 ベルゼブブは空間魔法でサラマンダーの攻撃を異空間に飛ばして炎を浴びた剣は炎のみを空間魔法で吸収し振りかぶった剣を左手でそっと止めた。


 ルドルフは驚きを隠せない表情をした

   

「くっ!?」


 技を止められたルドルフは仰天していた、そのままベルゼブブは右手に空間魔法を集中させルドルフのお腹に突き刺した。


「ぐっほぉっ...」


ルドルフのお腹に風穴があき血反吐を吐いた

絶対絶命のルドルフ....

常人なら即死する様な技を受けてしまったが

風穴を開けられて尚、目は死んでいなく

ベルゼブブから離れた。


「ほぉ今の攻撃で死にませんか、でもその状態からどう立て直すつもりですか?」


ベルゼブブは薄ら笑いを浮かべそう述べた


「サラマンダー...来い....」


ルドルフはサラマンダーを近くに呼び寄せ何かを喋った。


「精霊を呼び寄せ何をしてらっしゃるのですか?もしかして最後のお別れの言葉でしょうか?勇者の血族が哀れですね、ふふふふ」



精霊纏い(スピリチャルアーマ)



サラマンダーが薄くなりルドルフの体に吸い込まれて行った、そうすると風穴が空いたハズのお腹の傷が徐々に塞がっていった。


「馬鹿なその技初代勇者のみの技なぜお前が支える」


ベルゼブブは動揺を隠さずにそう放った


「ああ、その通りだ本来の精霊纏いは俺の祖先アルムスだけの技だ、だが俺の場合は命と引き換えだ器が足りないからな」


ルドルフの能力が大幅に上がり炎の様な魔力が身体中に覆っている。


「ここからが本番だベルゼブブ」


ルドルフは瞬時に最上級の身体強化魔法をかけ

ベルゼブブに斬りかかる。

サラマンダーの魔力と炎とルドルフの多い魔力もあり今のベルゼブブでは本気を出しても防ぐのが精一杯なほどの攻撃速度と威力だった


「くそおおおおおお」


ベルゼブブは先程との口調が崩れ怒りがこみ上げていた、ルドルフはその瞬間を見逃さなかった

即座にベルゼブブの後ろの方にある黒いゲートに全身全霊で最大の攻撃を放った


「|霊炎王の一振り《ホロフレムブレイクっ!!》」


「しまっったっ」


ベルゼブブが後ろを振り向いた時にはもう遅かったゲートは崩れ壊れたのである



「クソがああああああああああああああ」


ベルゼブブは怒り・混乱・悲壮感を混ざりあった顔をしていた、その後即座に冷静な顔に戻った


「絶対に殺します」


「壊せた..」


ルドルフはかなり疲れた様な顔をしていた最後の一撃を放ったあと身体から魔力が抜けている様であった.....


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