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ボクだけ"超ハードモード"な世界の終末  作者: めぇりぃう
寝ている間に世界は終末してました
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6.戦闘

ちょっとだけ残酷な描写が入ります。ちょっとだけ

 我ら『ボロアパート2F組』は、北高を目指して進んでおります。因みに北高、ボクが通っている高校です。


 幸いなことに未だに接敵しておりません。と、言ってもまだボロアパートから100メートルも離れてませんから。北高まであと300メートルちょいです。頑張りましょう!


 え、近くないか、ですか?そりゃ、ボクが登校するのに便利だからあのボロアパートを借りたんですもん。近いに決まっているでしょうて。


 滑り出しは上場。このまま無事に行けばいいなー。というものはフラグになりうるので考えないでおきます。


 さーてさて。そろそろ目を背けていた()()()について考えますか。



  ──『超ハードモード』



 これについて、もう一度説明プリーズミー。



『超ハードモード』

 "プレイヤー"は"敵対生命体"にとって最上位の優先度となる。

 "プレイヤー"は空腹になり易くなる。

 "プレイヤー"は必要な経験値が5倍となる。

 "プレイヤー"は受け取れる恩恵値が2倍となる。

 クエスト報酬ランク:〔最下位〕

 獲得可能スキル:〈普通(コモン)



 これ、説明見るだけでも超ハードですよね。『ハードモード』は何となく、厳しいけど割に合う報酬とスキルがあるのに対し、この『超ハードモード』は嫌がらせのように厳しいだけ。報酬ランク〔最下位〕て、せめて〔上位〕にしようぜ?獲得可能スキルが[普通(コモン)]だけて、『イージーモード』より少ないんだが。さすが"超"が付くハードモードってことですか。


 はぁ、これ人生を最悪な方へと進めた選択をしたかも知れませんねぇ。ただでさえ世界終末迎えそうですのに、それだけでハードな世界だと言うのに、更にハードに仕立てあげていくとか、ボクっていつの間にM属性追加していたのでしょうか。アプデは当分先かと思っていたのですが...。はぁ...。



 と、ボクがボクのミスに嘆いていると、その嘆きに応えてくれるかのようにハプニングは起こります。


「人かと思ったが、やっぱりゾンビだ...数は2体。避けるか進むか、どうする?」


 先頭を歩く木山さんが、ボク達に向けて訊ねました。進む、という選択肢=戦闘でしょう。ボクの世界終末の初戦闘ですね。怖いです。


 ボク、運動はからっきし駄目なんですよね。根っからのオタクと言いますか、昔から読書と結婚しているようなキャラでして。外遊びとかした事ありません。小学生より体力が無い自信がありますよ。ドヤァ。


 それで、まぁ。木刀とか包丁とか持ってはいますけど、正直闘える自身はカスほど無いです。傍観者でありたい(切実な願望)


 で、ボクのどうでもいい情報は置いておいて、今はゾンビの対処が先です。


 ゾンビの見た目は本当に人間そのもの、と言った具合です。歩き方がヨロヨロとしている事くらいしか、遠目では分かりません。ですが、近づいてよく見ると、体の至るところに擦り傷どころの話じゃない傷が見えるのです。その傷口から肉がデロンと溶けるようにはみ出しており、「あ、これ生きてないな」と分かります。加えて腐臭が酷いです。鼻が曲がりました。


 ボクが気になっている点は、このゾンビがなぜ現れたのか──という事も大きくありますが、今気になる点は、()()の有無です。いえ、感染は殆ど確定そうですし、正確に言うならば、どのタイミングで感染するか、ですね。傷を受けたら、噛まれたら、ゾンビの血肉が体内に入ったら、空気感染、死んだら仲間入り、などなどありますよね。実験とかしたくないですけど、注意しておいて損はないと思います。...落ち着いたら木山さん辺りに話してみます。


「回り道をしても、化物と遭遇しないとは限りませんし、ここは最短ルートで進むことを優先しましょう」


 と、フクさんが返します。ボクもそれに同意。遠回りして接敵回数が増える恐れもありますからね。2体はまだ少ない方でしょうし、頑張らなくては先に進めないでしょう。


「あいわかった。2人もそれでいいか?」


 木山さんの問いかけに、ボクと松田さんは首を縦に振ります。


「俺が不意打ちで一体は仕留める。残り一体は皆で慎重に倒そう」


 木山さんが提案する作戦に、ボク達は再度首を縦にを振ります。実行役は木山さんですから、文句を付ける理由もありません。


 木山さんは静かにゾンビに近づいていきます。幸いなことに2体とも木山さん及びその後に続くボク達に気づいておりません。そした、ついに手の届く範囲まで息を殺しながら近づきました。


「うっらぁっ!!」


 今がチャンス、と木山さんはバールのようなものを振りかぶり、ゾンビの後頭部目掛けて振り下ろします。


 ガツッという鈍い音を立てて、バールのようなものはゾンビに直撃しました。不意打ちを食らったゾンビはふらふらと前に2、3歩進んでからバタリと倒れ伏しました。木山さんの作戦通りに、1体目の討伐完了です。


「おらぁっ!」


 木山さんの攻撃は終わっていません。1体目が倒れたことを確認して、続けて残る2体目にバールのようなものをを叩きつけます。コチラは漸く木山さんに気づいたらしく、腕を振り上げていたところへ、木山さんのバールのようなものが顔面に直撃。ノックバックを受けてから仰向けに倒れます。ですが、まだ討伐とはいかないようです。ゾンビですから痛みを感じないのでしょう。再び起き上がろうとしています。


「...ッらぁっ!」


 一撃で倒せなかったことに一瞬だけ焦り見せましたが、木山さんは容赦なく追撃を行いました。バールのようなものによる、2回目の顔面殴打。これにはゾンビを耐えきれず、反応は無くなりました。2体とも、既に息絶えたようです...あ、元から息はしてませんでしたね。


 とにかく我らの...いや、木山さんの勝利です。作戦とはなんぞそれ。木山さん1人の戦闘でした。

「ボクもバールなようなものが欲しいですね...」


「ん?これはバールだぞ?」


「...ですねぇ」

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