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ボクだけ"超ハードモード"な世界の終末  作者: めぇりぃう
デイヤマ戦線
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35.お寝坊さん 2

いやまさか。そんな訳ないですよね。4日?4日眠っていたとか、言っていませんでしたか?ははは、ボクの聞き間違いですよね。たぶんですね、「よかった、目を覚まさなくて〜〜」と仰ったんでしょう。それを「4日も目を覚まさなくて〜〜」に聞こえてしまった。さもなくば幻聴の類を疑わなければならないですよね。何も言ってなかったのに、そう聞き取ってしまった、と。いやぁ、思っていた以上にボロボロですね、ボク。だって、ねぇ?この距離での聞き間違え、もしくは幻聴?いやはや。病院に行くべきレベルを超えていますね。そりゃ、四肢がまともに動きませんから、重体であることは理解していましたとも。けど、耳や頭までやられているとは。アレですかね。久しぶりにはっちゃけたせいで、頭がパンクでもしちゃったんですかね?困りましたねぇ。あっちのテンションの方が戦闘には向いているんで、これからもちょくちょく使っていこうと企てていたんですけれど。もしかして、禁止令出しちゃいますレベルの禁術的ナニカ?あらまぁ、ボクったら、いつの間にそんな術を会得していたのでしょう!素晴らしいですねぇ。ハイリスクハイリターンな技、好きですよぉ。諸刃の剣大好きです。はははははははははははははははは。



「稲井ちゃん!?目を覚ましたのか!?」



現実逃避に勤しんでいると、木山さんが駆けて来ました。


木山さんの髪が記憶している以上にボサボサとなっており、目の下にはっきりとしたくまが出来ていました。明らかに疲労が見受けられます。しかし、その疲労よりも安堵している表情に見えるのは、気の所為ではありません。ボクの事を気遣ってくれていた、ということなのでしょう。



「はい、おはようございます」


「そうか、そうか...よかった...本当によかった...!」



ボクが言葉を返せば、木山さんは感極まって泣いてしまいました。


確かに心配してくれていた故なのでしょうけど、大人の人に泣かれると困ってしまいます。ましてや今は動くことすら出来ないというのに、どう言った対応をすればいいのでしょうか。


戸惑っているボクへと、フクさんから助け舟が流れてきました。



「稲井ちゃん、体はどうだい?」


「四肢が全く動きません」


「そうか...暫くは安静にしておこう」



泣いちゃっている木山さんは放置して、フクさんと話を進めます。木山さんを呼んだ意味、あるんですかね?松田さんは外で見張り番をしているらしいのですが、木山さんが居た方が良いのでは、と考えてしまいます。



その時、デイヤマ内に盛大な音が鳴り響きました。



それは何処からとも無く。予兆も無しに鳴ったのです。



まるで大地の呻き声のような、神々の怒りを体現したかのような。何処と無く獣の唸り声にも聞こえます。



その音にフクさんは固まり、木山さんさえ泣くのを止めてしまいました。皆、この音に驚愕しているのです。



「.........お腹、空いちゃいました」



まぁ、音源はボクのお腹なんですけどね。




 ※ ※ ※




「あーーー......んむ、ほふほふ」



フクさんによる補助の下、ボクは猫まんまっぽいものを食べています。デイヤマの中にあったもので作ったそうです。ベースは味噌汁とサトヲのご飯。その上にかつお節が振りかかっています。因みに木山さんのスキルで調理したそうですよ。


ボクとしては甘味を食べたかったのですが、空きっ腹には良くないと言われてしまいました。お腹が空いたら甘味を食すボクに、そんなこと言われても今更感あるんですけどね。結構強めに言われたので、渋々従いましたよ。


これまた補助してもらって、寝の体勢から座の体勢にしています。あの格好じゃ何も食べれませんからね。一悶着あったことは忘れて、今は食に集中します。



「あ〜〜んむ」



何故か、凄くお腹が空いているんですよね。口を開けて次の一口を催促しちゃいます。


お察しかも知れませんが、ボクの主食は甘味でした。まぁ、食生活が崩れまくっているのですけれど、そこは気にしないでください。健康体なんで、大丈夫です。


論点はそこではなく、食べる量についてです。ボク、お茶碗1杯のご飯を食べる事が限界なんですよね。おにぎりも一食につき1個しか食べません。


そんなボクが、パクパクとご飯を食べているんです。食べ易い、という理由もあるかと思いますが、腹の底が見えないんですよ。奈落に落ちているんじゃ、と思うくらいに入っていきます。全然満たされません。



またお口を開けて、次の一口を待ちます。



「稲井ちゃん、まだ足りなかったかい?」


「あ〜〜......え、もう終わったんですか」



阿呆みたいに口を開けていたのですが、なんと終わってしまったようです。フクさんも驚いていますが、ボクが1番驚いています。


ボクの体、どうなってしまったのでしょうか?



「うん。追加で作ってくるから、少し待っておいてくれ」


「はい。お願いします」



まぁ、今はそんな事を気にするよりも、ご飯を食べたいです。大食い系JKに転生したと考えましょう。


フクさんがお代わりを持ってくる間に──少し眠くなってしまいました。お腹が満たされない、とか言いつつしっかりと膨れてはいたようですね。耐えきれない眠気が襲ってきました。うつらうつらとしてきます。


フクさんが起こしてくれることを切に願いながら、ボクは目を閉じてオフトゥンに身を委ねる事にしました。




 ※ ※ ※




「起こして、くれなかったんですね...」



目を覚ませばお昼の少し前。あれから5時間近く寝ちゃったようです。寝て起きて食って寝てとか、酷い生活しちゃいましたよ。



「ごめんね。あまりに気持ち良さそうに寝ていたから、起こすのは可哀想だと思ってしまったよ」



ボクが少し不服そうに言えば、フクさんがそう言いました。


どうやらフクさんはお代わりを持って来てくれたようですが、ボクが眠っていることを見て寝かせておいてくれたようですね。知っていました。


寝てしまったのはボクですし、フクさんを恨む事がお門違いだとは理解しています。けど、折角用意してくれたご飯を温かいうちに食べたかったです。


今は温め直してもらっている最中なので、ボクだけご飯を食べていないんですよね。ボクの周りには珍しく3人が集まってご飯を食べているんですけどね。



「いやぁ、でも。稲井ちゃんが寝ちゃったから、また木山くんが慌てたのは面白かったよ」


「ちょっと、福山さん!その事言わないでくださいって...!」


「ははは、あの木山くんの慌てようったら。化け物達を相手するより必死だったよ」


「松田さんまで...!」



年上2人にいじられている木山さん。箸を止めて焦る木山さんは、確かに面白いです。ボクはからかわれる側でしたから、こうしてからかわれている木山さんを見るのは楽しいです。

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