1.目を覚ましたら
受験シーズンにグダグダと書いていたものです。短い文をちょっとずつ出します。不定期投稿。
うっく...あー眠い。眠いよ眠い。あと5分だけ...という言葉を呟き、早く起きろという返しが無いことに今更ながら悲しくなります。
ボクのこの睡魔は何処から...って、いや、本当は今起床したばっかなんですけどね。昨晩ちょっとゲームし過ぎていましてさ。夜更かししちゃった、てへ。ってやつです。
前を見ると、そのやり掛けのゲームがパソコンの画面に──って、切れてますね。スリープモードになってんでしょう。
いやはや、かなり燃えてプレイしていたんですけどねぇ...何とかボスの目の前までやって来れたってところで、力尽きた訳なんです。ボクが。うん、ゲームの中の闘いより、外の戦いの方が苛烈だったという訳ですよ。ボクは敗者。負け組ですぁ。
潜っていたオフトゥンから腕だけを伸ばして、スマホを手に取ります。ぽちっと電源を付け、現在時刻を...って、あれ?充電が70%だと...?可笑しいな。寝(落ち)る前に充電器にぶっ刺していた筈だし、今さっき充電器から外したばっかなんだけど...充電器壊れたかな?まぁ、いいや。
えっと、寝落ちたのが大体3時過ぎで現在11時ですね。8時間も寝たのにまだ眠いのか、ですか?ボクは長時間寝ないとやっていけない子でして。その上で夜更かし大好きなんです。まったく良い性格してますよね。
あ、実はコレ、寝疲れて眠いんですよ。も少し寝れる。そして寝疲れてまた眠る。無限睡眠状態、入りましたね。この無限睡眠状態に1度嵌ると、中々抜け出せるもんじゃありません。おっもーい重しを体中に乗せたかのような、オフトゥンと鎖で繋げられたかのような、そういった具合に感じられます。ボク的に。
でも起きてご飯食べないとなぁ。寝起きですけどお腹空きましたし。うーん、出たくない。眠りたい。寝ている間に誰かボクのためにご飯作ってくれないですかねぇ。将来は、家事が出来る旦那サマを捕まえて料理して欲しいです。あと、お金稼ぎも。ボクはグータラに過ごしたいんですよぉ。贅沢な夢ですかねぇ。
それはそうと、いやはや。やっぱりゲームって楽しいものですよね。無難なRPGでも、やってみると楽しくて楽しくて。ついつい時間を忘れちゃいます。昨晩もレトロなRPGにめり込みまくりまして。前述の通り、漸くラスボス戦までやって来れた段階です。
実はですねぇ。昨日ボクのメールに『world_break』とかいうゲーム会社からのメッセが届きましてねぇ。えぇ、聞いたこともない会社でしたので、「すわスパムか!?」と構えたのですがどうやら違くて。新しく設立したゲーム会社なようなのです。それで、まぁこれから宜しくお願いしますというメッセージと、付属でお試しのRPGが無料でプレイ可能でしたから、それに耽っていたという訳ですね。無料なら大歓迎です。更にその上、このゲーム『Save the world』という、なっっっんの捻りもないタイトルと、その反面無駄に凝ったタイトル画面に興味がそそられました。ボクの琴線に触れた、って訳です。
えぇと、別に気にはならないかと思いますが、このゲームの概要、説明させてもらいますよ?
先ず、難易度が選べるんですねぇ。1.かんたん、2.ふつう、3.むつかしい、って具合ですね。もちろんボクは──1の"かんたん"ですよ。ボクはゲーマーと言っても、縛りプレイとかミスの許されない鬼畜ゲーだとか、そういう類のゲームは興味ありません。簡単に...敵をズバッと、物語さくっと、そういう感じに進めたいんです。まぁ、多少悩む謎解き系はやりますよ?楽しいですから。
っとと、脱線しましたね。話を戻します。
難易度──ボクで言う"かんたん"──を選ぶと物語が始まります。『はじまりの街』というありふれた名前の街から生まれた勇者見習い(主人公つまりボク)が、地味〜ちにレベルを上げて活躍して名を轟かせます。その名は隣国にまで届き、遂には国王に呼ばれて依頼をされることに。その依頼コソがこのゲームのメインクエスト。【魔王討伐】です。うんたらかんたらな理由で"魔王"なる魔人が人間を襲うだの何だので、その魔王を討って欲しいと嘆願されます。まぁ、王道の「勇者VS魔王」ですよね。
因みに余計な話なのですが、『はじまりの街』におけるクエストは全てチュートリアルですね。案外と細やかな設定があるようで、宿で休む、防具を買う、防具を作ってもらう、武器を買う、武器を作ってもらう、魔物素材を買い取ってもらう、他アイテムを購入する、など、くそメンドーに分けられていました。良いじゃん、1つに纏めようぜ?なんていうものは、腐った考えなんでしょうけど。
えーっと、それで【魔王討伐】というグランドクエスト発注後に、様々な冒険が待っているわけですね。仲間作ったり、武器壊れたり、武器作ったり、防具壊れたり、防具作ったり、仲間作ったり、武器壊れたり、武器買ったり、仲間失ったり、防具壊れたり、防具買ったり、仲間買ったり、と。
えぇ、最終的なボクの装備は、頭からつま先まで量産型の安い防具で身を固め、腰にはこれまた量産型の安い『鉄の剣』を3本刺して、仲間に杖や盾を持たせて補助と防御を頼む、という形に収まりました。ボク、思ったより勇者勇者やってませんねぇ。伝説の剣なんてもの、この世界には無かったみたいです。
ま、結果から言うとこれで【魔王討伐】はクリア出来たんですよ。そりゃ、ボクが大枚叩いて買った『回復ポーション[上級]』を乱用しましたけどね。それ込みでの作戦でしたし、ボクとしては完璧だったんですけど...。どうやらボクが裏切らない仲間を連れていることが悪かったらしく、ラスボスは人間達となりました。
人類皆の敵の親玉である【魔王】を討伐したら、今度は背中を人類に刺された訳ですね。初めこのログを見た時、「はぁっ!?なんだよこれ!?意味分かんないっ!」と叫んだものです。まぁ、これはこれで特殊なストーリーを楽しめる、と考えて落ち着いたんです。
いやはや因みに、これが普通の仲間を作っていた勇者の場合、『真なる魔王』だとか『魔竜』だとか『魔神』がラスボスに位置するんでしょうけどね。仲間を仲間として思わない勇者には、人類の敵に映るそうで。
んでまぁ、対人となると厄介なのが圧倒的な人数差によるゴリ押し。魔物は基本的に1~6体で行動するのですが、人間の場合は軍隊でやってきますからねぇ。それも、「邪悪なる勇者を討たん!」とか言う旗を掲げてやって来るんです。むかむかしますね。
数の暴力は凄まじいですよね。まず、ボクがいくら剣を振ったところで、せいぜい1人2人に傷を負わせる程度。直ぐに囲まれてリンチに遭います。酷い。
ボクが取った戦法と言えば、遠方からの魔法バンバンですね。相手は軍隊。的は大きいので、なるべく被害が大きくなるよう、無駄に広範囲な炎魔法で焼き払ってやりましたよ。勇者のパーティメンバーが。
うーん、俯瞰的に見ると、この勇者の行いは悪い事だとは思います。ですが、時と場合があるじゃないですか。普通の仲間を連れて裏切られ、任務失敗して世界終焉とか、完全なるバッドエンドですよね?それ回避するための手段の一つ。このゲームの世界でもまかり通っている『奴隷』という手段を使ったボクは、本当に完全悪なのでしょうか?ちょっと作成者の奴隷嫌いが出過ぎじゃありませんかね?それならそんなものなんて作らなきゃ良かったじゃないですか。意味分かりません。コチラはとにかく必死に世界を救おうとしているのに。
ええっと、それでですね...はい、軍隊との戦いは激化。勇者は新たに魔物を使役し始めちゃって、そこからはもう乱戦です。数の利は完全に無くなり、あとは、生き残りをかけた全面戦争ってやつです。あちこちの砦に飛竜をけしかけ、慌てた所へゴブリン隊を向かわせ落とす。最後にゴブリン・ロードなる上位種による虐殺を行い、その討伐に駆け付けた騎士達を隠れたところから魔法でドカン。清々しいものでした。
途中で気づきましたねぇ。「あ、これ勇者が魔王になっている」と。なるほど、魔王さんも元は人間だったやもしれないってことですね。人間に裏切られた人間が魔王になり。その魔王を討った勇者であるにもかかわらず、人間に裏切られてしまった為に魔王になる。どうも人間の性を表しているようで。臭いものには蓋をしろ。自分達の常識を逸した力を持つ怖いものは全て敵として祭り上げ。最終的には魔王に仕立てあげ討伐する。分からんでもないですが、もう少し平和に解決する手段はあったと思います。勇者って、話せばわかるもんですよ?
ほいで、よーやく城に攻め込む事が出来て、対近衛兵達との直前で力尽きた訳です。コイツら殺ったら勇者の勝ちですよ。話し合いはもうしません。問答無用!と斬りつけてやらァ。もはや、勇者かどうかも分かりませんけどねぇ。
『"勇者"は人類の敵と認定されました』
「はぁっ!?なんだよこれ!?意味わかんないっ!」
『......そう言われましても』
「え、あ、いえ。あぁ、こういうストーリーもありですよね」