表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
炎の騎士伝  作者: ものぐさ卿
第一節 無くしても残る物

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/343

第七十四話 関係を探り

 喫茶店を例の二人が出て行く様子が目に入る。

 何処か彼は慌てており、会計を済ませると駆け足で二人は店外へと出てしまった。 


 「あ、早速二人が動いたようだね……。

 でも、何か急いでるみたいだけどどうしたんだろ?」


 すると、先程消えたシルビアがこちらへと戻って来た。


 「お二人方の偵察、只今完了いたしました姉様」


 「ありがとう、シルビア。

 それで、二人は何を話していたの?」


 「それがですね……」


 向こうでの二人の会話の内容をシルビアが一通り私達へと伝えた。

 様々な事が色々と分かり、二人が付き合っている訳では無いと分かり安堵する自分もあった。

 しかし、全く気にならない事がなかったわけでもなく


 「えっ……?!

 シファ様が彼女の主と付き合っているの?!」 


 「はい、そのようです。

 本日は、その証拠を確認するために、御二人でシファ様達を待ち構えていたらしいですね。

 それを私達が勝手にあの二人が付き合っていると勘違いしてしまったと………」


 「あー、なるほど。

 あの二人の妙な反応はそれが原因だったのか……。

 確かにシラフにとっては自分のお姉さんの交際とな?と色々複雑だろうからね……。

 彼女も彼女で、自分の主の色恋沙汰に正気を保てなくなったと………」


 「でもルーシャ、もう一つの話も気になるよ……。

 帝国がなんだかって話」


 「はい、私も詳しい事はよく分かりませんが……。

 帝国に関して色々と話をしていたのは確かですね。

 自分達は造られた存在だとか、色々と疑問に残る事が多かったです」


 「でも帝国かぁ……。

 でもさ、アレって20年も昔に滅んだ国だよね。

 それが今更、二人と一体何の関係があるんだろ?」


 「まぁとにかく、それは置いておこう。

 今はそれより、二人を追うよ。

 確か、クレシアの誕生日プレゼントを買いに行ったんだよね、シルビア?」


 「はい……そのようでしたね」 


 「用意していないシラフも問題あるけど。

 とりあえず、私達は追って追跡するよ。

 確か、近くの小物店だったよねシルビア」


 「はい、姉様」


 「二人共、その今更なんだけど本当にゴメン!」


 突然、クレシアが頭を下げ何処か慌てた様子で言葉を続けた。


 「えっとね……。

 私、そろそろ屋敷に戻って準備とかしないといけないから。

 突然で本当にごめんなさい!」


 「あ、そっか………。

 それじゃあ仕方ないよ。

 じゃあ、向こうに着いた時に今回の事を色々と報告するから楽しみにしてて!」


 「うん、それじゃあ先に待ってるから!!」


 そう言うと、クレシアは自分の会計を済まして走り去って行く。


 「それじゃあ、シルビア。

 向かう準備は出来てる?」


 「はい、姉様。

 早く二人の元へと急ぎましょう!」


 それから、私達二人は、先に出ていった二人の後を追いに向かった。


 

 女性用の小物品が多く並ぶ店内、俺一人では少々心狭いが隣で品定めをしてくれる彼女が居るおかけでかなり自然に店内での買い物をする事が出来ている。


 「そうですね、例えばこれとかどうでしょうか?」


 彼女が手に取って見せたのは、黄色い花の模様が入った髪留めである。

 綺麗な装飾品だと思うし、きっと贈る彼女にも似合うだろうが俺には何故かそれがピンと来なかった。


 「花柄か……結構良いと思うけど……。

 うーん、どうなんだろうなぁ……?」


 「その人には、どのような物が合うと?」


 「何だろうなぁ……、

黄色は少し違う気がする……」


 「そうですか……。

 では、こちら等はどうでしょう?

 鳥の羽を模した作りで、とても繊細な品で良い物だと思いますが?」


 見せたのは、青い羽根の髪留め。

 宝石のような綺羅びやかとは言えないが、とても良い物だと伺える。

 しかし、やはり何か違う気がした……。


 「青……何か違うんだよなぁ」


 「そうですか……。

 では、そこまで言うシラフ様自身としては、どのような物がその友人様にお似合いだと思っているのです?」


 「そうだな……。

 例えば、ええと……」


 俺は目の前の棚から、一つの髪留めを手に取る。

 赤く真紅の花の飾りが付いた物を取り、それを彼女に見せた。


 「これとか、どうかな?」


 「赤い花飾りですか……何故それを選んだのです?」


 「何となくだよ…

 俺の中でなこれが一番だと思ったんだ」


 「そうですか……。

 それでは、そちらの品にしてはどうでしょうか?

 シラフ様の選んだ物であった方が友人の方も喜ぶはずでしょう」


 「そうか。

 喜んでくれればいいと思うよ」



 二人が楽しげに買い物をしている様子を、遠目から私達は見ていた。


 私から見ても、二人はとても仲が良さそうに見える。

 やはりシラフさんは、ああいうお淑やかで大人っぽい人物が好みなのだろうか?

 彼を想う姉様の為にも、他にも色々と調べないといけない。


 それから更に私は二人が品物を選んでいる様子を、一人静かに見守り続けた。

 その中で、私はふと喫茶店での二人のやり取りを思い出していた。


 姉様には、シンさんの細かい事情についての説明は省いて言わないようにした……。

 彼女達は造られた存在だという事が大きな気掛かりである。

 そして同じく彼女の主も造られた存在……。

 シラフさんはそれを知って黙っている、あるいは関わらせてたくない何らかの理由がある……。

 可能性としては、私達を守る為。

 そして、敢えて二人を泳がして様子を見ているのかもしれない。


 そんな事を考えてたいると、シラフさんは赤い髪留めを手に取り彼女にそれを見せて勧めていた。


 赤い髪留め、確かに私からもあの人は赤い物が似合う人だと思たが、流石にちょっと大人過ぎるような気がしてならない……。

 やっぱり、男性目線だとどうしてもこちらの主観とは少しズレた物になってしまうのだろうか……。

 しかし、私はそれ以上に気になっていた。


 そう、二人の距離があまりに近いのである。


 私から見ると、シンとシラフの距離は友人にしては遥かに近く恐らく拳1つ分程の距離しか無いだろう。


 あまりに二人の距離が近い……。

 シラフさんが近いのか、あるいはあの人がシラフさんに近づいているのか……。

 お互いに無意識なのからよく分からない

 しかし、二人の仲が良さそうに見える事実には変わりなく……。


 脳内で色々と慌てふためいていると、いつの間にか二人が店内会計を済ませしまっていた。

 まずい、そう思い私は慌てて店を出て二人を追った。


 すると、


 「待っていましたよ、シルビアさん」


 そこには、私を待ち構えていた二人がいたのだった。


 「えっ……いつから気付いて……

 あれでも、姿はちゃんと消して………」


 そう思い自分の姿を確認、いつの間にか自分の姿が露わとなってしまっており、思わず「やってしまった……」と我に返って愚痴が溢れた。


 「シラフ様はどうか分かりませんが、喫茶店の時から貴方達の存在には気づいていましたよ」


 「うっ……、いやえっとですね……。

 コレはその深い事情が……」


 「まあ、そこら辺にしましょうよシンさん。

 それより、シルビア様には見られたしまったな俺達が買い物をしている所……。

 ルーシャやクレシアには俺が誕生日の贈り物を買ってない事がもうバレているのか?」


 「えっと……、そうですね、はい」


 「そっか……。

 買い物に行っていたのがバレていたか……。

 贈り物を忘れていたなんて、クレシアの方は許してくれても後でルーシャから色々と小言を受けるだろな……」


 「その……。

 でも、贈り物を貰ったらきっと喜ぶと思いますよ。

 クレシアさんは……」


 「慰めに感謝しますよ、シルビア様」


 「では、私は失礼させて貰います。

 シラフ様は彼女達を屋敷まで案内させてあげて下さい。

 きっと今頃、ルーシャ様も貴方を探しているでしょうから」


 「そうだな……買い物に付き添ってくれてありがとう。

 姉さん達について分かったら後ほど連絡を頼む」


 「了解しました、それではまた後ほど」


 そう言ってシンさんは私達の元から去って行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ