修羅場を超えて、一難は去って
帝歴404年1月6日
昨日の一件についてどうやって解決するべきかを、俺とハイド、そしてアクリも交えて日を跨ぐまで対策会議をしていた。
話し合ってた途中、アクリが「眠くなったので、ベッド借りますね」とのことで俺の部屋のベッドを勝手に占領しそのまま眠り込んでしまった。
残された俺達二人は、その後も対策を練るに練って日を跨いだ辺りに解散。
その後俺はアクリを無理矢理起こそうと努力したが一向に彼女は起きない為、部屋のソファーで朝を迎える事になる。
話し合った末に出た幾つかの案として
・好物の食べ物で誘う。
・新しいお洋服をプレゼント☆
・ドアをこじ開け、引きずり出そうよ★
・ここはロマンチックに愛を語ろう!
・颯爽と白馬で出迎える
・来るまで待とうかホトトギス
・手作りのお菓子を作って、誘い出す
・匂いのキツイあの缶詰を放り込む
等、途中からお互い疲れていたのか狂ったような案や物騒なモノまで浮かび、今日この日いずれかの案を実行する事にする。
可能なものがどれくらいあるかは分からないが、物は試しに色々とやってみるしかない。
というか、こんな事をすれば歌姫である彼女から余計に嫌われるのではないかと思うのだが……。
「昨晩はお楽しみでしたね、シラフ先輩?」
「無実だ!
というか、幾ら暖房入れたとはいえ毛布一枚じゃかなり寒かったんだが……。
なんか全身が変に痛むし、人のベッドを勝手に占領しといて何を言うつもりなんだよ?!」
「えー、本当にソファーで寝たんですか?
起こしてくれれば良かったのに?」
「起こしたのに、起きなかったのはお前だろ……」
「あー、そうでしたっけ……?
それで、私が休んだ後に進展はありましたか?」
「ほとんど変わらない
打つ手はあまりない上に、下手に動けば余計に嫌われるだろ?
俺はともかく、ハイドさんの方がな……」
「あー、シラフ先輩はもう下に振り切ってますもんね」
「そうだよ……。
で、とりあえずこの中から一つ実行してみようとは思うんだが、どうする?」
俺はそう言い、昨日出た案を書き記した紙を眠そうにしているアクリに手渡す。
それを軽く眺め、なんとも微妙な表情を浮かべるとそのまま俺に紙を返した。
「あー、これはちょっと無理そうですね☆
アハハハ……☆」
「笑い事じゃないだろ……てか、この状況をどうやって説明する気だよ?」
「説明って、何をです?」
「いや、だから今のこの状況をだよ。
流石に、同じ部屋で一夜過ごしたって状況は流石にまずいんじゃないのか?
俺も、お前もさ?」
「あー、まぁ私は適当にシラフ先輩に襲われましたーって泣きつけばそれで済みますよね?」
「俺はどうなるんだよ?!!!
ルーシャ達から色々な意味で殺される!!」
「えー、じゃあ私から上手く説明しますよ。
それに当時の証人だって、例のハイドさんがいる訳ですし?
別に大した問題じゃないと思いますよ?」
「アクリからしっかり潔白を証明してくれないと俺の身が本当に危ない」
「はいはい、わかってますから。
それよりシラフ先輩、部屋のシャワー借りますね。
私夜も朝も浴びる派なので、昨日入ってないからちょっと気持ち悪いんですよね」
「いや、自分の部屋に戻ってくれ。
着替えとか必要じゃないのか?」
「こんな事もあろうかと、着替えは既にシラフ先輩の部屋に置いてますよ。
そんなに心配せずとも大丈夫ですよ」
「こんな事もあろうかとって、何を想定してたんだ!
明らかに確信犯だろ、ソレ!」
「まぁまぁそんな怒らないで下さいよ☆
かわいい後輩が一緒に居るんですから☆」
「相手をもう少しは考えろよ……。
無頓着すぎないか、流石に……」
「まぁ、とにかくシャワー借りますね☆
幾ら私が可愛くたって覗いたら駄目ですよ☆」
「ちょっと待てって、アクリ!」
俺の言葉に聞く耳持たず、彼女は部屋の奥へと消えた。
というか、アクリは何を考えてるのかさっぱり分からない……。
ルーシャとは違う意味で人をもてあそぶというか、困らせて楽しんでいる。
しかし、彼女の悪戯心が周りに対して及ばないのはありがたいところ。
彼女のホムンクルスとしての圧倒的な力が他者に見境なく振るわれでもしたら、事態は更に深刻していたのは確実なのだ。
唯一の問題といえば、今のように悪戯心の対象が俺一人に向かっており、謎に懐かれている事である。
根は悪い奴ではないんだろうし、ルーシャや例外を覗いて周りとは上手くやっている。
あの中で唯一リンとの関係もあった俺に対しては心を許しているのかもしれないが……。
最近の彼女のやり方はどんどんエスカレートしている。
ルーシャとの関係もあるから、強く言うべきなんだろうが……心理戦に関してアクリの方が遥かに強い……。
彼女の悪戯心を前に、手の平の上で踊らされるのがオチなのだ……。
「ねえ、シラフー!
もう起きてるかな?
アクリが部屋に戻ってないみたいなんだけど見てない?
外で会ったハイドさん曰く、シラフの部屋に来てるらしいんだけど?」
外から聞こえてくる、今一番来て欲しくない相手。
ルーシャだ、サリア王国第2王女であり交際相手の彼女が今、俺達の部屋の前に来ている。
「嘘だろ……なんでこんな時に……」
思わずそんな台詞が漏れる。
部屋の奥から漏れて聞こえる、シャワーの音とアクリの鼻歌のような声……。
頼む、もう少し音を抑えてくれ……。
そして、どうやって乗り切る……この状況を……。
いっそ、ややこしくなる前に全部説明するか?
アクリがちゃんと説明してくれるって言ってたし、実際俺は無実だ。
絶対何もしてない、向こうから何かしてない限り……
とにかく、早くなんとかしないと事態はより悪化するのは確かだろう……、
「その声、ルーシャか?
こんな朝早くから来るなんて珍しいナ?」
「朝食良かったら一緒にどうかなって?
それより、そっちにアクリ来てない?」
「あー、来てるよ……。
でもその、なんというか今すぐに出れない状況というかなんというカナァ……」
「シラフ、なんか声の調子おかしくない?
何か隠してる?」
「いや、別にそんな事はない……。
ただ、今の状況はちょっと誤解されるかもしれないからなんというか……」
「………」
「ルーシャ?」
「シラフ、今すぐ開けなさい。
なんとなくだけど、今すぐ見ないといけない状況だよね
?」
「いや、まぁ確かにそうなんだが心の準備が……」
「いいから、早くして!」
「あっ……はい……」
あまりに強い剣幕に、声だけで気圧された。
流石、我が主……頭が上がらない。
俺は彼女の言われるがまま部屋の扉を開けると、頬を膨らませ不機嫌な彼女がそこにいた。
そして、言うまでもなく部屋にすぐさま押し入り部屋の散策を始める。
「アクリ!!
やっぱりあなたここに来ているんでしょう!!
今回ばかりは流石にやり過ぎ!!
どんな事情かは知らないけど、いい加減にしないとそろそろ本気で怒るからね!!」
「ルーシャ様?!!!
どうしてこんな急に……シラフ先輩は?!」
部屋の浴室から聞こえる声に、ルーシャの目つきが僅かに険しくなる。
部屋の状況を軽く見ると、僅かにルーシャがため息を吐くと、彼女はそのままアクリの居る浴室へと向かう。
数分と経たずに、着替えさせられそこそこ濡れたままのアクリが、ルーシャのお怒りの元で正座をさせられていた。
着替えさせてあげたのは、彼女なりの情があってのものだろうか。
俺はというと、本来なら修羅場の中心にいるはずのにルーシャの状況理解が早かったのかルーシャとアクリの間に立っている状態。
「で、これはどういう事なのかなアクリ?
なんであなたが、シラフの部屋に自分の着換えを持ち込んで朝からシャワーなんて浴びてるの?」
「ええとですね……その、なんというか……。
えっと昨夜はその、歌姫さんの従者であるハイドさんとシラフ先輩との3人で部屋に籠もった歌姫さんをどうするかって事を話し合ってたんですよ。
で、その……私は先に疲れちゃってシラフ先輩の部屋のベッドを勝手に借りてそのまま寝たんです……ハイ」
「うん、そうね……ハイドさんはそう言ってたわ。
だから私、てっきりもう部屋に戻ってるかと思ったけど、まさかとは思って来てみれば……、ね?
分かるかな?
だからこうして私が直々に迎えに来たんだよ?」
「あー、はい……そのえっと……」
「シラフの事だから、すっかり寝てしまったこの子を追い返すなんて出来ずやむなくこのまま寝かせてあげたんでしょう?
ソファーの上の毛布がその証拠だよね……。
下手をすれば自分の身も危うくなるかもしれないのにさ……。
それでさ……、アクリ?
私に何か言うことがあるんじゃないの?」
笑顔でじっとアクリの顔に詰め寄る彼女。
怖い……、怒りの矛先が下手をすれば俺自身に向かっていたと思うと、肝が冷える……。
実際面と向かっている、アクリはといえば幾千の戦闘経験を重ねた彼女であったとしても、目の前のルーシャに対して、あまりの恐怖に萎縮していた程であった。
「ほんとう、その……すみません……。
流石に調子にのり過ぎました……ハイ……」
「ええ、そうでしょうね?
今までだって、正式に付き合ってはいなかったから多少のスキンシップとして見逃してはいたけど、私と彼の関係を知っておいて以降もあなたは相変わらずだったよね?
私としても、あなたは仕事や立場上色々あったんだろうって加味して甘く見ていた事に対しては落ち度はあるかもしれない。
でも、そろそろ新しい環境にも馴れてきたし。
今回、正式に歌姫の護衛任務をシラフと協力して行う中で、今までみたく過度な付き合い方が続くのは問題だと思うの?
流石にそれはあなたにも分かるよね、アクリ?」
「……ええ、勿論です」
「今まではともかくとして、今回はサリア王国から歌姫を管理している教会から正式に受ける仕事なの。
下手をすれば国際問題になるかもしれない大事な仕事なのに、これまでみたいなあなたの行為が続くようなら幾ら私でも擁護仕切れない。
シラフ、今までアクリさんの件でシファ様や学院側に裏で色々と掛け合ってくれてたんでしょう?
入学してから度重なる怪我の入院、他にもこの前の件で立て込んで色々と忙しい中も、自分の単位数ですら本当に危ないのにあなたの為にいつも無理をして……」
「えっ……それってどういう事です?
私そんな事、一切何も聞いてないですよ……。
シラフ先輩、これは一体どういう事なんですか!?」
「ルーシャ……、その事をどうして……」
「先生達から噂で聞いたのよ、アクリさんがこの前の一件と関係がある者の一人……。
シファ様の特例で生かされている存在でもあるって事も聞いた……。
詳細は知らないけど、この前のシルビアとの試合である程度は察せたから……。
でも、シラフがそれに関して言及はしないって事だから、私も強くは言わなかった。
シラフと何かしら繋がっていて、あなたと何かをしようとしている事も……。
私は、それも含めてシラフがあなたを信用していたからあなたを信じようと思った。
私の親友のクレシアととてもよく似ていても、同じ学院に通う一人の生徒として、従者とかそういう立場も関係なく、友人として向き合うって……」
「ルーシャ様……」
「シラフは私の恋人でもあるし、サリア王国第2王女であるルーシャ・ラグド・サリアの騎士でもある。
そして、四国を代表する十剣の一人。
だから、彼に万が一があればサリア王国の名誉にも十剣という組織にも傷がつくの。
シラフはそれを理解した上で、疲れていたあなたを自分の身も危うくなるにも関わらず休ませた。
シラフの優し過ぎるのもあるんだろうけどね。
でも、だからこそ私は彼を信じているの。
アクリさん、私は別に彼と一緒に居るなとは言わないよ。
仕事上、お互いの目的上で二人が共に過ごす必要性は出てくるだろうからね……。
でも、彼の立場と自分の立場を踏まえた上で付き合い方は考えて欲しい……。
今回みたいな事ならしょうがないかもしれない。
でも、そういう時でもせめて事前に一言くらい私に伝えて欲しい。
分かってくれるよね、アクリ」
「……、そうですか……。
私の事、全部わかった上であなたは」
「うん、あまり触れて欲しくはないんでしょう。
学院で仲の良い人達は私達以外居ないのも知ってる。
シラフにずっと絡むのも、多分そこから来てるんだろうって……。
でも、分かって欲しいの……。
難しい事かもしれないけど、私だって出来る限りあなたに不自由はさせないようにする。
前もって連絡さえくれれば、これまでみたいに食事とか休日に彼を連れ回すくらい見逃してあげるしね。
泊まりは流石に心配だけどさ……、私も一緒なら同じ部屋でもシラフが良かったら全然……。
あっいや、えっとその……勿論、可能な限り私も一緒にさせてもらうって話でだよ!?」
「あははは……おかしい人達ですね。
こんな私にここまで優しくして……。
いっそ、シラフ先輩から穢されたり、あなたから殴られた方が清々するくらいなのに……。
馬鹿みたいに二人が優しすぎて……」
「過去にあなたがした事は決して覆らない。
それを背負うのは、あなたの役目だから。
でも、だからこそ……今のあなたは違うんじゃないの?
何者であっても、私やシラフ……他のみんなだってあなたを受け入れてくれるはず……。
だから、ちゃんと向き合って欲しい。
私もシラフも、あなたの存在を受け入れるから……」
ルーシャはそう言って、濡れた髪のまま震える彼女を優しく抱き締めた。
僅かに震えながらも、アクリは彼女の抱擁を受け入れ抱き締め返す。
「全くもう、手間の掛かる子だなぁ……。
流石に、このままじゃ風邪引いちゃうよね……。
シラフ、また少しアクリにシャワー貸してあげてくれないかな?
いっつも彼に自慢してくるくらいのかわいいお顔が台無しじゃない?」
「え……いや、でも……。
私は……その、これくらいは……」
いつもの調子が出ない彼女に対して、俺に向けて視線を向けるルーシャ。
それに、何かを察した俺は彼女の意図をくみ取り部屋を出る事にする。
「俺は別に構わないよ。
好きに使ってくれ、俺は先に向こうで待ってる。
二人が来るのは幾らでも待ってるから、仲直りが済んだら来てくれ。
あと、余計な心配をいつもさせて済まないなルーシャ」
「もう慣れた、シラフも気を付けてよ。
あなたの立場ならこういう罠も重々あり得るんだし。
私達もすぐに行くから、悪いけど少しだけ待っててね」
「肝に命じます。
あなたの機嫌を損ねたくはないのでね。
アクリ、ルーシャ王女に粗相の無いように」
「分かってますよ、勿論!
私は完璧な美少女ですから……☆」
●
二人の為に、先に船内のレストランに訪れ彼女達を待っていると今朝方ルーシャと顔を合わせたというハイドさんとその主である歌姫、ミルシアの姿が見えた。
俺は目の前の光景に驚き、思わず二人の元へと駆け寄り話し掛けていた。
「ハイドさん、それにミルシアさんもどうして?」
「えっと、まぁそのこちらが寝ている間にレティア王女がミルシア様に掛け合ってくれていたようでして……」
「そんな事をいちいちコイツに報告しなくていいでしょうハイド!」
「と、まぁこの通りいつもの彼女です」
「ふんっ!」
「そうですか、まぁミルシアさんが無事で何よりですよ」
「で、あなたが手に持ってるその紙切れは何なの?
ちょっと見せなさい」
そう言ってミルシアはサッと俺の手元から、例の紙を奪い取る。
書かれているのは勿論、歌姫を部屋から出す作成の一覧表だ。
「これ全部……、私に試す気だったの……。
本気で?」
「ええ、まぁもう少しやり方は変えたと思えますがね。
でも良かったですよ、コレをやったら流石にまずいよなって思ってたので」
「ええ、部屋を出て正解みたい。
非常時に関しては人選ミスかもしれないわ」
「あはは、面目ありません。
僕もシラフさんも、アクリさんも含めて気が気でなかったので」
「それで、もう一人のアクリって奴やルーシャ王女とは一緒じゃないの?」
「あー、まぁその二人は少し遅れてきます。
ちょっと色々とあったので」
「ふーん、そう……。
王女に会ったらこの前の件については謝罪するって伝えておいて……。
あなたにもついても、その……。
でも、まだ私は納得してないから!
ちゃんと知ってる事を全部私に話しなさいよ。
彼だけじゃない、私にだって知る権利はある。
私も、私の知る限りの全部を話すから……。
これで差し引き無し、以降は対等にお互いの仕事と役目を全うする為に協力しましょう。
いいわね!」
そう言って、俺の手を無理矢理掴み堅い握手を交わす。
先日までの様子とは一変して、戸惑うも以前までの刺々しさが少しだけ丸くなった気がする。
「えっと、何か悪い物でも食べたりしました?」
「はっ?!
何よ、私が夜にお菓子を食べたのがおかしいっていうの!!
お菓子を食べたくらいで別に……なんとも……」
「いや、その太ってるとかそういうんじゃなくて……。
ほら、その俺に対してのあたりがこれまでかなり強かったから……なんというか、違和感が……」
「何……、私に優しくされるのが変だとでも」
「別に変とかと言うわけでは……」
「そういうことでしょう?!
あなたのさっきまでの言動からしたら、絶対そうじゃない!!
私だっていっつも怒りたくて怒ってるわけじゃないのに、あなたと来たら!!
流石に失礼過ぎじゃないの、馬鹿!!」
「いや、そういう意味でも……。
アレ、いやあながち間違っては……っ?!!」
「いい加減にしなさいよ、この大馬鹿者!!
私にこれ以上どうしろっていうのよ!!」
「シラフさん、えっとそのとりあえずこの場は失礼します。
ちょっと急な事なので、もしかしたら体の調子が悪いのかもしれませんし……」
「あなたはいつも過保護過ぎよ、ハイド!!
もう、この男共は本当に変なところで気を回して……。
もういいわ、疲れた……。
それで、あなたは二人が来るまで待ってるの?」
「ええ、まぁ……」
「じゃあ、私も待つ。
別にそれくらいいいでしょう、ハイド?
私が誰かと相席したって」
「僕は構いませんけど。
ミルシア様……、一体急にどうしてそこまで」
「私がそうしたいの!!
いい、拒否権はないんだからね?
わかった!?」
「「わかりました……」」
言葉が重なり、唖然としながら俺達はルーシャとアクリが来るのを待つ。
二人が来ると、俺達3人を見るなり最初の俺と同じく驚きの表情を浮かべていたが……。
例の歌姫はというと、まるで別人かと思う程に自信満々な表情を浮かべ、何処か前向きな姿を俺達に魅せ続けていた。