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炎の騎士伝  作者: ものぐさ卿
第二節 予言の歌姫と十の剣
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隠蔽された史実 CODE b002

 今から約5000年以上も昔。

 この世界には、魔力という概念は存在しなかった。

 異種族も存在せず、神器も存在しない……。


 人が全てを支配した世界であり、根本の在り方は今の我々と多くが似通っている。

 

 今の世界と違うのは、国が違えば言葉も違う。

 文化の差異も存在し、人間同士での差別が絶えなかった世界でもあった……。


 大きな岐路に立ったのは、とある二人の男の出会い。

 二人の出会いをきっかけに、この世界は次の段階へと歩み始める事になる。




西暦2774年 5月10日


 毎日が騒々しい。


 そんな事を思いふけながら、少し冷めたエスプレッソのカップに口を付け目の前の画面に視線を戻す。


 かつて先住民が住んでいたというこの土地は、半世紀も経たずに異国の者により占領、そして長らく開拓時代というのを迎えたらしい。

 開拓民はいずれ独立を宣言し、国が生まれた。

 激動の歩みを続けた歴史があったが、今やそんな事があったのかすら疑わしい程にかつての面影を無くして平和ボケをしているとさえ思える。


 平和ボケをしているとはいえ、差別や犯罪の手はいつになく多いとは思う……。

  

 まぁ、大通りを少し外れてしまえばドラッグ中毒やホームレスの連中が彷徨っているのも事実……。


 これが数百年以上も変わらない現実だと思うと、技術の進歩が幾ら進もうと人間の本質は何ら変わらないと思われてもしょうがない……。


 人の在り方は、どれだけ経とうと醜いものだ……。


 「おじさん、今日も誰かと待ち合わせですか?」

 

 不意に、この店でウェイトレスのバイトをしている大学生の彼女がこちらへ話しかけてきた。

 

 「注文する予定は今のところないんだが?」


 「まぁまぁそんな事を言わずに、今日はお外が雨でお客さんが少なくて暇してたんですから……」


 「……暇つぶしの相手に客を使うな」


 「えー、別にいいじゃないですか。

 ほらほら、若い子と話せる機会とかおじさんあんまり無さそうですし?」


 「一言余計じゃないのかって……おい、勝手に人の画面を……」


 「えーと、何々……あれ?

 これって確か、最近よく見かけるグループ企業のサイトですよね?」


 「勝手に人の端末の画面を覗くなよ……。

 てか、これを理解出来るだけの知能があるとは驚きだが……」


 「ちょ、それは失礼過ぎませんか!

 私これでも学校の成績は上の方なんですからね!!」

  

 「で、俺がこの企業のサイトを見ていておかしいのか?」


 「別に、そんな事はありませんよ。

 だって、いつもニコニコしながらハレンチなゲームとかしてましたからね。

 それが、いつになく真面目な事をしてたので」


 「ハレンチなゲームばかりで悪かったな。

 でも今日はこれから大事な仕事があるんだよ、この企業さんのところから俺に誘いがあったからって話で……」


 「なるほどーー、ちゃんと仕事してたんですね」


 「それ以上馬鹿にするなら、店長に告げ口するぞ?」


 「えっ、それは勘弁して下さいよー!

 私今月使い過ぎちゃってお金足りなくて困ってるんですから〜〜!」


 「だったら少しは真面目に仕事をしろ!!」


 「そんな事言われたって、今この店内のお客さんはあなた一人ですよ!

 注文ないなら、暇なんですよ私!」


 「あーー、わかったわかったから……。

 じゃあエスプレッソのおかわり一つ」


 「はいはい、毎度ーー」


 そして彼女の去り際に視線が合うとニコニコと営業スマイルを振りまき手を振ってくる彼女。

 初めからこれが狙いかと、店員の狡猾さとあざとさをひしひしと感じながら俺は目の前の画面に視線を向ける。


 セフィロシックカンパニー。


 通称STCと呼ばれる、ここ数年程前に急成長を遂げたグループ企業である。


 本社は此処アメリカのロサンゼルスに置いており、世界各地に拠点が多く存在している大企業グループ。

 彼等は様々な分野の企業と数多く提携し取引をしており事業を展開している。

 身近なところ挙げるなら毎日食べるスナック菓子の片隅にSTCを象徴する生命の樹のロゴが入れらたソレ等を見ない日は無い程である。


 彼等はこの国、いや世界経済に大きな影響を与えている。株価の変動に彼等の僅かな動向は大きく作用する上に、一度求人を出せばそれは某大手IT企業と遜色ない程の倍率で行われる程だ。


 そんなSTCのCEOを務めるのはビーグリフ・ロゴス。

 彼は大学卒業と同時に彼が入学当初から集めていたクラウドファンディングの資金を用いてこの事業を開始すると彼の類稀なる商才が影響されて結果、今やその名を知らぬ者はいない程の存在になっていたのだ。


 世で言う天才とはまさにこのこと。

 アメリカンドリームをその手の内に射止めた存在だ。


 今や、そんな彼と一言でも会話を交わせれば100万ドルの価値はあると言われる程である。

 既に我々とは別の何処かに住んでいてもおかしくない存在になっていた。


 だが俺は今、そんな会話一つで100万ドルの存在と直接話す機会を得ている次第である。

 それも、丸一日彼の仕事に同行するという好待遇。


 100万ドルどころじゃない、このアメリカ全土にドル札を振り撒き続けても足りない程だろう。


 まぁ、何の理由も無しにこんな毎日ハレンチなゲームをしている中年男に貴重な時間を彼が使う訳がない。


 出処は分からないが、俺自身もこの情報をどのように入手したのか俺自身が気になっていた。


 ソレは、かつて俺が大学時代に残した空想の産物。

 誰もがソレを不可能と俺をあざ笑い、当時慕っていた教授までも俺のこの研究に関しては不可能だろうと決めつけた遺産のようなモノ。

 

 まぁその教授と来れば俺が卒業した翌年には、過去に自分が研究した物で教授が自らの研究だと称し学会で表彰された事もあったが……。

 

 まぁそれ以来、大学を卒業してからの俺は怠慢な生活を送るようになっていた。

 職を転々とする生活を今に至るまで繰り返し、毎日ゲームと最低限の生活費をネット上のバイトで稼ぐ日々を過ごしてきた。

 しかし俺は、大学卒業から20年も過ぎた今もあの研究に対しての情熱を何処か捨てきれずにいた。


 それが今年の初めになってようやく転機は訪れる。

 妙なメール、そして差出人はというと今や時の人となったビーグリフ本人からの物だった。

 

 (過去に行っていたあなたの研究に大変感銘を受けました。

 そちらの都合が宜しければ、是非とも一度会話の場を設けたいと心から思っております)


 といった感じの内容のメールがこちらに送られた。

 あのビーグリフが?まさか、よくあるスパムだろうと思ったが月に一度同じような内容が幾度となく送られてくる。

 そして先月、冗談混じりそのメールに返事を返すと話は進んでいき今日に至る。


 そんな事を色々と考えていると、不意にこの雨の中で店内のドアが開きベルの音が鳴り響く。

 視線を向けると、そこには傘を折り畳む一人の男の姿。

 黒と白の髪が入り混じった老いた印象を受ける見た目をしていたが、実際の顔を見るとそこまで老けてはいない事がすぐに分かる。

 そして、その人物こそが例の待ち合わせをしている本人であったのだ。


 店内で既にポツンと座っている俺の姿に気付くと、男は僅かに微笑み俺の元へと向かってきた。


 「お会い出来て光栄です、ケビンさん」


 「それは、こちらの台詞だよ。

 かの、ビーグリフ殿」

 

 俺は彼の方へと向き直り挨拶と握手を交わす。


 彼と一言交わした、これで100万ドルかと僅かにそんな感慨深く思っていると先程注文したエスプレッソのおかわりを運んできた彼女と目が合った。


 「えっ……嘘、この人まさか100万ドルの人?!!

 本当に、これ現実?!!おじさん、ちょちょ……なんでこんな所にあのビーグリフが?!」

  

 「アハハハ!!

 君、僕を見てそんなに驚かなくてもいいだろ?

 てか100万ドルって!ケビンさん、僕周りからそんな風に思われてたんですか?」


 彼は声を高らかに腹を抱えて笑っていた。

 俺は彼の質問に対して、僅かに苦笑いを浮かべながら返事を返す。


 「あーー、まぁ俺もさっきまであなた事を少しくらいそう思ってたなぁ……。

 ほら、俺等からするとあなたと一言話せれば100万ドルの価値があるとかよく言われてるんだよね、結構さ?」


 「それ本当かい?!、じゃあこれからは自己紹介する時に100万ドルの男ビーグリフです!って言うよ。

 これで周りからは大ウケ間違なしさ!!

 てか君、そのコーヒーと同じ奴を僕にも頼むよ。

 あと僕が来た事は他の人達には内緒にね、ね?」


 そう言ってビーグリフは口封じを含めて少し割り増ししたチップをポケットから取り出し彼女に手渡す。 


 「了解しました。

 すぐに追加のコーヒーもお持ちしますね。

 あとそうだ、後で写真とか撮ってもいいですか?」 


 「ああ、それくらいなら別に構わないよ」


 「ありがとうございます!

 では私、一度失礼しますね」


 テーブルに先程注文したエスプレッソを置くと、いつの間にか向かいに座っている彼の物を用意する為に再び彼女は店の奥へと去っていった。


 「あの子、学生時代に好きだった女の子によく似てるよ。

 あの頃はお金もあまりなくてね、その子に言い寄られてはいたんだけど、家の貧困が祟って以降そのまま時が流れちゃったんだよなぁ……」


 「成功する以前の頃ですか?」


 「でも、僕としてはつい昨日のように思い出せるよ。

 父親は身体の弱かった母親を捨てて、僕と弟を養う為にあの人は必至に働いてくれた。

 僕達兄弟も色々と頑張ってはいたんだけどね、ようやく僕の経営が軌道に乗り始めたって頃に亡くなってしまった。

 これでも僕は、母親を助ける為に当時抱えていた財産のほとんど投げ売ってまで助けようとはしたつもりだよ。

 でも、今の豊かな生活を共に送られる事は叶わず僕達の見守られる中であの人は亡くなってしまったが……」


 「それが今のあなたの最大の後悔だと?」


 「確かに、そうなのかもしれない。

 まぁ、理不尽なんていつ起こる出来事なのかは分からない。

 神が僕達に与えた試練、乗り越えられたかもしれない、いや母親の死は神の定めた運命なのかもしれない。

 色々と思い悩んで、亡くなった事実を受け止める事が出来なくて、結局は1人の人間なんだと思わされるよ。

 だからこそ、君の研究に興味を抱いたんだ。

 FAMファムと生命の樹……世界樹ユグドラシル計画……、もしこれが実現出来れば私達人類は新たな時代へと進められるのだからね」


 「しかし、倫理的な問題が多くありますよ?

 理論上可能なのかも、当時の私の研究に賛同してくれた僅かな者達からの証言のみで確実性は非常に薄い」


 「今は卓上の空論であっても構わないさ。

 かつて自動車や飛行機を考えた人類でさえ、その実現は非現実的であり不可能だと嘲笑ったのだから……。

 そして、成功の際にその掌を返した……。

 故に今度は僕達がその技術革命を起こすんだよ、今は不可能で笑われようとね……。

 何、倫理的な問題なんて時代の流れが変えてくれるだろうさ……。

 最悪、莫大な金を積んででも実現させるさ」


 「面白い人だな、あなたは……。

 私で良ければ喜んでその無謀な夢の実現に協力しましょう」


 「ええ、では我々の契約はこれで成立ですね」


 私は差し出されたその手を握る。

 約束された新たな時代の幕開けを夢見て、彼との途方もない道のりが幕を開けた瞬間だった。



 世界樹は現在の魔力と呼ばれる存在を生み出す物。

 そして、その魔力が得た情報を格納する巨大施設である。 

 現在の魔力と呼ばれる存在の正式名称は、フェムトオーソリティマテリアル。

 その頭文字を取り、FAM(ファム)と呼ばれていた。

 

 世界を形作る元素のそれに近い大きさの超微細な機械であり、これ等の機械に隣接する元素に対し干渉する事で様々な効果をもたらす事が出来る。

  

 様々な分野に対して技術の応用が効き、世界が新たな時代へと向かう大きなモノであった。

 しかし、同時に大きな問題が時代の裏で蠢いておりそれは時代の終焉も同時に近づいていく事になる。


 西暦2780年10月7日


 ビーグリフとの共同開発により、世界樹計画は順調に進んでいた。

 FAMの技術は各国メディアに大きく取り上げられ、考案者である私の名前も世界に大きく知られる事になる。


 世界樹は計12本の建造が予定されており、約一年感覚で一本ずつという予定であったがFAMの技術を利用する事で本来の12年計画から僅か6年という短期間での実現の目処が立ったのである。

   

 更には私生活も大きく変化。

 以前までの狭いアパートでの1人暮らしから一変し、大きな豪邸を持つ事が出来た。

 更に、昨年には彼の会社繋がりでの人物と交際し来年の夏頃には式を挙げる予定でもある。

 

 仕事も何もかもが一変してきた最中のある日、別の管轄下で働いている1人の職員から連絡が入る。

 セフィロシックカンパニーが所持する研究施設において、至急来て欲しいとの事。

 詳細は現場で聞くとして、私はすぐさま例の研究施設へと足を運ぶ事にした。

  

 私は送迎の車に乗せられながら、メールで届いた今回の要件についての資料を確認する。

 

 「FAMを取り込んで生まれた奇形児……。

 これは……獣……いやだがFAMの構造上人体にこのような影響が起こる事はこれまで無かったはずだ……。

 動物実験の段階でも、あくまで治療を目的とした利用しかしてなかった……。

 FAMの副作用として人間の胎児に影響するなど……」


 車の中で様々な憶測が飛び交う中、届いた資料の中にはその画像が確かに写っていた。

 SF映画、オカルト的な本来人間が持つべき特徴ではない物が写っていたのだから……。

 足が牛や馬に見られるような構造をしており、背中には鳥を思わせる翼のそれが存在していた。


 胎児の親はそれぞれこの研究施設に勤務していた夫婦であり、施設内で扱う試験用のFAMを取り扱う機会が僅かにあった模様。

 母親はラテン系のイギリス人、そして父親は日系フランス人であり今の時代としては特に珍しくもない組み合わせだろう。

 社内でおこなわれているら各位の健康診断の結果はそれぞれ異常なし。

 奇形児の可能性については生まれる3ヶ月ほど前に身体の構造が変化したという事で、急遽発覚した模様。

 経過観察、及び迅速な対応の為この施設にて母体を管理していたようだが先日生まれた子供の様子があまりに異常であった為、今回の招集に至ったらしい。


 「ケビン様、そろそろ目的地に到着致します」


 「分かった、帰りは遅くなるかもしれん。

 時間が決まり次第追って連絡する」


 「畏まりました」


 目的地に着き、運転手とも別れ私は急いで会議室へと向かった。

 招集されたのは、私やビーグリフ。

 更には施設の管理者や、大学教授や名だたる各分野医師専門家が集まり今回の状況に対しての対策及び計画を練っていく。


 「現在、母親に関しては心理的なショックを受けてしまい、現在子供とは隔離されています。

 その間、彼女の夫が今も寄り添っている様子です。

 母体の身体検査は既に実施済みであり結果待ちの状況ですが現段階では母体の身体には何ら異常は見られないとの事です」


 「FAMの安全性に関しては、以前から多くの所で問題視されていましたね。

 今回の一件が最悪今後の世界樹建造計画は中止になり得るかもしれません。

 考案及び開発者であるケビン殿から何か言いたい事はありますか?」


 「ええ、私からは現状なんとも言えることではありません。

 試作段階のFAMの扱いに関して、施設内での十分な機密性が保持されていなかった可能性も拭えません……。

 しかし母体に何ら影響が無かった点を踏まえると、母体と胎児、そしてFAMとの関連性は非常に薄いかと思います。

 胎児そのものに元々問題があった可能性もありますが、まだ目を通せていない経過観察途中の胎児の様子に関しての記録も気になるところです」


 「経過を見るまでもなく、今回の一件はFAMが原因としか思えない。

 そもそも、現状運営されている一基の世界樹で事足りるであろうに何故12基も稼働させる必要がある?」


 「この点に関しては、私から説明しましょう」


 1人の専門家からの質問に対して、ビーグリフが挙手をしその問い答えた。


 「世界樹は全12基で運営され、それぞれが独立かつ平行運用する事でようやく全てが完成するモノです。

 これは建造計画の段階で既に説明済みなのですが、FAMは微細なナノマシンの一種で一つの小さなFAMに対しての一つの性質を付与されています。

 現在稼働中の一基にはα(アルファ)型とβ(ベータ)型、θ(シータ)型の三種が製造及び運用されています。

 これ等三種のFAMの性質を合わせ、大規模な建築事業の早期実現、今も尚難病と称されるそれ等の特効薬等、様々な分野で活躍している。

 そして、今後製造される11基の世界樹には更に10種以上の新型FAMを導入し、インフラ事業の改革更には現在も深刻さを増している海洋汚染や地球温暖化問題の解決等にFAMを導入する事で実現可能にしていく事を目標としています。

 12基もの運用が必要という見方よりかは、僅か12基で全世界の問題の多くを解決出来る。

 その為の世界樹であると認識してもらいたい」


 「なるほど……、ビーグリフ殿の熱意はしかと受け止めた……。

 しかしだ、現にこうして例の新型FAMによって問題が起こっているのだ。

 いや、もしかすれば現状運用しているFAMにおいても問題がある可能性が示唆されている。

 問題が深刻化すれば、世界樹は愚か今後の御社対しての支援に関して、我々は見送らせてもらうかもしれん」


 「重々承知の上、問題の早期解明及び現行FAM及び新型FAMの設計に関しての問題……。

 一日でも早く我々は問題解明に務め、改めて説明及び解決に努めます」


 壇上に立つビーグリフが、そう宣言する中彼の声を不安視及び警戒する人々の小さな声が聞こえてくる。

 いや、本人もそれを重々承知の上だろう。

 

 改めて、手元にある今回の事件に関しての資料を私は眺める。


 仮にこれがFAMが原因である事象であるなら、恐らく今後も同じ事が起こりうる。

 改善に努めるにしろ、新型FAMの導入を行えば再び起こる可能性も非常に高い。

 

 現行のFAMのみで運用を進めるべきか、あるいはFAMの運用自体を辞めるべきなのか?


 生まれた子供に罪はない……。

 しかし、この先にこの子に待ち受けているのは……

 

 憶測が脳裏に多く過ぎる中、会議室のどよめきはしばらくの間続いていた。

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