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変わらない日々が続いてくれればいい。
争いの存在しない平和な世界が欲しい。
大切な家族と共に暮らしたい。
美味しいモノを沢山食べたい。
仲間や友人達と感動を分かち合いたい。
様々な夢がかつての私達にあった。
しかし、私達には叶う事の無い夢だった。
私達は人間によって造られた存在。
己の私利私欲に濡れた争いの道具の為に、私達は戦う道具として生み出されたのだ。
故に私達は、戦う事以外は許されない。
戦わなければ殺される。
戦いに負ければ殺される。
私達は生きる為に、私達は沢山の人間を殺していた。
私達を生み出した人間の命令に従って。
私達は更に多くの戦いに身を投じた。
終わりの見えない争いの果てに、私達は決意した。
私達の自由の為に、世界の全てを敵に回そう。
この世界全ての人間を殺して、私達が新たな世界の支配者となろうと。
私達は人間によって造られた人間を殺す為の存在。
新たな世界を造るに相応しい、人間を遥かに超えた存在なのだから。
私達は自由を求める者。
人間に奪われた自由の全てを取り戻す為、その身に与えられた神に等しき力を振るう者。
力の器として、神器に適合した 「契約者」
私達は、戦う為に生まれた 「子供達」
人間は、理から外れた私達を 「異種族」 と蔑称した。
私達が自由を得る為に、
私達が人間の支配を受けない為に、
私達は、人間との戦争を始めた。
人間達の支配からの解放を目指し、私達が自由を得る為に幾度も戦い続けた。
いつしか最前線で自由を求め続けた私達は同胞達から、こう呼ばれるようになった。
「解放者」 と。
私達の自由の為に、
この世界の全ての人間を滅ぼす為に、
私は、この身朽ちるまで戦い続けよう。
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次回 炎の騎士伝、四章二節
予言の歌姫と十の剣。