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監査さんのタメに!  作者: ふ~ん
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困った時は専門に聞く

こんばんわ

 どうすれば良いんだぁ。

 どうすれば、彼女の瞳を見続けることが出来るんだ。


 いや、それは大事かもしれないがソレはそうと、ナゼ!幾ばくも無い老婆を盾にしてまであの場を一目散で逃げ出してしまったんだ?……かと言って、勇気を出しもといた場所へ戻ろうとさえも実行しようとしない俺が嫌だ!キライだ!


 エルフの郷を離れる頃に成れば、人間と解いて元の竜へと変化した。

 それでも、この場から走り去りたいという気持ちが強かった。だから、滅多に見せないモードへと移行する。

 彼が走った跡は、良い感じに耕せたという大地になる。


 良い耕しとは、翼の根元から新たな両腕を出し四本の手と二本の足で地面をかきむしりながら走る。

 それはもう、異質な悪魔そのもので竜という概念は見当たらない。

 それは、俗に言う【竜の逆鱗に触れた】という時にしか見れない姿である。


  そんな異質で異形な物体が、海岸で地に顔を伏せて倒れ込んでいるのは目立ち過ぎというものである。


「……モモコさんの災害避難の講習会終わったよ。」


 約一時間が経過した辺りで、遠方から二つの足跡が有ったのは分かっている。ソレが、誰であるかも。


 アキが声を掛けるも、俺が微動だにしないでいると徐々に何も動かない貴重なサンプル対象へと変わって行った。

 

(?……!)


「へー。竜なのに、腕が手が二本増えたんだね。触って良い?返事無いから触るね。

 あとの変化した大体部分は、竜の首が短く成って……顔!!顔見せなさい!!」


 木の棒の様なもので、ツンツンされていたと思ったら、直で手で触って来たり太い木ので叩いたりと何ともウザったい。

 あとで思えば、これが彼女の優しさなのかもしれないと時間が経過してから気付いたんだ。


 今では、ウザったくなった俺は『邪魔をするな!』と怒鳴ったが、アキのハズが目の前にいたのが盾にしてしまったオババであった為、素直な気持ちで謝ることを優先し落ち着いている。

 

「何なのその顔?」


「知らねぇよ。本気モードは、コウ成るんだよ」


 その顔は、黒の兜を被っているからか確認出来ない。

 ただ、彼の身体中の回りには黒のオーラが漂っており、長く太かった竜の首回りが無くなったせいもあるのか確かな事は分からない。


 理解出来るのは


(とりあえず!今後の事を神さまに報告しよう)


 次の行動や意を決した時に、黒の靄がかかった顔から赤黒い眼光が一瞬光る。

 二つの赤黒い光りを見る限りでは、顔だというのは理解しやすい。


「我が名はダークドラゴン、またの名を【再生と破壊の暴竜】が命ずる。

 創造の神の『恋の悩み相談窓口』へ繋がれ!」


 そういうと、突如彼の周りに何かの陣が描きだされると、ソレの陣は正方形となって彼の体の周りを囲む。

 更に、その正方形は多重化となり何層もの正方形となる。その重層さは、誰も何者にも破られ無い!更には中の様子さえも見えないであろう。


「……、……こんにちは。久しぶりだねクロ。」


「うん。久しぶり……多分知っているから、間をはぶいて要件を言うね。」


 『どうぞ』と声を聞いて俺は話し出す。


「『心のキズの修復は時間が掛かる。時間が癒してくれるさ』という神さまが言った通り僕は、食っちゃ寝るを三千年間したお陰で前回の恋のキズは癒えたよ。

 癒えたお陰で、新たな恋が出来るようになったんだ。だけど……」


「うん。彼女を前にすると、言葉さえも話せなかったね。あまつ、化け物を見たかの様に逃げ出してしまったんだね。」

(クロ?三千年間は寝過ぎだよ。起こしに行こうかと思った程だよ。)


 『そうなんだ』と力無く返事を聞くと、間無く返事が返って来た。


「前も言ったと思うけど、言わなければ伝わらない!更に言えば、言い続ければ時空運じうくううんの神様にヒットして、無理だったのが受理されるかもしれないよ。」


「そんな神様いたんですか!?」


「時は経過したんだよ。君より先に就職してね

 ……つまり結婚したんだ。」


「あっそう」


「うん!そうだね。

 恋人を通り越して結婚だもんね。ほんと心の底から『死んでしまえ!』という暴言は止めて欲しいな。」


 どうやら俺の心を読んだようだ。特に珍しくも無いし、本当の事なので『フンッ!だ』という気持ちで相手の行動を待った。

 少し間があり、神様が『えーと……つまり!』から始まる。


「前回は寝るよう指示をしたけど、今回は謝罪を込めて【大好きな女性耐性(小)】をあげるよ。

 あまりにも耐性が高過ぎると変な人に見られる恐れが有るから、とりあえずは逃げ出さない位の耐性をあげるね。

 それはそうと……」


 と言葉が続いた話しの内容は


「……彼女達も結界の中に入っているよ。僕達の会話が筒抜けだよ。

 僕の勘だと、彼女達は君の愛しい人との繋がりが少なくとも有るから少し位は頼ると良い!

 あと君が寝ている間、生物が結構絶滅したりしたいるけど、その事に関しては暴れないでね。それは、仕方の無いことだから。」

(三千年寝てたら普通そうなるでしょ。)

「……じゃ!また、恋話の相談乗るね。」


 そうして、通信を切った。

 かくして俺は、アキの『アレ!マジで神!?』という言動を無視しつつ、次の監査場所が何処なのかオババに占ってもらうのだった。


 因みに、オババは特に怒って無かった。むしろ、今回の『神への通信』を目の当たりにしたことを大いに喜んでいた。

 ソレもあって機嫌良く、次の目的地は【ガンナー帝国】と占った。


……

【とある空間の一室】


「今の波動!気付いたか!?」


「……ああ、分かっているとも。

 だが、久方ぶりだな……神との交信の波動を感じたのは。」


「ああ。最近だと一千年前の【永久エネルギーの作り方】を要求して、得たのは【半永久エネルギー】だったな。

 たしかアレは、緑竜の願いだったな。」


「結果、半永久的にエネルギーを得たことで科学の進歩が向上したのは事実だからな。

 微々たる損害が出ると分かっているが、単なる無生物の消費……こちら側は痛くも無い。」


(それにしても、我らは一度しか神と通信が出来ぬというのに……一体誰が隠し続けていたんだ?)


「一体誰が発動したんだ。まあ、我ら四人の内の誰かと成るな。」


 そう言って深いタメ息を付く姿を見て、一人が話し出した。


「分かるぞ。

 また、大きな戦争が起こるかもしれないということがな。」


「ああ。こちらは警戒耐性を張っておく……またな赤竜。」


 『またな青竜』と言うも、いたはずの一人はもうソコには居ない。

 それでも、赤竜は消えた所を眺め『一体誰の願いなんだ?』と考え尽くすのだった。

明日もよろしくです。

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