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監査さんのタメに!  作者: ふ~ん
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空飛ぶ船

こんばんは

 オババが言った間もなく、ゴゴゴオと雷雲が鳴り初め、穏やかだった風も無くなり暴風へと変化する。

 あれよあれよと一瞬にして、どこぞの小舟が無謀にも嵐へ繰り出しているというワンシーンそのもの。


「良い!俺の体に風と水滴が、バチバチと当たって実に気持ちが良いぞ!」


 『なぁ?……そうだよな!?』と振り返ると必死に船の端を掴み落ちまいとしているアキ。

 俺の後ろの婆さんは、年の功というだけあって落ち着いている。

 当然だろう!死者の乗る船と分かっても、ヤイヤイ文句すら言わないんだ。きっと、いつ死んでも良いと読み取れる。


「あんた……私は胸筋を鍛えたいわけじゃないのよ。分かるわよねぇ?私は雲……」


「ハハハ。しゃべっていると、海水が入るぞ?そういう時は、大気の空気を皮膚で吸収するんだ……って出来ないんだったなぁ。」


 名尾もハハハと笑う俺にアキは訴えて来た。

 こんな所で訴えて来ても、へのへのカッパでぐるぐるドーンって跳ね返してやるワイ!と俺は意気込んでいる。


「あんたさぁ、分かって無いから言うけど……

 監査は3日後。私がトークし終えて城から出てから計算してない?あんたは、あと3日あると思っているでしょうから本当の日にち経過を教えてあげる!」


 『ほう。聞こうじゃないか』と言ってから数秒と経過してないのに、俺は……俺は!嵐ののド真ん中でアキを質問攻めへと変化していった。


 内容としては


「城から出て来たのは、実は一日経過しているとしよう。

 で?……マジで!監査さんが来る一日前には、現地に着かないといけないのか?」


「だって、普通……一般的に考えたら分かるじゃ無い。私達が、もしオババの言う三日後に着いたとしても、エルフの人からしてみれば『今から監査なのに!』旅人を入れる?入れないよね??」


 俺も、そんな感じがするぅ。


「じゃあ、最低一日以上エルフの郷に滞在するのが良いと思わない?

 監査って、突然来る時と前もって伝えてから来る時があるみたいだから……私はどっちか分からないけどね。」


(なるほど理解したぜ。要は本日は2日目に突入しており、本当なら本日すでにエルフの郷へと着かねばいけないと言うことか。

 更に言えば、俺が本気を出して飛べば彼女等が怪我を負うというわけか。)


 『了解した』そして唱えるデス・トルネード!と。


【デス・トルネード】

 コレは、彼が無言でも発動が出来るスキルの一種である。本当の名は、【ダーク・トルネード】

 気持ちが入っていれば、どんな呼び方でも発動出来るのがスキルというもの。

 効果は、普通だと目標を豪快に上へ上へと引き上げながら、雑巾の様に絞り千切っていく。


 しかし、今は発動したのは荒波に耐えていた小舟の下から『はい?』という、見える程の強大な風の層は円を描く。

 そして、船をそのまま持ち上げて上空へ。


「おそらく、日の傾き具合からして夕方手前と言ったところかな。」


 フーやれやれと、コレでひと安心となっている俺達一向の眼前には、目的地のエルフの郷の門前に到着している。

 因みにデス・トルネードと叫んだ後、上空へ登り雷雲を蹴散らしながら、船は竜巻には何ら被害もなく地面にフワリと着地する。

 決して!グルグルと回り続けて、ガメラみたいに着地はしていないので安心して欲しい。


「よし!服も乾いた!俺は人間だ!そして、名前はダーク。行くぞぉぉ!」


 過去こんなにも、門前で叫ぶヤツがいたであろうか?いや、無いのであろう。

 それは、パッカラパッカラとユニコーンに乗った杖を背中に差して三騎さっそうと出て来た。


 出て来たと言ってはいるが、門前と言ってもオープンな門……つまりゲートと言うべきなのか。

 簡単に言うと『一人冒険者様・団体客様かんげい致します』とゲートに書いている。


 街の風景は、巨木が立ち並ぶ西部風景といったところ。中央に大きな道があり、両サイドには建物がずらりと並んでいる。

 とてつもなく、長い商店街と言った方が伝わりやすいかもしれない。

 奥に控えるのは、又も巨木が列なっているのが見える。


 そんなゲートで、そんなフルオープンな所で叫んでいるヤツがいれば、直ぐに通報されるのは当然なことなのだろう。


「お客さん冒険者かい?」


 恐らくこの問いに関しては、スラスラと言わなきゃいけないんだろう。それが、旅行者もとい訪問者の試練とも言うべき関門だろうか。


 ……だが安心せい!スラスラ言ってやったぜい!俺は正直者なんだからな。


「イイや。……彼女に会いに来た。」


「恋人に会いに来たのか。……」


 アラ♪いやだ。聞きました!?こ・い・び・と・デスって。

 それからというもの『照れるなあ・まだまだですよ・フヘヘ・ハハハ・ウェヘヘ』等、言い続けていると。


「……なら、夜は出歩くのは禁止となっているから早目に彼女の所へ行くと良い。


 ……どうした?何をしている?」


「あ!イエ、薬が切れて来たんでしょね。

 すいません。迷惑かけて……では、失礼。」


 変な目で見られてきたのだが、アキのナイス!ファインプレーにより特に何も無くこの場は終わり今は宿前で反省会だ。


「あのまま行ったら、変質者で追放ものよ?」 


 『何か言うこと無い!?』という彼女はとても御立腹とだった。

 なので、俺としても正直に謝るのはスジというものだ。


「すいません」


「何が、すいませんなの?」


 こうべを屈み込んで、後頭部に響き渡る『何が?』という声は俺にイラッと……俺の熱い炎が揺れた。


「まあ、時間短縮で到着出来て良かったな。

 ダーク?宿代ちょうだいな。」


 オババが珍しく話し掛けて来た。しかし、俺の炎は燃え続けていた。

 どこかの空間て手を伸ばす。そして、手が出てくると手の中にはぎっしりと掴んだ宝石があり『ホラよ』と言ってオババに渡した。


「ありがとうな。ほんに、ありがとう。」


 このオババの言葉を聞いたおかげだろうか?俺の心には、もう炎は消えている。


「いいってもんよ。」


 そう言って、宿に止まり明日の準備をするのだった。

明日もよろしくです。

今の気持ちい言います。期待は全くしていません。私という人物が適当なので。

後、何が言いたいというと、違う人かもしれないですが、いつもブックマークを最初の方で付けてくれる人は同一人物なのであろうか?……あって欲しいな。勝手な想像ですが、嬉しいです。

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