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監査さんのタメに!  作者: ふ~ん
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目覚めの朝

こんばんは。ふ~んです。

今回はゆっくりと、のほほんと書いて行きますのでよろしくです。

楽しんで頂ければと思います。

「君の白く輝く瞳が好きなんだ。だから、その……」


「いえ、そういうの無理ですから。」


 渾身のセリフは無残にも『無理』という言葉で終わってしまう。こんなにも君の事を好きなのに!好きなのに君は何処かへ行ってしまうのか。


……

(あー。久しぶりに思い出したな……。)


 暗くジメジメした場所で動こうとする者がいた。

 そこは生物の墓場で、その生き物からしてみれば死体に埋もれる形となっていた。


 そう!俺はフラレてから長い間……年数は不明だがヤケ食いをしたいが為に!『楽して御飯が食べれる[生物の墓場]』に陣取っていた。

 だけど、こうも長く寝ているだけで俺の体の上に積む程に死体があるのか?……あるか??


(そう言えば、あの時は口を開けているだけで余命尽そうな生物が入って行ったものな……懐かしいな。)


 それにしても、ミッチリと俺の身体に引っ付いている死体共には飽き飽きしてきたぜ。

 

 さあ、しましょう!第一体操用意……はじめ!


「んんん!……あぁぁぁあーー。こんちくしょー!」 


 長い間よく寝たと言わんばかりに、背伸びとアクビを一緒にした瞬間!何やら生き物の声が聞こえて来たんだ。

 因みに最後に発した言葉は、マイブームで背伸びをしたら叫びたいなとおもった時に叫ぶのが『こんちくしょー!』なのである。


 俺のマイブームが届いたのかどうかは分からない。

 しかし、明らかに慌て叫んでから走ったような音が聞こえた。


(あー。ハイエナ共か……?)


 少し疑問に残った。それは、ハイエナ共は動物であり『アワワ!亡霊だ!』なんて言葉は発しない。

 いや。年月が計画すれば生物は進化する。


 生物の進化云々の話しは昔、神様から聞いた事がある。

 それは……。


(忘れてたわ。

 とりあえず、口を開けたら肉らしき物があるから食っとこ。)


 そう!俺は争いを嫌う。弱い者いじめはしない主義だ。

 だから、ヤケ食いだからって俺の穴場いきつけ[万物せいぶつの墓場]へと住み着いていたんだ。


 お腹が膨れれば、俺がどんな生物かわかるだろうと食べている。とりあえずは、シャリ!ジャリと地面に着いた肉?を食べて呑み込む。

 俺ぐらいの大きな体なら、丸ノミ位はヘッチャラだと思うだろうが、それはもう経験スミだ!生物には骨が有るからな、だからモグモグと食べるのが基本だ。


(あ!ホラッ……骨来たよ。)


 ガリッと噛み砕く音は、食欲をそそり食べるのを急がせて行った。そうすることで、うっすらと思い出して来た。


「お前たち竜は、世界の安定へと導いて欲しい。お前たちの力には、それぞれが役割があるのを忘れるな!」


(覚えていたよ。あとは……)


「……竜同士の戦いを禁止する。しかし!お前達を崇拝し大きくなった組織同士の戦いは良しとする。」


(そうだね。……興味ないね。

 ピコン!……ん!?)


 昔、想像以上の昔に言われた事を思い出していると俺の脳内で何かが鳴った。

 そして、声が響いて来たんた。


「モンスター・飲んだらけオヤジのスキル獲得【ムカつく発言】を習得しました。

 効果は【相手の平常心をカキ乱す】ただし、相手が冷静なら話しは別。」


(これは……モンスターの死骸が有ったのか。……ま、墓場だしな)


 さほど珍しくも無い。そう言えば、モンスターを食べると……いや正確に言えば、モンスターの核を食べるとスキルを取得していたのを忘れる。

 そうやって、腹を満たす為に口と首を上手く使いシャムシャムと食べている。


 四体程に食べたろうか、さっきから『ピコン』と脳内に四度鳴り響いている。

 おかしいと感じながらも、ここは【万物の墓場】という所なんだと胃袋で確認中なのだが……何かがオカシイ。


 オカシイのは、まだある。

 要点だけを並べると、空が暗すぎる。それと、風が全くと言って無い。墓場といえ、昔は意識がほぼ無いとはいえ生きているヤツもいた!

 ……というか、全体図で言えば動物の方が圧倒的に多いハズなのに、今さっきから俺が食べているのはモンスターばかり。


(クソ!とりあえずはスキルの確認だ。

 えーと、どぶネズミの“毒耐性”は元から持ってる。寄ってラッシャイから、“モンスターを呼ぶ”は別に無視だな。あとは、ミイラの“包帯縛り”と同じミイラの“臭い息”だな。)


 脳内でスキルの整理と確認をしていると、ガチャと音が鳴るのを聞いて『ん?なんだ?』と音の先を注視していると


「おい!ババア。ここがお前の墓場だ!」


 え?……え!?

 ハイエナさん!年配の方には敬意を持って接するハズなのに、何故かコノ進化したハイエナさんは年寄りには厳しい。


 オカシイ!動物の世界では、御年配の方には強い弱い関係無く下の者が敬意を払うもの。

 だがしかし、目の前の光景を見るに現実は違う!


「まさか、魔王様に【お前は、いつか死ぬ】と占うとはな。

 ハハハ……まさか、魔王様も『あと五日で死ぬ』とか言うババアを近くに置くわけ無いだろう。

 ここの、モンスターの死骸置き場で死んで行くんだな。」


 俺は思った。

 この若いヤツは、見た目も小さく丸くなった御年配者を上から罵倒し、あまつさえ敬語すら発しないとは……イジメ良くない!


 尚も若い男から甲高い声が、墓場というこの場にこだまする笑い声は俺を妙にイラつかせやがる。

 俺はゆっくりと動いていた。


「占いのババさんよぉ?最後になんか言いたい事はあるかい?」


 老婆は、ゆっくりとそして男に指を差してコウ言った。


「オマエ……死ぬ……」


 男は『は?何言って……』という言葉を全て言い切る前に、男の上半身はナニカに握り潰されていた。

 『ニジッ』と握り潰された男からは、胴体が地面に倒れ込んだ音では無い。その音はナニカに握り潰され、そしてナニカが拳を緩めた音だった。


「大丈夫か?」


 目の前の御年配の老婆は、丸く小さく顔も見えにくい占い士のような格好をしているだけあって、なんとも表情がよくわからない。

 だけど、俺には見えたんだ!俺の『大丈夫か?』に対して小さくコクンと頷いたんだ。


(ココは誰かの家なのかな?……万物の墓場じゃ無いのかな?)


 ドアノブといい、魔王だとかモンスターの死骸置き場とか聞いている限りでは、ここは万物の墓場では無い感じがした。

 まあ、婆さんは?それ相応のお歳だし墓場としては最適なのだろうが……モンスターの死骸置き場って!


「おい!魔王様からの伝達だ!至急、モンスター死骸置き場に監査がやって来るそうだ。

 魔王様はこれより忙しいと理由でこの場を離れる!オマエもココをよく知るヤツなら、ココを離れるんだ。

 なぁに、心配はいらない。知能が高く、その他で圧倒予定だから他のチャチャが無い限り有利だ。」


 『だから、退避しろ』というのがココまで聞こえて、一時間が過ぎたか……向こうから『ココが、中古核貯蔵庫になります』とドアが開けられた時!見てしまった。


 ソレは、暗い部屋というのに黒のなびく美しい髪の毛は、銀河の星の煌めきに等しい。

 ストレートの髪に負けないのが、燐とした表情から繰り出す目力と睫毛まつげの輝かしい神々しさ。


「ここは、核を再利用するために用意された場所です。日々、各職員が死んだモンスターの核を取り出して綺麗に磨いて魔王様に提出しています。」


「う!臭い……換気はどうやって?」


「換気はしていません。換気をした方が、御近所から御迷惑をかけられますから。それに、換気をされますと乾燥し生物の肉が発火する恐れがありますので。

 日の光を浴びず、ジメジメした環境こそ!先の事故を未然に防ぐ事が出来るのです!」


 彼女は臭いと感じながらも、レポート用紙に書き写している。


「ですが、ココは三千年前は【万物の墓場】だったのでは?万物の墓場に魔王城を立てて世界は変わったのでは?」


「変わったかもしれないですね。ですが、三千年前の魔王様は私は存じ上げて居ません。

 更に言えば、三千年間こうやって生きて来たのです。

 もっと言えば、コレハ私が言って事を公にしないでくださいね!……勇者が魔王様を三千年間も野放しにされるのは如何なモノかと。それが、一番の問題では無いでしょうか?」


 ウンウンと頷いた彼女は、彼が『更に奥はもっと匂いますが……行きますか?』という掛け声に対しては、結構ですと言わんばかりに手を前に出して断っていた。


 彼らが部屋から出て行ってから、隠していた老婆とヒョイと地に置いて俺はタメ息が出た。


「はぁ……綺麗な人だったなぁ」


 顔を天に向けて想像する。

 耳に残る声は、天女のようだ。あの眼差しは、母なる海と言ったところ。そして、あの髪はハンモックの様に滑らかで柔らかく柔軟性に長けているであろう。


「彼女……一年後に結婚する……」


「ひぇえ!?」


 ハワワワと想い天に昇るかのような心だったが、老婆の言葉を聞いてから即Uターンをして地上に着地した言葉が出てしまった。

 驚きの声と嫌だという声が混ざった感じで、返答してしまう。


 暫し、空白の時間が流れた


「言うのが遅れたが、私はコウ見えて竜なのだ。名前は……」

(昔の名は捨てよう!今から私は新しくなる。)

「……ギンガ・ジャスティスというんだ。」


「名前は……ブラック・ドラゴン……私の名はオウババという。」


 このオウババは頑固モノで、どう聞かせても『オマエの名はブラック』と指示して来る。

 ブラックという名は正解だ。だけど、新しく恋い焦がれたのなら新しい名も必要だろうに……昔の名前なんて必要無いだろうに。


 御年配の方と言っても俺よりかは若いが、見た目も婆さんで小さく背中が丸い人とマジで喧嘩するわけにもいかず、俺の名前はブラックとなり婆さんの名前は略してオババとなった。


 尚、オババは占い士である。

 なんでも結構有名な婆さんで【大占いの大婆】という名で知れわたっていたという。


「よろしくオババ。

 ところで、あの綺麗な方が一年後に結婚すると分かったけど……とりあえずは、あの方がどんな方なのか教えて頂きたい!」


「……」


(成る程、言葉が沢山あって言えないか)


 この婆さんは、自分に降りかかって来た不幸は直ぐにでも閃きで答えが出るみたいだ。

 更に言えば、百%当たる占いはほぼって言っていい程に一言で終わっている。

 これは、俺の感だと自分ルールに乗っ取ってだと思う。例で言うが、良く有るだろ?!男を知ると能力が失われるとかっていう昔話を。


「話しをもっと簡単にいうぞ。あの方は、次は何処に現れる?」


「次は……エルフの郷……」


 って?何処にあるのかな?

ありがとうございました

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