表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛を探し続けた女性  作者: 如月蓮
8/39

相田家の苦しい決断

「行く…」


椿樹はそう一言だけ呟いた


その時、春樹は妹の言葉にびっくりしたと言う

だが…なぜ妹がそう言ったのかすぐに理解した


それは親戚の厳しい視線

広島で受けた祖母の「いらない子」と言われた時と同じ

親戚達の視線だった

口には出さないがその態度が空気がピリピリと伝えられ

嫌な雰囲気を醸し出していた


その状況が幼いながらの椿樹にも伝わったのであろう


一言だけ呟いた後、椿樹は何も言わなかった

ただ静かに話を聞き顔を伏せ目線を下に向けていた幼い椿樹


そんな妹を見た長男の春樹も同じく「僕も行く」と言ったが

次男、伸樹だけは猛烈に反対し「嫌だ!!行きたくない!!」と大泣きをした


春樹の本音も椿樹の本音も本当は伸樹と同じ気持ちだっただろう

泣いて「嫌だ!!」と叫びたかっただろう


そんな次男、伸樹の叫びも思いも虚しく親戚達の説得により

3人の児童養護施設行きがその日に決定した


その日の夜、初めて兄妹3人は祖父母の流す涙を見るのだった




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ