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胃がんの手術
祖母の1年と言う短い余命宣告から半年が過ぎ
手術の日程も定まってきた頃―…
椿樹と兄2人も時々だが祖父に連れられお見舞いに行けるようになった
お見舞いに行った日の祖母はいつも笑顔で迎えてくれたと言う
孫に心配かけまいと気丈に振る舞い
面会の短い時間だけが家族の団欒だった
祖母の手術の内容は腹を割いて胃がんに蝕まれた胃を切り取り
食道と腸を直接繋ぎ合わせると言う内容で
もし成功したとしても後遺症が残り
ガンが転移をしないと言う保証も無い…
とても辛い手術である
手術をしなければ死ぬ
手術が成功しても後遺症が残る
それでも祖母は手術を受ける決意をした
長男の春樹は私にこの時の事を話した時、苦い表情を浮かべた
「あの時の自分がとても無力に感じました」
「病気に苦しんでいる祖母を元気づける事しか出来ない。
そんな自分がとても無力に…」と
しょうがないと思う
7歳とは言えまだ小学生の子供だ
だがそれでも「何か力になりたかった」
そんな彼の気持ちが話をしていてヒシヒシと
私の心に伝わってくるのだった