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プロローグ
体の中心からぐいっと引っ張られるような、奇妙な感覚の後、ミナキはまばゆい光に包まれた。
その光はすぐに消え、代わりに明らかにさっきとは違う空気がミナキに襲い掛かる。煙のような、何かを焦がしてしまったかのような匂い。むせて咳き込んでしまいそうだった。しかし、その空気はひんやりとしていて、そのちぐはぐさに違和感を覚えた。
「おおっ、成功したのか!」
歓声が上がって、ミナキは知らずに閉じえていた目をうっすらと空けた。
薄暗い部屋だった。窓もなく、灯りは壁にかけられた火の頼りないものだけ。ぼんやりとした人影で、十何人もの人がこの空間にいて、壁際に立っている。そして、一様に部屋の真ん中に立つミナキを見つめていた。
「グラン様! 危ないですよ」
「大丈夫だ」
しゃがれた年寄りの声を振り払い、ミナキの前に一人の男がやってきた。
屈強な男だった。
年は三十代の中ごろか。鍛え上げられた見事な体を、窮屈そうな金色の鎧に何とか押し込んでいるようだった。薄暗がりの中でもまぶしいと思わせる金色の鎧より、さらにギラギラした目が印象的だった。
「ようこそ、勇者の都へ。私はグラン、勇者だ」
金色鎧の男はそのギラギラした目に無理やり人懐っこさを馴染ませて、ミナキに握手を求めた。




