小さな帆船
ざざん――
大海の端の水色の海。小さな島に着いたわたしは、桟橋のはしっこに帆船を停めた。小さなこの帆船は、明るい茶の木材で造られたお店。
お店の入り口を大きく開けると前の壁がほとんどなくなって、わたしはのんびりイスに座ってお客さんが来るのを待つ。
船に小さなお家が乗っかったみたいなここで、わたしは海や星のかけらで作った絵の具やブレスレットを売っている。
島のはしっこに停泊しているから、気付く人と気付かない人がいる。でもわたしは、ちょっとぼろっちい、すみっこの桟橋が愛しいからここへ来る。涼しい風が吹いていって、天窓から空を見上げるとサイダーみたいな色が映る。きれい。
座って机に腕を乗せて、うとうとしていたら、ちゃぷん、さぷんと音が聞こえてきた。桟橋を渡って誰か来たのかしら。
「「こんにちは」」
お互いぺこりとおじぎをして、背の高いその男の人が店先を見ているのをぼんやり眺める。
「ふあぁ……」
眠い……。ちょっとだけ。
そうして目を閉じたら、起きた時さっきの男の人はもういなかった。ただ、机の横にきれいな桜色のお花が置いてあって「ありがとう」とカードがついていた。
「うれしい」
ペンダントにさせてもらおうかな、とお花を手に取って、カードを大切に引き出しにしまう。
このお店には、ちらりと店先を見て過ぎていく人、少し入ってみる人、長いことのんびりしている人……いろいろな人が来る。たまに、こうしてお花なんかを持ってきて「ありがとう」と言ってくれる人も。それで時々小さなお話をして、またどこかで会えたらいいねって手を振り合って別れて。
――クゥー。
かもめさんが鳴いてる。
もう暫くここでお店をしたら、またわたしは大海へ出ていこう。それでまた色々なものを作って、島を見つけたら船をつけて、旅をしよう。それがわたしの、したい生き方。
読んでくださりありがとうございます(* ´ ` )




