表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
35/45

最後の設計

中心は、もう“問い”を持っていなかった。


それは沈黙ではない。


完成された構造だった。


レインはその前に立つ。


グランも動かない。


ただ、すべてを見届けている。


残された世界は静かだ。


だがその静けさには“重さ”がある。


何かが終わった後の静けさではない。


“すべてが確定した後の静けさ”だった。


中心がゆっくりと動く。


声はない。


だが意味だけが流れ込む。


「これが最後の設計。」


レインの胸が強く締まる。


設計。


つまりこれは自然ではない。


偶然でもない。


作られたもの。


グランが静かに言う。


「最初からこうなるようにできていた。」


レインは顔を上げる。


その言葉が一番重かった。


中心が続ける。


「未確定を終わらせるために。」


空間が静かに収束する。


レインの視界に、


これまでの全ての選択が一瞬で重なる。


選ばれたもの。


消えたもの。


残されたもの。


それらはすべて、


最初から“設計の中にあった”。


レインは震える。


「じゃあ……僕たちは……」


グランが短く言う。


「部品だ。」


その言葉に否定はない。


誇張もない。


ただの事実だった。


師匠の残響がわずかに揺れる。


それもまた、


設計の一部として組み込まれているように見えた。


中心が静かに続ける。


「お前は、最後の選択点。」


レインは息を止める。


最後の選択点。


つまり、


ここで終わるかどうかを決める存在。


グランがレインを見る。


その目はもう揺れていない。


「お前が決める。」


レインは言葉を失う。


今までの選択とは違う。


これは“終わりそのものの選択”だ。


中心が待つ。


グランも待つ。


残された世界そのものが、


レインの答えを待っている。


レインはゆっくりと息を吸う。


そして、


初めて気づく。


ここまでのすべては、


この一瞬のためにあった。


中心が静かに揺れる。


最後の問いが、


形になる。


「続けるか。」


それとも。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ