王宮でのやりとり そのいち(仮)
・デルタ王国
この王国。
・ジャック
第三王子。現王太子。
・ドナテロ
ジャックの側近候補 兼 親友。
宰相の次子で長男。
宰相の実子だからと言って、次期宰相とは限らない。
・デリック
ジャックの側近候補 兼 親友。
騎士団長の第三子で長男。
自称、未来の騎士団長。剣の腕は現役騎士に通じるが、頭が足りないので団長にはなれない。
プロムナードの翌日、王宮のとある一室に彼らはいた。
ローテーブルを挟んで、片側のソファに国王陛下が、その背後に現宰相と騎士団長が。
反対側のソファに王太子ジャックと、宰相子息のドナテロ、騎士団長子息のデリックが並んで座っていた。
騎士団長はこめかみをひくつかせており、宰相は表情にこそ表れていなかったが、心中は荒れ狂っていた。
「で、やってくれるかい?」
「父上、なぜ王太子である私がこれに手をつけねばならないのです?」
好々爺然とした国王の問いかけに対し、ジャックは呆れた意思を隠すことなく返答した。
「おや、不満かな?
君達の得意分野だと思ったんだが……」
「陛下。
確かに私達は、次代への修行の一環として様々な問題の解決に取り掛かってきましたが……これは権力の乱用になりましょう。
だろう、デリック?」
「あぁ。
右の二人に比べ、知恵が足りないと自負しておりますが、これは私達のすべき事で無い事は私でも判ります」
陛下、ドナテロ、デリックの順で口を開いた。
ジャックが見ていた資料は、各家の兄弟姉妹の諍いのある調査記録だ。
下は有力な平民、上は公爵家まで。
その解決をジャックたち三人に依頼しようとしていた。
「そんなはずは無いんだがなぁ?
だって昨日……
……クリスティーン嬢を修道院送りにしただろう」
室内の空気が変わった。
それを合図に騎士団長はデリックをローテーブルの上に抑えつけた。宰相はローテーブル上にあったフルーツバスケットに備えられていたペティナイフの切っ先をドナテロの喉仏に。
いずれも目にも留まらぬ速さだった。さもあろう、彼等は陛下の親友であると同時に、護衛でもあるのだから。
「「「なっっっ!!?」」」
「昨日君達がした事が、このデルタ王国にどれほどの損失を……いや被害を与えるか、判ってるのかい?」




