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「この物語は衝撃のどんでん返しがあるからね。警告したからね!」
ダンテは床に腰を下ろし、そばに置いた剣に視線をやった。
そして口を開く。
「一つ目の願いはもう使った。俺の手首にはあと二本の刻印が残ってるってことは、願いはあと二つだな。
じゃあ二つ目の願い……チーズバーガーを、ビーフを三枚入れて、野菜は別盛りで、玉ねぎ抜きでお願い!」
その言葉が終わると同時に、彼の前にチーズバーガーが現れた。
白いランチョンマットを敷かれ、別皿にレタスとトマトが盛られている。
「思った通りだな。これで二つを一度に頼んだことにはならないんだな」
ダンテはバーガーを手に取り、大きくかぶりつく。
心の中で思う。 『最後の願いは……無限の力かな……?』
その時、ルーラーの「天界を“支配せよ”」という言葉が思い浮かんだ。
ダンテは食べかけのバーガーを置き、真剣な表情で考え込む。
『待てよ……俺の目標は“天界を支配する者”になることだよな?
……こんな願い方じゃ無意味だ!天界を守るのは冥界の神クラスの連中だろ?あんなところに今すぐ行ったら死ぬだけだ。ちゃんと準備しなくちゃ……』
『準備しなくちゃ……』
そうつぶやいたとき、ダンテの顔に覚悟の色が浮かんだ。
「準備、か……じゃあ三つ目の願い――いや、最後の願いじゃねえな。この願いで……“無制限に願いを使えるようにしてくれ!”」
言葉を発した瞬間、彼の手首にあった願いの刻印が「∞(インフィニティ)」のシンボルに変わった。
彼が驚きの声をあげると、目の前に魔方陣が浮かび上がり、そこから女性のシルエットがゆっくりと現れ始める。
だが、女性の姿がはっきりする前に、ダンテは立ち上がり、剣をしっかり握って、真剣な声でつぶやいた。
「……行くぞ、天界へ!」
その言葉と同時に、彼は風のように消えた。
その直後、女性の姿が魔方陣から完全に現れる。
彼女はダンテが立っていた場所を見つめて、深いため息をついた。
「まったく……また面倒なことを始めやがったわね……たかが始まったばっかりで、もうやる気満々なんだから……」
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場面転換:天界にて
ダンテが現れた場所は、果てしなく広がる美しい空間だった。
彼は周囲を見渡し、目を輝かせて口を開く。
「お……ここが天界の内部か!? 今、ここは――入口の前にいるんだね……」(剣を持つ手で門扉を軽く触れる)
「門きれいだな――」
その時、兵士の叫び声が響いた。
「おい!どうやってここに入ったんだ、そこのやつ!」
「え?見張りの兵士……だよな?」
ダンテが振り返ると、数名の兵士が警戒した様子で近づいてきた。
彼は剣を構えながら、いたずらっぽく笑って言った。
「俺が怖いとでも思ったか――」
その瞬間、ダンテは突然床に崩れ落ちた。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます!
最初は軽い気持ちで書き始めたこの物語ですが、こんなにも長く続けられるとは思っていませんでした。
読者の皆さんの応援が、私の原動力です!
次回作も頑張りますので、また読んでもらえたら嬉しいです。