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3/よろしくリーダー!

男はサシャにオークを倒してくるわ、と言い出ていこうとした。

しかしサシャがダダをこねた為に背負いながら移動する事になっていた。

一階層ダンジョンを降りて、中層と呼ぶ場所にて男は狩りを始めた。


「うひゃっ、死ぬわよこれ。私分かるの」

「死なんわ、中層だぞ。肉取って帰ろう」


サシャは背中ごしに文句を垂れるも、流される。彼女の前ではオークと男の戦闘が繰り広げられている。置いていかれれば死ぬし、何とか振り落とされないよう捕まって、かすりそうになると情けない悲鳴を上げていた。


「料理テスト用の材料なんて上層の奴で良かったんじゃない? ギャーッ!!」

「上層はゴブリンしかいないぜ」

「最悪ねェェェ!?」

「うるせぇよ!! モンスター呼んでるだけだから黙れ!」


「ブゴゴラ!」


「案の定でた!」

「帰りましょう!」

「ああ、料理の味次第でお前覚悟しておけよ」


呼ばれて飛び出るオーク君はついでに倒された。


言い合いながら一階層上がって上層キャンプ地点、元いた洞窟に戻ってきた。


男の視線が刺さるなか、早速サシャは料理を始めた。

まずは片付けでスペース確保。次に洗い物。これは隅から湧き出る水で洗った。


「この水安全?」

「ここはセーフティだから基本安全だよ」


ダンジョンの謎空間ことセーフティ。魔物が入れない特性を持っているため湧水に花が咲くことすらある。


「じゃあ隅に生えた紫色の雑草は?」

「同じく。食っても生きてるから安全」


サシャは次に取りかかった。赤髪を括り材料を見る。オーク肉と、部屋の隅から湧いた水、同じ場所から取れた雑草。

サシャは少なすぎる材料に冷や汗を流す。しかし頑張った。全力で取り組んだ。肉の臭みを取り、柔らかいままに煮込み、食い合わせの良い雑草を選んで入れた。

そこにはオークの鍋が出来上がっていた。


鍋のスープを椀に持って男に渡す。自分にもよそって、2人で同時に食べる。


「これ、うっっまいな。すごいわ」

「……だしょだしょー!」


適当にダンジョンの事について話ながら鍋を食い、気づけば二人とも笑っていた。

食材集めや調理中とサシャは特有の図太さで話し続け、男の性質もあってか、結果わりと仲良くやってけそうな二人だった。


「レディ、是非うちのパーティーに入りませんか?」

「えーどうしよっかな~」

「そこを何とかー、モグモグモグモグ」

「特別ですよー、モグムグモグムグ」


男は残り惜しそうに空っぽの鍋にお玉を戻し息を吐いた。


「さて、コック。自己紹介しようか。俺はアルク。このダンジョンを出たいし、美味いもんも食べたい」

「なるほど」


サシャは頷いて空の椀を置いた。


「お前は?」

「名前はサシャ。ダンジョンを出れれば良いわ。ああでも、出た後に殴りたい奴がいるわね」


お互いに手を差し出して、握手する。


「おっし。じゃあひとまず臨時パーティーってことでよろしくな、サシャ」

「ええ。よろしく!! リーダー!!」


アルクとサシャの臨時パーティーが結成された。

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