11/目的の為なら
上を見上げると背の高い木々と隙間から覗く一面の青空。
2人は脱出に成功した。
転移で出た場所は地上のダンジョン入り口横だった。
「私はこれから貴族殴るし、パーティーは解散の方が良いのかしらね?」
サシャは運搬中うっかり絞め落としたらしいアルクを見て、今後の事を考える。
一先ずは、馬車で運ばれた時の朧気な記憶を頼りに街を目指そう。縄張りを上層に広げていた“イレギュラー”がダンジョンから出て来てもおかしくはないのだし。
サシャが気絶したアルクを背負ったまま歩き続けると運良く街を見つける。意外とこれといった問題もなく街に入り、宿屋で部屋を取れた。サシャがどうにか部屋のベットにアルクを転がしたら、隣のベットまで歩いて倒れるように寝た。
☆
アルクが宿屋で目を覚ますとサシャは居なかった。
代わりに、サシャからの手紙が1枚机に置いてあった。
『
パーティーは最初の約束道理ダンジョンまでの臨時パーティーって事で別れましょう。
どうかお元気で!
ps.ポケットに宝石が入っていたので半分同封しておきます。サシャより。
』
宝石は1つ。300万程の値だろうか。
ありがたく宝石は貰っておいて後で売っ払おう、とアルクは宝石をポケットにしまう。
「まぁ、どうしようもねぇか。一回実家に帰ろうかね」
アルクは実家を目指して街をでる。
サシャは豚野郎を殴りにアルクの知らないどこかに。
パーティーは解散した。
「あ、≪超再生≫」
ドゥルッ。
ふと思い出して詠唱すると、アルクの右腕が生えた。