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エンドロールには早すぎる~一万回挑める迷宮に棲まう主(まおう)は、マンネリ防止、味変したいと人様のダンジョンに突貫す~  作者: 大野はやと
メイン:エンドロール前

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第44話、魔王、勇者のすぺしゃるあたっくでこうかはばつぐんだ




実のところ、ここまで名前の上がった者たち以外にも、もう少しのところでレベルアップ……

進化して、意思疎通、おしゃべりが出来そうなメンツは数人いたりする。


ヴェノンと並ぶ低層に出てくるモンスターではお決まりな、思えば初めてテイムに成功できたスライム種の子や、ダンジョンの外へ冒険に出る際の移動手段、足となってくれるであろう騎獣タイプのモンスターがそれにあたるわけだが。




「久しぶりの外だぁ。ユキはりきっちゃうよぉ」

「ごくり。これが生足魅惑の……」

「ふむ。水棲のままであるのならば、主さまに直接運んでもらう、と言う手もあったはずなのにの」

「え? そうだったのかい? ……それじゃあ遠慮なく」

「うおっ!? やわらかっ!」



今回新た雨で氷雪系のダンジョンであると言われている『ユキアート』と呼ばれる国に一緒に向かってくれるのは。

もはやお馴染みのチューさんとユウキ、何故か一向にバッグの内なる世界に変える気配のなくなってしまったフェアリに加えて。


満を辞しての6人目。

『リンシーメロウ』からこれまた上位クラスにまで進化している、『ペタ・オェル』と呼ばれる種であるシラユキは。

真白なジュゴンのごとき姿をしていた。


実際はシャチどころかクジラくらいにまで大きくなれるらしいのだが。

今は陸上だからなのか、確かに抱えられそうな位の大きさで、何故だか水面氷中でもないのに揺蕩い浮いて泳いでいるように見えるのは。

それが世界の仕様だから……ではなく、それがシラユキの特性であるからだ。


シラユキは、ダンジョンのあらゆる障害物を透過できる。

壁や地面、天井はもちろんのこと、宝箱などを封じている隠し部屋や、水面、毒沼、溶岩などもなんのその。

加えて、地面に設置されている罠ならばスルーできるので、ダンジョンの攻略と言う面ではかかせない存在であることは確かで。



今回こうしてついてきてもらえることは大歓迎……って、ちょっと!

フェアリさんったら! めっちゃふにふにしてるぅ!

触手も蜜柑色のほっぺもなんかこう、明確に俺にダメージを与えてくるんですけどっ。



「ぬぬ。だったらわしは、こうじゃっ」

「お? だったらボクもっ」

「……ッッ!?」


かっはぁ!?

な、何だぁっ!

一体どうしたんだ俺はぁっ!?

チューさんの、頭上に感じるもふもふお腹にやられて。

顔から突撃してきたシラユキのひんやり冷たくてふにふになおでこあたりの感触がモロに入って。

意識が飛びそうなほどのダメージを受けてしまう。



これがあの、音に聞く『こうかはばつぐんだ』ってヤツなのか。

今まではチューさんがモフモフされに来ても、フェアリの触手にてだっこちゃん状態になっても、これほどまでに悶えることなどなかったはずなのに。

一体全体俺はどうなってしまったのか。



……はっ。

まさか種族が魅惑の生脚的なメロウであったシラユキの、テンプテーション的な、『デ・イフラ(幻惑混乱)』のカードめいた力が働いているのだろうか。


なんて、思い立った時だった。




「なにこの流れ。オレも混じらなきゃいけない感じ? しょうがないなぁ。ジエンってば」


空気を読んで、雰囲気に押されたのか。

あろうことかユウキまでもがみんなでよってたかってダイレクトアタックに参加せんと。

これ見よがしに空いていた、フェアリがへばりついているのとは反対側の腕を、戸惑いつつ遠慮がちに取るユウキがそこにいるではないか。




「……ぐふぅっ」


勇者の特殊攻撃!

魔王に致命的ダメージ!


そんな、ポップアップを幻視しつつ。

ついには『めのまえがまっくら』になっていって……。



    (第45話につづく)









次回は、5月2日更新予定です。

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