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エンドロールには早すぎる~一万回挑める迷宮に棲まう主(まおう)は、マンネリ防止、味変したいと人様のダンジョンに突貫す~  作者: 大野はやと
こぼれ話:エンドロールその後

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第199話、ダンジョンマスター、駄目だって言われているのに祝福してしまう





なんとはなしに予感がしたと言うか。

まるでトフィーさんと姉妹のようにも見えるディーはともかくとして。


場違いと言いますか、ディーの活躍を奪うべきではないと。

幾度となく『ブレスネス(祝福息吹)』によりやらかしてしまった事で自重&出歯亀を覚えた俺は。

咄嗟に最早お馴染みの『ルシドレオ(透過透明)』のカードを自身に貼り付け、ほとんど地の文と化しつつ、オーク種のみなさんと、エルフ種のみなさんのやり取りを見守ることにして。





「ブヒィ! とととフィィィっ!! 汚らしいオトコの匂いがるするぞおぉぉっ! ぼくちんたちが神聖なる遠征に趣いている間に、まさか男を連れ込んだのではあるまいナァァァっ!! ……って、ブヒイイイィィっ!!? ハイエルフの美少女がいるううぅっ!? 一体どこから連れてキタァ! でかしたぞトフィィィィッ! たまにはぼくちんたちのためになることをするじゃないかぁぁブヒヒヒヒィィっ!!」



その瞳をぎらつかせて、大変興奮した様子で。

あらゆる体液を撒き散らしつつディーたちに迫り来るオークのリーダーらしき男。

すぐさまディーが剣を抜きかけたが、それを制止、少し呆れたように結界を挟んで対面する形になったのはトフィーさんだった。



「ふむ? 相変わらずオクタの言っている事はよく分からないが……今は大切なお客様をお迎えして宴の最中なんだ。例の異世界の音楽を披露してもらえると言うならば問題なくこちらに迎えられると思うのだがね」

「オクタじゃないぃぃ、オクダだブフヒィ!! ってかパッドの電池が切れちゃったんだからしょうがないだろうがぁ! 雷の魔法使いなんて探してもぜんぜんいないしぃぃっ!!」

「……そう言う事を言っているわけじゃないんだけどね。私たちから拒む事はない。宴に参加したいのならばそうすればいいさ」


驚いたようにディーがトフィーさんの方を向くも。

私にお任せをとばかりに頷くトフィーさんと、『ブレスネス』付与済みではない『ルシドレオ』だったからなのか、今日も今日とて出歯亀している俺にも気づいたらしいディーは。

ひとつ頷き、一旦その実は全身鎧の一部であるらしい剣をしまっていて。




「ブヒィィィッ!! よっしゃあぁぁ! 酒池肉林だあぁぁぁっ!! いざしゅつぶべぇひぃぃっ!!?」



初めは。

トフィーさんが、オークリーダーの彼がお互いを隔てるダンジョン結界を超える事ができないのだとわかっていたのかもしれない、なんて思っていたけれど。


やはりもしかしなくても、二人は元々はダンジョンマスターとダンジョンコアと言う間柄だったのだろう。

ディーよりも前に出て、両手のひらを広げるような仕草をしていたのは。

そんなオクタさんを受け入れるつもりだったのかもしれない。



しかし、話はそう上手くは行かず。

見えないダンジョン結界の壁、ダンジョンの中と外、ダンジョンBGMに阻まれて吹き飛び弾き返されるオクタさん。

それにトフィーさんが驚いていたのも、気のせいじゃなかったんだろうけど。




「ブヒイイイィイィっ!! 中に入れろおおおぉぉ! しゅちにくりんんんんっ!」

「……音の結界が拒むと言う事は、オクタくん。音楽を愛してはくれなかったのかな」

「オクダだってゆってんだろうブヒィィっ!! もうゆるさん! ゆるさんぞトフィーッッ!! やれええぇぇっ!! 同志たちよおおおぉぉぉっ!!」

「「「ブヒヒヒィィィッ!!!」

「……っ!」



ダンジョン結界に阻まれ吹き飛ばされたたオクタさんに。

これといってダメージを受けた様子は伺えなかったけれど。

唾を飛ばし鳴き声をあげて、激昂するオクタさん。

さらに大きく鳴き声を轟かせてその太い手を振り上げると。

周りにいたオーク種のみなさんだけでなく、森の中にも潜んでいたらしい魔物……オーク種たちが。

所謂ところのダンジョン工作、よりにもよって森に火を放った気配がして。



「オクタ……一体何を!? 自らの住処に火をつけるなど!?」

「ブヒヒヒィッ! こ、こんなっ、なんもなくて虫も魔物も出る地べたがホームであるものかぁぁっ!! 燃やせ! 燃やせえぇぇっ!!」

『ディー! 勝手ながら俺たちで消火をする! だけど、どうも火の手は森中に広がりそうな気配だ。人員が足りない。よって、禁じられじ『ブレスネス』付与済みのものをディーに使うが、覚悟はできているか?』

「……はっ! いつでもどうぞっ。よろしくお願いいたしますっ!」



『ルシドレオ』がかかった状況であるからこそ、そんな『お願い作戦指令』はディーだけに届いていて。

なんだか少し、魔王モードの時の俺のようだった、と言うのは後々ディーの言葉だったが。


とにもかくにも、ここでディーに貼り付けるは『分増群生ダブション』のカード。

思えば、『リヴァ(復活蘇生)』などの便利アイテムを増やしたり、経験値のおいしいモンスターを増やして倒してレベルアップする時くらいにしか使った事がなかったので、ほとんど初出のカードではあるが。


『ブレスネス』が付与されていない通常のものであるのならば。

『ダブション』を受けるとデコイが生まれ、言うなれば『デ・イフラ(幻惑混乱)』を受けしものが生まれてくるわけだが。

使用禁止になるのも分かると言うか、俺はまだまだ『ブレスネス』の荒ぶりのほどを甘く見ていたらしい。



双子星なアオイ……じゃなかった、二匹になりかけているスライムの絵が描かれた『ダブション』のカード。

それをディーがなんの躊躇いもなくあっさり受けたその瞬間。


『ブレスネス』らしいキラキラなエフェクトが巻き起こって。

続くは、何やら初めて聞く類の軽い音。



間もなく視界が晴れた時には。

二人のディーどころか、数十の(数えてみたら16人いた)ディーが隊列を組むようにして、そこに控えていて……。



    (第200話につづく)









次回は、1月25日更新予定です。

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