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エンドロールには早すぎる~一万回挑める迷宮に棲まう主(まおう)は、マンネリ防止、味変したいと人様のダンジョンに突貫す~  作者: 大野はやと
こぼれ話:エンドロールその後

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第188話、魔王、おむすびよりおにぎり派で、異世界のダンジョンも興味を持つ





 異世界産の武器防具やマジックアイテムなどに関しては。

スターティングメンバー……我が軍の幹部なみんなを集めて現在の所持金などと相談しながら。

みんなが集まったそのタイミングで強化時間と洒落込むことにして。

今はチューさんの願い事、異世界この世界限らずのお米料理、ぶっちゃけてしまえばおにぎりの話である。


 

「お、やっぱりあったぞ。青の何でも屋の『おにぎりとおかずのセット』。これが今回マイダンジョンで手に入れたものだな」

「どれどれ? ああ、何でも屋なんて言い方するから何かと思ったけど、有名どころのコンビニのやつ、全部載ってるじゃん。しかもスーパーのとか、おにぎり専門店のものまである!」



これは後々に気づいた事だけれど。

俺とユウキでは少しばかり『SHOP』のラインナップ、その表示のされ方、見え方が違っているようで。

ユウキの方がもっと詳しく、お店ごと個性があって、効果も違うのが分かるようで。

それが意味するところは……。



「ふむ、そうじゃのう。せっかくじゃし、今日の昼にでもみなでいただくことにしようかの。200ほど出してもらえれば足りるじゃろう」

「どうせなら専門店の高いのがいいけど、オレたちだけそれがわかっちゃってるのはちょっとずるいよなあ」

 


ここに来てようやく気づき始めていた俺自身の事について考えているうちに。

本日のお昼のメニューは決定してしまったようで。

数十を超えるおにぎりとおかずの組み合わせ、かつ細かな魔法効果のあるものを売っているらしいお店があったが。


チューさんとしてはそれらの食べ比べがしたいのだろうし、今回はそんなユウキの言葉もあったので、適当に十種類くらい選んで。

それこそ一点ものに比べたら、その一つ一つはお手頃に過ぎる価格であったので、言われるがままに20セット×10個ほど。

マイダンジョン探索帰りで持っていたお金で支払うことができて、大きなテーブルのある食堂にて取り出して見せて。



「今日はおにぎりパーティーだね。よし、ちょっとお昼だよってみんな呼んでくるよ!」


これから始まろうとするパーティーにその桜色の瞳を煌めかせて。

正しく勇あるものの機動力さながらで飛び出していくユウキ。

 


それじゃあ俺たちは出したおにぎりセットならべてお昼の準備を始めようかといったところで。

不意に、触れよとばかりの距離まで顔を寄せてくるチューさん。



あれ、何ですか。未だにヘタレが治らない俺にとってみれば正しく必殺の近さなんですけどぉっ。

……そんな風に慌てふためきつつ何とか意識を保っていると。



「そうじゃの。ここいらの極ダンジョンをあらかた荒らし回った後には、このおにぎりせっとが実際に売っておる異世界の方ヘ足を伸ばしてみるのもありかの? ……ああ、安心せえ。何やら蒙昧にて広きにすぎるダンジョンは、そっちにもあるようじゃからのう」

「お、おおぅ。それは、とっても良い、新たな夢だなあ……っ」



そんな台詞が、俺たちの関係が変わらず続いていくのだと言ってくれているのだと。

新たなる願い、夢であるのだと。

加えてユウキの故郷が、どうやら俺たちにとっての異世界であるらしいと。

 

とっさに、テンパりながらもそんな言葉がついて出ていたけれど。

それに気づかされたのが、申し訳なくもしばらく経ってからだったのは。

 


正しくチューさんとの距離がゼロになって。

みんなが集まったところでまた叩き起こされてブラックアウトを繰り返すことで。

あえなく昇天してしまっていたから、なのだろう……。



   (第189話につづく)







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