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エンドロールには早すぎる~一万回挑める迷宮に棲まう主(まおう)は、マンネリ防止、味変したいと人様のダンジョンに突貫す~  作者: 大野はやと
メイン:エンドロール前

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150/192

第150話、魔王、いよいよもって初めに侵略する地を選択する




 そもそもノ・ノアのコアルームは最下層、フィルマウンテン15階にあったわけだけど。

そこは、虚栄の名がつく極ダンジョン……その陣地の中でも最終、がつくということで。

ここへたどり着くまでにきっといくつか他のダンジョンもあったんだろう。

 

唯一あった天上世界(俺的には二階層)のフィールドへ続く入口周りのロケーションを見るに。

このフィルと呼ばれる山は少なくとも草木の活動限界は超えているようだ。


どうやら『第三ホーム』に到達するためには。

一日やそこらでは到底無理そうで。

先程入口周りに集まってきていたラマヤンさんちのモンスターたちは。

そんなフィルマウンテンの途中にあるダンジョンからやってきたものが多かったようで。

ダンジョンを徘徊しているモンスターたちがスタンピードのごとく溢れてくる……出てきて他のダンジョンに入ってくるというのは驚きではあるが。


そんなわけでラマヤンさんのダンジョンだったところに別魔王がお邪魔してしまっていることは。

いずれ感づかれはするだろうけれど、今のところはそんな遠い他の陣地には届いていない可能性もあった。

とはいえ、ノ・ノアの補足によるとその広さを活かして野良の……あるいは傭兵めいた虚栄の極ダンジョン産のモンスターは。

平気で他の陣地にもお邪魔し徘徊していたようで。

そんなモンスターのまとめ役、うちのスターティングメンバーのような面々がいたとするのならば。

何かしらその内報告のためにとここへ戻ってくることだろう。

まぁ、ノ・ノア曰くラマヤンさんと対等とはいかずとも意思疎通のできる腹心めいた存在は見たことがなかった、とのことだから。


そう急いで何か対策を取ることはないというか。

ただでさえ、マイダンジョン探索にて定期的に我が軍のメンバーは補充されていっているので。

元ラマヤンさんの配下のみなさんや外部のモンスターを受け入れる余裕はないと。

とりあえずのところは唯一入り口は入れなくなっているし。

ご存知の通り最早幸運スライムと化しているアオイの元、あるいは俺みたいなダンジョンギミックをどうにかできてしまう権限を持っている方たちが、直接やってきてもしばらくは時間稼ぎができるくらいには『サンクチュアリ(破魔聖域)』のカードブックを一階層に固めてきたので。

安心して他所様のダンジョンにお邪魔できる、というわけで。




「ここ以外の6つのダンジョン陣営の中で、『第三ホーム』を脅かしかねないのは『慚愧の極ダンジョン』のある『ドォーミク』か。『暴威の極ダンジョン』『キヌガイア』の陣営になるかと思います。侵攻……いえ、間違えました。攻略探索を始めるのならば、そのどちらかがよろしいかと」



命尽きるまでお礼参りをしてくるような配下や腹心がいないのを、よかったなどと言うのは正直複雑であったが。

遅かれ早かれ周りに気づかれるのならば、俺たちがやることはやられる前にやる……迅速に向かうべきダンジョンを選び出し攻略探索に向かうことだろう。



この天上世界(二階層)と七つの極ダンジョン。

各々知りたいこと聞きたいこと多々あるだろうが。

そんなみんなに断りを入れてでもまずは一通り説明を終えたノ・ノアに聞いておかなくてはならないことがあったので、失礼して口を開く。



「二階層……じゃなかった。大まかにここにある七つの極ダンジョンのことは理解した。どれもこれも早速探索していきたいのは確かで、今上げてくれた二つのどちらかに向かうべきなのも分かった。それでもあえてノ・ノアに聞きたい。俺たちはどこから攻略探索へ向かうべきだと思う? ……いや、うん。ノ・ノアの感覚でいい。ダンジョンコアという呪縛を。ノ・ノアの時のようにスカウト、それでもし、快い返事がもらえたとしたならば……新たなメンバーに真っ先に加えるべきなのは、どこの誰のダンジョンコアかな」

「それは……」


また頼もしき仲間たちを増やそうとしているのかと。

それまで集まってもらっておきながらじっと話を聞いてもらっていた我が軍の長と勇者と第一と第二のダンジョンコアさんたちが。

まるで示し合わせたかのように、またジエンの悪い癖が出たよとばかりに顔を見合わせていたけれど。

それを諌めるような言葉は申し訳なくも出てはこなくて。



そんな頼もしき仲間たちをゆっくりと見回した後。

まっすぐ俺を見上げ見つめて。

ノ・ノアが出した答えは……。



     (第151話につづく)








次回は、2月16日更新予定です。

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