表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エンドロールには早すぎる~一万回挑める迷宮に棲まう主(まおう)は、マンネリ防止、味変したいと人様のダンジョンに突貫す~  作者: 大野はやと
メイン:エンドロール前

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

143/192

第143話、魔王、我が儘に邪魔だてするものを排除することにする





辿り着いた『虚栄のフィルマウンテン』改め、『第三ホーム』の一階層。

案の定というか、その階層の周りを覆うようにして敵性……魔物たちがひしめいている。

彼らがラマヤンさんの配下であると言うのならば。

文句を言うために集まってきているのはわかるというか、仕方のないことだとも言えたが。


こちらで雇う(テイムする)、配下の配下として第三ホーム周りを守ってもらうとしても。

マップに示されている敵性を示す赤色を、なんとかしなければならないと。

ぶっちゃっけある程度力を示しておかなければならないだろうということで、早速とばかりにその指示を出すことにする。



「手始めに『スルージブル(摺抜透過)』カードをはっつけておくから、ピプルの瞳術を繰り出してもらおうか」

「よし、文字通りがんばる」

「極まりしもののふ共に、新しき一張羅纏いて相対できる機会をいただけたこと、感謝いたします」

「これでいっしょにとべるね! あ、そうそう。のん、お姉ちゃんに射撃の才能あるよっていわれたんだよ!」


当然新たなダンジョンに挑むにあたって。

各々の装備はマイダンジョン巡回からの『ポッジズ(錬金融合)』のバッグの効果などによって強化されている。


特にディーの全身鎧……『ヴルゴッド・カスタムパーツ』+11は。

本人の希望もあってマイダンジョンの戦利品を合わせた中でもトップクラスの一品となっていた。


元々高い耐久力を更に高める守備力や、回復魔法が効きにくいディーのためだけの回復機能もそうだが。

何よりポイントなのは足裏、具足の下に取り付けられたジェットにより飛翔が可能になったことだろう。



一方でピプルには瞳術の威力が上がる、『サード・アイズ・ティアラ』を装備してもらっている。

一点もののアクセサリーなので付加のプラスはないが。

分かりやすく言えば俺がカードやブックなどに『ブレスネス(祝福息吹)』を付与する感覚に近いだろうか。

まぁ、『ブレスネス』ほど荒ぶってはいないというのが使ってみたらしいピプルの弁ではあるが。

結構いい感じにパワーアップしているようで。



続いてヴェノンには、魔法をのぞく長距離攻撃を扱うものが俺くらいのものだったこともあって。

今回丁度いい機会だからと『セトレインの装砲』+6を装備してもらっている。


いわゆるところの口径の大きな銃、大砲の類である。

本来は中空からのトリッキーな超至近距離……爪攻撃がメインのヴェノンだったわけだが。

現在では、左手に『宵闇の爪』+9、右手に『セトレインの装砲』といった二刀流となっていて。



ディーもヴェノンもマイダンジョン以外で全力全開で戦えていなかっただろうから。

正に良い機会ではあって。



「それじゃあピプル、ちょっとばかし頭を下げてもらっていいかな」

「うむ。くるしゅうない。……って、おお。カードが吸い込まれて透明な宝石になった」


ピプルが装備中の『サード・アイズ・ティアラ』は、装備品の分類で言えばアクセサリー、兜系で。

腕輪……俺が装備している『カムラルの腕輪』のように、他の俺のスキル、主にカードを付与して留めることができる。

そんなティアラにふさわしく、付与した『スルージブル』のカードは吸い込まれるとともに薄い橙色の宝石となっていて。



「よし、改めまして『第三ホーム』一階層周りの掃討作戦、ひと暴れ、よろしく頼むよ!」


ピプルが瞳術を使ったら……うん、ダンジョンカスタマイズで問題なく入口の扉は開けることができるようだ。

扉が開いたらすぐにディーとヴェノンには好きに動いてもらうとして。

俺自身はそんなみんながいつでも緊急避難ができるように、『ルギャザ(引寄集合)』(やっぱり初出)のカードを用意しておくことにしよう。


「了解しましたっ」

「はーいっ」

「では、おはこをひとつ」

「……あれれ? マスター、ボクは? やっぱりふところマスコットってふところにいるだけなの?」

「おお、そうだな。ダンジョン攻略の時はチューさんとか今まで実際そうだったんだけど。これからこの『第三ホーム』を整えるのに、この一階層に他の出入り口があったりしないか、探そうと思っていてね。アオイにはそっちを手伝ってもらおうと思ってる」

「あ、そうなの? わかったよ~」

「……よし、じゅんびおけ、それではさっそく。【ダスロブラント(混乱凝視)】の瞳!!」



何せアオイは我が軍で幸運値がトップクラスだからな、なんてやり取りをしている間に。

久方ぶりに聞く気がしなくもないピプルのいわゆるところの力ある声。


そんなピプルしっかりレベルアップしていて。

すでにいくつも瞳術を覚えているが。

とりあえずのところは基本である混乱の瞳術を使うことにしたらしい。


元よりピプルの扱う瞳術は、俺のスキルで言うところのブックに偏っていて。

その効果範囲もワンフロアを網羅するほどなのだが。


そこに『スルージブル』が加わって。

もれなく一階層を壁を飛び越えて周りの夥しい敵性に、波打つように影響を及ぼしていって……。



     (第144話につづく)








次回は、12月29日更新予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ