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エンドロールには早すぎる~一万回挑める迷宮に棲まう主(まおう)は、マンネリ防止、味変したいと人様のダンジョンに突貫す~  作者: 大野はやと
メイン:エンドロール前

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142/192

第142話、ダンジョンマスター、殲滅特化メンバー持ち腐れてあっさり一階層へ





『ディセメ(識別解析)』によるログメッセージ……




―――極ダンジョン、ナンバー7、虚栄のフィルマウンテンのリセット、改変が終了しました。

   新たなダンジョン運営を開始しますか?





「おっと。ちょっと待ってくれ。その前にダンジョン周り、外部の確認をしたい。一旦待機だ」



―――了解いたしました。




「? マスター、急におしゃべりして、どうしたの?」

「ああ、うん。ちょっとステータスログの確認をね。ここいらは罠もモンスターもまだ配置していないから、どんどん上がっちゃおう。……虚栄のフィルマウンテンは15階層か。最後の最後だからなのか思ったよりも浅いみたいだ。一階層を超えれば敵性モンスターも出てくるだろうし、ちょっと行ってみよう」

「やったー! きわみダンジョンのモンスター、楽しみっ」

「今度こそふところマスコットを頑張るよー」

「先導、前方警戒いたします」

「それならわたしはご主後ろにぴったりくっついてる」



何気に殲滅力に特化しているメンバーじゃないの、なんて思いつつ上へ上へ。

『ヴァルーノ(万能得)』&『ブレスネス(祝福息吹)』×2つきによって、たぶんきっと七色どころか十二色なキラキラ残滓を追いかけていく。

 


上層……一階層近くまでは、さすがはマイダンジョン、小さな部屋がいくつもあって。

そこから伸びてつながる通路も多い、基本を外さない質実剛健なつくりをしていた。


そこに、絶妙な位置に配置する罠と、人型以上になることを目指している我が軍のメンバーを出動して各々鍛えていけば。

きっと更に屈強で揺るぎないレギオンが出来上がっていくことだろう。



とりあえずは、我らが陣地の終わりまでを確認して、一旦戻ってきたらすぐにダンジョンクリエイト……カスタムに取り組まんと思い立ちつつ。

やってきました、虚栄のフィルマウンテン1階層。



基本的にマップ表示は現在いる階層のみではあるが。

アイテムやモンスター、特に敵性を示すものはカードやブックを扱えば気配察知の要領でその先の階層、

範囲外にいるものあるものを看破することができた。




ノ・ノアさんをチューさんたちに任せて逃げる……じゃなかった。

現状を把握するつもりで『ヴァルーノ』のキラキラを追いかけていったわけだけど。

一応『世果届耳ウルフェール』のブック(近くの敵性をマップ上に表示する)は使っていて。



それによると、元ラマヤンさん配下、虚栄のフィルマウンテンを棲家にしていたらしい敵性を示す赤色円が。

夥しい数、一つしか内容に見えるダンジョン自体の入り口に殺到していた。



どうやら誰も彼も来るもの拒まずなダンジョンではなかったようで。

何やら条件を満たさなければ開かないタイプの観音扉が、そんな彼らの行方を塞いでいて。

しかしそれでも何とか入ってこようと実に様々なリアクション、音立てて扉に刺激を加えているのがわかる。




「いかがいたしますか、主殿。露払いをお任せいただければ早速向かいますが」

「あ、のんものんも! とつげきしていっぱいいっぱいやっつけちゃうよぉ!」

「うーん。確かにダンジョンギミックで基本は破壊不可なんだろうけれど、永久にそうなのかと言われれば疑問符がつくな。それは入り口の扉以外も同じか。ここはカバーする範囲の広い『サンクチュアリ(破魔聖域)』(『ブレスネス』なし)を使うことにしよう。一階層周りに『サンクチュアリ』を配置している間に、少しばかり外の敵性さんたちの数を減らしておいてもらおうかな」



どうやら『ヴァルーノ』のキラキラもこの一階層より先には、空気を読んだのか進むことはないようで。

虚栄のフィルマウンテン改め『第三ホーム』の壁や天井辺りを這うように揺蕩っていた。



それに敵性が触れれば一体全体どうなってしまうのか。

興味は尽きなかったけれど。

いたずらにこれ以上我が軍の人員を増やすことなきようにと言われていたこともあって。

(それでもマイダンジョンで鍛錬したり物資補充したりしていたら未来あるお仲間たちは増えていくのだけど)


そんなキラキラに触れてしまう前にと。

『サンクチュアリ』で敵性に限らず邪なものを通さないように配置設置している間に。


ここ最近特に出番がなくて。


うずうずしていたらしいヴェノンを中心に。

少しばかり敵性の赤色円の群れを減らしてもらおうと考えていて……。




    (第143話につづく)








次回は、12月22日更新予定です。

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