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エンドロールには早すぎる~一万回挑める迷宮に棲まう主(まおう)は、マンネリ防止、味変したいと人様のダンジョンに突貫す~  作者: 大野はやと
メイン:エンドロール前

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第141話、ダンジョンマスター、乗っ取ってキラキラに染められしダンジョンを行く




 そんなわけでして俺のためにもノ・ノアさんのためにも。

俺がヴェノンに連行されている間の出来事は、音声のみでお伝え致します。


 

「やっぱり女の子が出てきた……って、チューさん服! 今のうちに早く!」

「これはまた見事に何もかも奪い去ったもんじゃの。こんなこともあろうかと、なんて言うが、実際にあったからのう。いくつも用意しておるよ」

「こ、この方はもしや、卒業後行方知れずになっていたという執行部の……って、生命力、精神力ともに危険域に達していマスよ!」

「そっか、ずっと動けなかったんだから、体力とか色々消耗しきっちゃってもおかしくないよね」

「これ以上ないギリギリのタイミングね。フェアリ、回復魔法を見せてちょうだい。それで多分わたしも手伝えるから」

「スーイ、回復魔法まで使えるの? さすがだね。それじゃあ早速、簡略なしで……【ウルガ・リカバー】」

 

 

俺がその場を離れてすぐ、ある意味ラマヤンさんから解放されたノ・ノアさんを早速とばかりに介抱する頼もしきみんな。

 視界が塞がれているからこそ、はっきりとわかるそんなノ・ノアさんの回復状況と並行して俺の意識に入り込んでくる外部の状況。


フェアリだけでなくスーイ、いざとなったらエルヴァもいることであるし。

ノ・ノアさんはこのままみんなに任せておけば大丈夫そう……そのうちにきっと目を覚ますことだろう。


もしかしたら、生まれたままの姿云々よりも。

今の今までの痛みや恐怖、不安がフラッシュバックするその瞬間を目の当たりにされる方がきついかもしれない。


俺が気絶しちゃうからはけるというのは表向きの理由で。

なんとはなしに、そんな意味合いもあったわけで。




前回の挑戦したダンジョンのコアなダリアや、無自覚と言うよりも既に開き直っている気がしなくもないユウキのこともあって。

俺はノ・ノアさんが落ち着くまでに、外の様子……この元ラマヤンさんのダンジョンのホーム、

コアルームから晴れて第三ホームとなっていることまでを確認しつつ。

その外部というか、上層階のマップに表示される、赤を中心とした色どりっぷりが気になったこともあって。

そのまま一階層、ダンジョンの入口を目指すことにする。



その際、ノ・ノアさんを看てくれている班と、上層が少し騒がしい感じだから様子を見に行く班に分かれることとなったわけだが。

俺の視界を塞いでくれているヴェノンとふところマスコットなままだったアオイはもちろん、こちら側で。



「お外、さんぽ! 強いのいるかなあ」

「今度こそふところマスコットとして活躍するぞー!」

「ならば私めもお供いたします」

「わたしも。たまにはあるじのほうについてく」


そんな二人に加えて、みんながみんなその場にいても持て余すだけだからとディーとピプルがついてきてくれて。

大樹のごときダンジョンコアギミックがあったちょうど反対側、上層へ向かえるだろう階段があったので。


今回はそんなパーティー編成で奇しくも新たなダンジョン、極ダンジョンの七番目。

『虚栄のフィルマウンテン』へと足を踏み入れることとなって……。




                 ※




 最下層のひとつ上、コアルーム、ホームを数に入れなければ『虚栄のフィルマウンテン』の最終地点だったであろうフロアは。

四分の一フロアがそのまま四つある、単純明快なつくりの階層だった。




「む? あるじのちから……ばんのうやくのきらきら、生きてる?」

「ふむ。未だそこかしこに煌めいていますね。見たところ何もなさそうですが……」

「ごしゅじんのつかったエルねぇのカード、お薬? モンスターも罠もキラキラで吹き飛ばしちゃったのかな」


恐らくは、この階層も元は悍ましいさと嫌悪感で満たされているような悪辣なデコレーション、カスタマイズがなされていたのかもしれない。


しかし、『ブレスネス(祝福息吹)』×2が付与されていた『ヴァルーノ(万能得)』によって。

大方の予想をだいぶ超えつつ、俺好みのダンジョンらしいダンジョンに作り替えられてしまっているのだろう。


どこまでみんなが言うところのキラキラが広まっていくのかは実際に見に行ってみないと分からないが。

これは急ぎに急いでも追いつけないかもしれない。


それでも自重して留まってくれている可能性を考えるのならば。

そのために外出したといってもいい、ダンジョンの入口、一階層周りを染め尽くしている赤丸の夥しい群れ、その手前だろうか。


などと言いつつも、別に何かを指示したりしているわけでもないので。

このまま問答無用でキラキラがダンジョン外まで侵食していって。

マップで言うならお味方を示す白色系統にひっくり返ってしまうのではないか、なんて思っていると。



ついさっき耳にしたような気がしなくもない、ステータスウィンドウに流れるログメッセージ。

いわば『ブレスネス』により荒ぶったままの。

『ディセメ(識別解析)』による言葉が流れ聞こえてきて……。



  (第142話につづく) 








次回は、12月14日更新予定です。

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