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エンドロールには早すぎる~一万回挑める迷宮に棲まう主(まおう)は、マンネリ防止、味変したいと人様のダンジョンに突貫す~  作者: 大野はやと
メイン:エンドロール前

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第129話、魔王、人魚種のスタンダード装備に目を逸らしつつ思いを馳せる




 『ウルガシア』の港町にある、恐らくは海中メインのダンジョン。

『ウルガシア』の探索者ギルドでは、ダンジョン攻略とそのコアの破壊、ダンジョン内のモンスター殲滅といったものを、高難易度依頼として最低でもBクラス以上の探索者推奨としているようだったが。


よりにもよって、その依頼を受けられるレベルにある探索者たちに限ってギルドに帰還していないということで。

現状迂闊には手を出せない、宙に浮いた依頼となってしまっているようで。





「それじゃあどうする? この依頼受けるのか? Bクラス以上なのはいいとして、報酬は依頼達成後要相談、ダンジョン道中での安全は保証いたしかねます、って随分と適当に見えちゃうけど」

「海の中のダンジョンなら、仲間のみんな、いるかも~」

「ダンジョンもぐる? それならふところ入っちゃうよー」



そのような情報を得つつやってきました、『ウルガシア』の探索者ギルド。

手始めの様子見ということで、ユウキとシラユキ、アオイの三人とやってきたわけだが。

(ちなみに他のみんなは、ホームと言う名の『モンスター(魔物魔精霊)』バッグ内にて待機してもらっている)



「うーん、当然ダンジョンには潜るんだけども、ダンジョンを、コアを滅するのが目的じゃないからなぁ。下手にその依頼を受けて達成できたとしても、その報告できませんでしたじゃあれだしな。いい感じで期限のない、ダンジョン周り、もしくは低階層でできそうな採取依頼などを受けようか。……ふところマスコットの件は、実際に潜ってみてからかな、うん」



チューさんがここに来てよそ様のダンジョン攻略に乗り気、やる気を出してきて。

今までのようにふところマスコットではなく、肩口や頭の上に陣取る、あるいは自らの足で歩くということを決めたので、確かにふところは空いてはいるのだけど。

当然、人型ではなくスライムの姿でですよね、などと当たり前のことを一応念押ししつつ。


改めて掲示板の一番高い所に貼ってあったダンジョン攻略、コア破壊の依頼から目を離し。

ダンジョン低層、その入口となる洞窟周りで出来そうな依頼を手分けして探すことにする。




「あったよー。ダンジョン入口近くにすんでるかいがらスライムの、かいがらもってちゃうやつ!」

「ええと、おんなじスライム族として、それは大丈夫なの?」

「ううん。あんまり!」

「うん。そんな気はしていたから、洞窟内に生えてる薬草とか海藻の採取の常時依頼を持ってきたよ」

「わたしは~、洞窟の周りの海の生き物の狩りと、時々出てくるモンスターを倒すやつだよ~。海の中に入らなきゃだから、陸の人たちからすれば、難易度高そうだけど~」

「どれどれ。……うん。みんな特に期限のない常時依頼だな。せっかくだし三つとも持っていこうじゃないか」

「やった~、お魚食べられる~」

「ジエンがいいならいいけど、アオイさんは本当にその依頼でいいの?」

「う、うーんと。よく考えたらお友達のお洋服脱がしちゃうのはなー」

「いや、うん。やっぱりそれはまずい。というか、素材となりうる貝殻等の収集だろう? 誰も着て……いや、装備されてない物を集めるとしようじゃないか」

「うん! その方がいいよね! フェアリちゃんにも言われてたもん。マスターがこれ以上お友達を増やさないように見ていておいて欲しいって!」

「貝殻の装備か~。マスターも好きだよね~。でもでも、これから海の中へ行くのなら貝殻装備はいいかも~。一応私自身のは持っているから、とりあえずアオイちゃんとユウキちゃんの分、探さないとね~」

「ええっ!? かっ、貝殻装備!? わわ、おオレは遠慮するっていうか、だ、ダメだからな、ジエン!」

「確かに『レッキーノシェルダ』の貝殻を素材とした水着は水中にてトップクラスの性能を持つが……いやや、うん。水中装備なら他にもちゃんと用意してあるから!」


貝殻を背負っているスライムさんたちごとテイム、ゲットしようとしていたのはあっさりバレテーラ、だったらしい。

そのせいなのか、巻貝タイプの貝殻をイメージして話していたのに、いつの間にやらホタテのような二枚貝の話題となってしまっている件。


確かに、シラユキが上着装備、毛皮のインナーとして人魚種のスタンダードを外さずにホタテ的な貝殻装備を身につけているのは、何だかんだで知ってはいて。

みんなのそんな水中用装備を見たくないといえば嘘になるんだろう。



ユウキもこちら側……観測側でなく装備する側としてそのような訴えをしてくることに、ツッコむべきなのか流すべきなのか。

どうにも迷ってしまって答えは出ず。

とりあえずはそんな転ばぬ先の杖めいた発言をして、なんとかユウキを宥めつつ。

これといって期限のない、先に上げた常時依頼の三つを受けることにして。

そのままさっさと件のダンジョン入り口があるという、洞窟へと向かうことにするのだった……。



    (第130話につづく)








次回は、9月22日更新予定です。

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