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エンドロールには早すぎる~一万回挑める迷宮に棲まう主(まおう)は、マンネリ防止、味変したいと人様のダンジョンに突貫す~  作者: 大野はやと
メイン:エンドロール前

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第124話、ダンジョンマスター、新しきダンジョンの準備を粛々と行う




そんなわけで、どうしたって俺が悪いのは確かなのだけど。

へそを曲げてしまったチューさんの機嫌が落ち着いてきて治るのを、ただただ待つのも非効率な気がして。

みんなにそんなチューさんを宥めてもらっている間に、次なるダンジョンへ向かうための諸々の準備を済ませてしまうこととなって。



「まずは、『アリオアリ』ダンジョン再開の知らせと、そのマスターの代役決めかな」

「代役デスか? しかし、ワタシもここを離れるのデスよね? ああ、だからデスか。ダンジョンに残っているモンスター立ちをまとめる人が必要、というわけデスね」

「まあ、よく考えたら運営側に気を使うこともない気はするんだけど、ダンジョンを放置して運営側からアクマ某たちが飛んできても二度手間っていうか、普通にここで暮らす人たちからしたらたまったものじゃないだろうしなぁ。形だけでも、ダンジョン運営してますよーと、見せていくのは大事だと思うんだよね」

「……なるほど。了解いたしマシタ、master。実は代理の勇者候補として目をつけていた方がいるのデス。そういう事デシたら、これからお願いに行ってきマスね」

「それならば不肖ディー、お供します」

「アリガトウ、ディーさん。お願いしマス」



ウマが合うのか、すぐさまディーと仲良くなっていたダリアは。

そう言って今回あったこと、その顛末、話せる範囲で説明してもらいに行っているフェアリとエルヴァのいるであろう冒険者ギルドに向かっていく。




「後は、そうだ。第二ホームの後始末、か」


あまり今まで語ることはなかったけれど。

ダンジョンマスターとしてのエディット……基本の能力により、ホームを『プレサーブ(収納保存)』ならびにアイテムストレージに別枠扱いでしまっちゃえるとのことなので。

一旦回収し、次の現場近くに据えるつもりでいたのだ。



「第二ホームを回収したのはいいけど、その後どうなった? まだ『ブレスネス(祝福息吹)』の効果は残ってるんだっけ」

「うん! 元々あった泉は温泉のままで、入ったら元気が出るの!」

「ホームがなくなった所は大きな……ええと、四分の一のフロア、広場になってるみたい。元々そこで暮らしていた魔物魔精霊さんたちは、快適になって良かったって言ってたよー」


思えば、マイダンジョンに潜って最初に出現する魔物の二大巨頭として人気の高い、それこそマスコット的なヴェノンとアオイであるからして、ますます仲を深めたようだ。


その姿は正しくきょうだいのようで。

フェアリが見たら嫉妬するのか、まとめて妹として可愛がるのか興味は付きませんな、なんて思いつつも。


どうやら第二ホーム跡地は、野良……失礼。

コアのいない、天然のダンジョンと化しているのだと理解する。

そちらの方も、ダリアが頼み込んでくれるであろう新たな代役の方に管理を頼まなくてはいけないと考えつつも、そこまできて、俺はようやっと本題へと入ることにした。


そう、次なるダンジョンへと向かう方法。

そのヒントとなるであろう、スーイが獲得していた、グレーターデーモンのボーブさんが残した闇色の鍵。



「はてさて、俺の力がまたしても荒ぶってしまった結果、残されたのはその鍵だけだということだけど」

「んー、あれはチュートが下手に攻撃をしかけたせいなんだけどね。まあ、チュートもふところに抱えられているばかりじゃつまんない、マスターの役に立ちたいって思ったゆえのことだし、怒らないであげてね」

「忘れていた。きっとチューさん本人もチューさんが【ピアドリーム】のかなりつよつよな魔物、魔精霊であることを」

「いやいや、面倒を押し付けて怒らせたのは俺の方だから。後でもう一度ちゃんと謝り倒しにいかないと」


ふところマスコット、などと言って【ピアドリーム】の属性に愛されし神型に迫る勢いであることを失念していたのはむしろこちらである。


今後チューさんが前線に出たいと言うのならば、もちろん準備万端にしっかりするけど、チューさんの思う通りにしてもらうつもりでいて。


今現在はへそを曲げられてしまっているから。

まずは俺より先にユウキとシラユキにフォローをお願いしている段階である。



「あ、そうだ。それで思い出したわけじゃないけど、この鍵の使いどころとか、次のダンジョンのあてはあるのかしら?」

「いやぁ、正直に言うと問題はそこなんだよね。グレーターデーモンのボーブさんがそのまま退却したっていうのなら追いかける術もあったんだけど」

「チューさんのやらかしは元はと言えばあるじのせい。というか、新しいダンジョンに向かいたいのは誰よりあるじなんだから、あてを見つけるべき」

「仰る通りです。とりあえずチューさんのご機嫌を伺いつつ謝り倒すとして、この先の展望をなんとか絞り出すとするなら、俺としては……うーん、二つかな」


何やらピプルもここに来て新メンバーが加わったことに納得いっていないというか、拗ねているらしい。

新しきダンジョンへ向かうためとはいえ、しっかりといいわけ……説明していなかったのは確かであるので。


そんなピプルも宥めつつ。

そんな俺に何か要望があると言うのならば、粛々とそれに従うのみで……。


 

     (第125話につづく)








次回は、8月18日更新予定です。


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