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9、酒処アガト




「明日からダンジョンに行くからお金はすぐに払いますね。」


「おう!でも、あんまり無理するなよ。死んだら元も子も無いんだからな。」


「はい。ちゃんとリスクマネージメントは取るので大丈夫です。」


「リスクなんちゃらは分からんが気を付けろよ!装備に不具合が出たらすぐに持ってくるように!」


「はい!」


俺は挨拶をしてガンテツ武具店を出た。

夜も更けてきたから夕食を食べに行くためにレストランを探した。


歩いていると肉の焼ける良い匂いが漂ってくる。

匂いの元を辿り着くと多くの冒険者や住人や色んな人がワイワイと賑わっていた。


[酒処アガト]


俺はのれんをくぐってお店の中に入った。


「いらっしゃいませ~!お一人様ですね?

こちらにどうぞ!!」


元気の良い店員さんに促されてカウンターに座る。

そしておしぼりを受け取り、

「どうしましょう?」


「とりあえず、シードルとお勧めの料理を2、3品お願いします。」


「かしこまりました。少々お待ちください。」


俺は料理を待つ間、メニューを見たり店内をちらっと見ていると、隣の冒険者風の中年の男が話しかけてきた。


「ここは、初めてかい?」


「はい。今日この街に辿り着いて冒険者登録してきたんですよ。」


「ここの街はいいぞぉ。食べ物は旨いし、物も豊富だ。それにダンジョンも付近に2つあるしな。」


「ダンジョンが二つもあるんですか?」


「おう!

魚系のモンスターが居るフイッシュのダンジョンと、

肉系のモンスターが居るバーグのダンジョンだ。

ここの街を作った初代の長が二つのダンジョンに挟まれている事からフィッシュバーグって名付けたって話だ。」


「へぇ~!そうなんですね!勉強になります。ありがとうございます!」


「止せやい!同じ冒険者の仲間だろ?

俺の名前はハイター。長年冒険者やってるけど、Dランクだ。俺には才能がないのかね...。引退も考えてしまう時もあるよ....。」


「ハイターさん!そんな事は言わないでくださいよ。俺の名前はクロム。Dランク冒険者です。」


「その若さですでにDランク...。

自信無くなるわ...。」


この空気に耐えられない...。

とその時店員さんが来てシードルとお通しを持ってきた。


「ハイターさん。飲みましょ!!ここであったのも何かの縁ですし!!俺奢りますよ!店員さーん!こちらの方のドリンクを一杯僕に付けといてください!!」


「何か、気を使わせて悪いな...。」


「いえいえ、俺はここに来たばかりだし、もっとお話を聞かせて頂ければ幸いです。」


「難しい言葉使いをするな。クロム...お前さんは貴族か?」


「元...ですね。実はお恥ずかしい話、先日家を追い出されてしまって...アハハ。」


「クロムも辛い想いをしてきたんだな...。」


「いやいや。全然ですよ!!

むしろ追い出されて良かったです!!

俺は冒険者になって世界中を回るのが夢だったんですよ!

その第一歩にフィッシュバーグに来たって感じなんですよね!」


「夢の為にか...。ふふふ。

良いな。俺もあったよ。世界は面白いぞ!

俺が回ったのは数国だけだが。」


「そうなんですね。俺もこれからが楽しみです。」


そして、お勧めの料理が3品運ばれてきた。


・ガーリックリーフの味噌漬け

・アジンの南蛮漬け

・トンオークの角煮


完全に飲む為のおつまみだなと思うが量が多い。ここの冒険者たちは大飯喰らいが多いのだろう...。

このお店の中で女性を含めても俺が一番細い気がする。


「ハイターさん。量が多いので一緒に食べましょ!」


「良いのか?」


「はい!俺だけじゃ食べきれませんので...」


こうして俺達は料理を食べ始める。


まずは、アジンの南蛮漬けから...


一口パクリ....


う、旨い!

カリッと揚げられたアジンの切り身の食感。

中はフワフワ。

そしてジューシーなアジンの油をサッパリさせる甘酢とのハーモニーが口の中に広がる。


次に、トンオークの角煮に箸が進む。


箸で角煮が切れるほど柔らかい。

俺は一口大の角煮を口に含んだ。


な、なんだコレは...。


衝撃が走る。


口に含んだ角煮は甘じょっぱい味付けなのだが、トロトロの食感に舌が喜んでいるのが分かる。

シンプルに旨い...。


そして、ガーリックリーフの味噌漬けがピリッと舌を刺激して、シードルが進む。


「ここの料理は美味しいだろう。

ここの料理長は伝説の料理人の弟子だったらしいんだ。」


「本当ですか!?こんなに美味しいの今まで食べたことないですよ!」


「そうだろう。俺もここの料理を楽しみにダンジョン潜っているんだ。」


「そうなんですね。」


俺はハイターと意気投合し、料理談義に話が沸いた。

そして、俺のステータスにもレシピがしっかり追加されてた。


「ハイターさんまた合ったら宜しくお願いします。」


「おう!クロムも頑張れよ!!」


俺はお金を払いお店を出た。

良いお店を発見できた。

ここは通おう!

スキルの追加って目的もあるのだが単純に料理が美味しいからだ。

ここの美味しい料理を作っている料理長に是非会ってみたい。

そう思いながら俺は宿に帰った。

セバスはまだ帰ってなかったので、俺はシャワーを浴びてベッドに潜りこんだ。

疲れがあったのかすぐに眠りについてしまった。




読んで頂きましてありがとうございます。


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