8、レシピの追加と武具屋ガンテツ
俺は一人になってフィッシュバーグの街を歩き出した。
お祭り騒ぎのような活気ある街並みに露店。
お腹すいたな...。
おっ!あんな所に串焼き屋が、
めちゃめちゃいい匂いがする。
「兄ちゃん!食べるかい!?美味しいぞ!!」
「じゃぁ2本ください!!」
「はいよ!2本で銅貨5枚ね!」
大将に銅貨5枚を払い串を2本受け取ってた。
「熱いうちに食べるのが粋だぜ!!」
「はい!じゃぁ、頂きます!!」
一口パクリ。熱っ。ハフハフ~。
モグモグ。ジュワァァ~。
「う、うんま!!大将これ何の肉ですか?めちゃめちゃ旨いんですけど!!」
「おっ!気に入ってくれたか?」
「はい!!とっても!!こんなに旨いの食べた事ないです!」
「兄ちゃん!!嬉しいこと行ってくれるね!!
この肉はレッドウルフの肉なんだぜ!料理の仕方でこんなに旨くなるんだぜ!!」
「へぇ!勉強になります!俺も今度作ってみようと思います。本当に美味しいのありがとうございます!」
「おう!兄ちゃん!頑張れよ!」
俺はレッドウルフ串を食べ終わって歩き出した。
すると、
レシピが追加されました。
レシピ?何だそれは?
ステータスを開くと料理術の所にレシピがあった。
・レッドウルフの串焼き
レッドウルフの肉をした処理をして秘伝のタレに30分以上浸けて串に刺して炭火で焼く。
自作の場合、食べただけでランダムで能力が上がる。
秘伝のタレ
・醤油、お酒、ガーリックリーフ、ジンジャーリーフを沸騰するまで煮込んで煮込んだものを冷やすと完成。
自作の場合、食べただけでランダムで能力が上がる。
おぉ~!食べたものがレシピになるんだ!!
これはいいぞ!!
面白い!しかも自作だと能力が上がるなんて何て良いんだ。
これは料理術?それとも「一ツ星」?
どっちにしてもこの能力はプラスになるな。
いっぱい料理覚えて、シロとノエルに食べさせたいな...
2人の喜ぶ顔を想像するとニヤニヤしちゃうな。
よし!頑張ろう!
小腹を満たした俺は次に武具屋を探した。
さっき大将に聞いてくれば良かったな...。
俺は散歩がてらフラフラ歩いていると、
トンカンと鉄を打つ音が聞こえてきた。
音のする方へ歩いていると大きな鍛冶屋が見えてきた。
看板には、クソッタレ冒険者に丈夫な武具を[ガンテツ武具店]と書かれている。
怖そうだな...。
クソッタレって...
冒険者に恨みでもあんのか...?
俺はお店に入るかどうかを店の前でうろうろしていると、ドガッと店の扉が開いた。
「オイ!!入るか入らないかはっきりしろや!!」
「ハイ!!すいません!入ります!!」
その声にビビって頭を下げてつい入ると言ってしまった。
ん!?
でも声に違和感があった。
それは、声の主が女性だったからだ。
俺は恐る恐る顔を上げてみると筋肉質だが出るとこは出てて綺麗な顔立ちしている女性の方だった。
「なんだお前...貴族か?」
俺の身なりを見るなり綺麗な女性は不機嫌になる...
「つい先日までは...貴族でした...
恥ずかしい話、家族から追放されてしまって...」
「アハハハハァッ~!!そうかそうか!!追放されたのか!!」
追放された事を知った女性は大爆笑で笑い転げている。
そんなに笑わなくても...。
この店は失敗だったかも...
俺が面白くない顔をしていると、
「いやぁ~笑った!悪い悪い。そうか!?
それでなんだ?
ここに来るってことは、冒険者になるつもりか?」
「さっき冒険者登録をしてきたんですけど...。」
「そうか!新人冒険者ならここら辺の武具が良いだろう。」
「あの...俺Dランク冒険者なんですよ。」
「はぁ~?今日登録してDランクなんて無いだろう!!嘘も大概にしとけよ!」
さっきから何なんだこの人は....。
人の事を馬鹿にしたり、嘘つき扱いしたり...。
さすがの俺もイライラしてくる。
このまま嘘つき扱いはムカつくから俺は冒険者カードを女性に見せた。
「ん?冒険者カードか....。ま、まじか!?」
「俺は嘘つきじゃありませんから。それに何かさっきから馬鹿にされてる見たいで非常に気分が悪い...帰らせてもらうわ。」
「ちょっ、待っ...。」
女性が慌てて引き止めようとすると、奥の方から大きな怒鳴り声が聞こえてきた。
「バカ野郎!お前は店番の一つも出来ないのか!?」
現れたのは2メートルはありそうな筋肉ムキムキのスキンヘッドに髭を生やした大男だった。
「お、親父...。」
「親方と呼べって何回言ったら分かるんだ!
お客さんすまねえ!!うちの娘が不出来で...。」
スキンヘッドの大男に頭を下げられて、
俺は少しキョドってしまった。
「俺の名前はガンテツ。このバカ娘はライア。本当にすまない。もし良ければうちの店で買い物していって欲しい...。」
「あっ...。はい。」
ガンテツさんは丁寧に謝ってくれたのでライアの先の失礼な言動は水に流そう...。
これで、そのまま帰ったら俺が悪者っぽいし...。
「ほら!お前もちゃんと謝れ!!」
「うっ。す、すまない。」
ちゃんと謝ってくれたのでよしとしよう。
「もう良いですよ...。」
「そういえばお前の名前を聞いてなかったな...?教えてくれるか?」
「俺はDランク冒険者のクロムです。」
「若いのにもうDランクか....これは将来有望株だな!クロム!良い装備にしないとな!!何か希望はあるか!?」
「希望ですか....。片手剣と動きやすい防具ですかね...。
盾は要らないです。動きにくくなっちゃうので...。」
「剣に動きやすい防具か...。予算はどれくらいある...?」
「予算は今は金貨14枚しかないんですけど...買えますか?」
「Dランクで金貨14枚は厳しいな...。これも何かの縁ってことでローンでも良いぜ!冒険者カードがあるからな。」
ローンかぁ...。
ニコニコ現金が良いんだけどな...。
「装備はキチンと良いもんしといた方が良いぞ!命を預かる物だからな。」
「そうですね...。命には変えられないですもんね。分かりました。片手剣を見せてもらっても良いですか?」
「おう!好きなだけ見て良いぞ!!」
俺は店内で片手剣を置いてある場所を見た。
いっぱいの剣があって悩む...。
その中に一際気になる剣を見つけた。
ショートソードなのだが片方にしか刃がついておらず、何故か鑑定が出来た。
・出刃斬りソード
攻撃力100
モンスターの解体しやすくなっている。急所へのクリティカルが5倍にもなる。
料理術を持っている冒険者専用武器。
これは...俺専用武器だ。
出刃斬りソード良いな。
「それが良いのか?それは料理術ってスキル無いと使えないぞ。」
「はい。俺そのスキル持っているんで大丈夫です。これはいくらですか?」
「中々変わったスキル持っているんだな。
それは扱うヤツが少なくてずっと眠っていたから金貨10枚で良いぞ。
クロムが剣を選んでる間、防具を見繕っておいたぞ。ほらよ。」
俺はガンテツさんから防具を受け取った。
「これは....」
「これはね!私が作った防具なの!!」
俺はジト目でライアを見る。
「何よ...。その目は...。さては信用してないわね。言っとくけど私の防具はフィッシュバーグでも評価が良くて有名なんだからね!」
「へぇ~...。」
「信用してよ!!親父からも言ってあげて!」
「親方と呼べって何回言ったら分かるんだ!!ったく...。
クロムよ。こいつ腕は本当に良いんだよ。
防具だけは俺と遜色はない。
信用してくれないか?」
「ガンテツさんがここまで言うな...。」
「もう失礼ね!ちょっと着てみなさいよ!
サイズの微調整するから。」
ライアはプリプリした顔で言う。
俺はフィッティングルームに入り防具を着けた。
ほぼサイズはピッタシだった。
それをライアに見て貰うと本当に微妙な調整をしてくれた。
調整をされた防具は肌にピッタリフィットしている感覚で全然違和感がない。
ライアの実力は本物だ。
「オォ!本当にすごい!」
「でしょ!?私もスゴいんだから!!」
自信満々に言ってくるが本当にスゴいと思った。
「この防具は軽いけど何でできてるんだ?」
「これはレッサードラゴンの鱗で作った鎧とブーツだね。
防御力はもちろん。軽くてアタッカーの冒険者にはもってこいの素材で作ったんだ。
そして、インナーとボトムスはデススパイダーの糸で作って、この糸は伸縮自在で魔法耐性も高いんだ。」
「そんなに良いものなんだ...。
ちょっと待って....めちゃめちゃ高いんじゃ...。」
「防具一式で金貨40枚だね。
武器と合わせると金貨50枚!
Dランク冒険者ならダンジョンに潜れば1週間もあれば稼げるわよ!頑張って稼いできなさい!」
俺は前金として金貨10枚払って後はローンを組んだ。
金策をする為に明日は早速ダンジョンに潜らなきゃな...。
軽くなった財布の中身を見て決意を固めた。
更新速度が遅くてすいません( ノД`)…
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