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3、旅立ち



ノエルを家まで送って俺たちはフリージア家に向かった。


「シロうまく演技してくれよ!お前の演技で俺の生き死にが掛かってるんだから。」


「兄さん。脅さないでくれよ。僕は緊張で戻してしまいそうなんだから...」


「シロなら大丈夫だ!なんたって俺の弟だからな!俺を精一杯罵ってくれ!」


「自信ないなぁ...」


「シロム様、私が代わりに罵りましょうか?」


「セツナ...気持ちだけ受け取っておくよ!」


「セツナは本当にシロムが好き...」


ガン!!


「痛っ!」


セツナのヤツすねを蹴りやがった...

もっとも痛い、弁慶の中の弁慶を...



「クロム様は本当にデリカシーがありませんね!ノエル様も何でこんなのを好きになったんだか...」


「セツナはまだまだ分かってないな...

俺の大人の魅力に...」


「兄さん。セツナも僕たちと同い年だよ...」


「そうだっけ?こんなペチャパイだから... 」


ガツン!


「いてぇぇよ!!すねを蹴るな!すねを!!」


「クロム様がいけないのです!!

デリカシーの無いことばかり言うから!」


「俺は事実をだな...」


「兄さん...」


シロにジト目で見られたら俺もさすがに反省をしなければならないな...


「ホッホッホッ。クロム様、シロム様。セツナと仲良くしていただいてありがとうございます。

ここまで、セツナが明るくなったのはお二人のお陰です。」


「やめてよ!お父様!恥ずかしいから...」


「いいんですよ。僕はいつもセツナに助けてもらってますし、ね?兄さん!」


「お、おう。」


「セツナ。これからも宜しくね。」


「はい。シロム様にずっと付いていきます。」


おぉ...さりげなく逆プロポーズじゃないか?

セツナのヤツグイグイ行くな。


「そういえばセツナの職業はなんだったんだ?」


「アサシンメイドです。」


「何それ?」


「そのままですよ。暗殺者の職とメイドの職をプラスされた上級職です。」


「セツナ。スゴいじゃないか?」


「テヘヘ...でもシロム様の賢者は英雄職ですよ!シロム様に比べたら私なんか...」


おい....

俺が「一ツ星」とか意味わからん職をもらったのに職自慢は止めてくれ...

本当に俺は何の職なんだか...?


「セバス...俺の職業なんだけど、じいちゃんに似てるんだろう?詳しく教えてくれないか?」


「すいません、クロム様。私はあいつの職の名前はわかるんですけど、どういう職なのかは全然...。」


「そうか...。じいちゃんの職は何だったんだ?」


「あいつの職は確か「一番星」だったと思います。本人に聞けば何か分かると思うんですけど、今どこに居るのか全然分からず....」


「じゃぁ俺たちの旅はギルドに登録して依頼をこなしながらじいちゃんを探すか。」



そんなことを言いながら俺たちはフリージア家に着いた。


「シロム頼むぞ!」


「う、うん。わかったよ!」


俺たちが玄関を開けると,

父モーガンと母マリンが待ち構えていた。


「おぉ~!今帰ったか!シロムよ!

待ちわびていたぞ!」


「本当よ。流石私たちの子ね!「賢者」なんて素晴らしい職を授けてもらって鼻が高いわ!

シロムの為に今日は豪勢なディナーを作ってもらったの! 」


早速始まったか...

着くなり早々にこうなるとは分かりやす過ぎるだろ...

モーガンとマリンは俺を無視して、シロムを食卓に連れて行こうとした。


「旦那様、クロム様は?」


「クロム?誰だそれは?私達の子供はシロム1人だったが...最初からな!」


なんとも馬鹿げた話ではあるが、貴族とはこう言うものである。


「それはあまりにも...」


「セバス...私の言うことが分からないか?

私たちの子供は最初から1人だった。

わかるよな?」


「失礼いたしました。」


セバスは一礼をして奥に下がっていった。


「おい。お前さっさと荷物をまとめて出ていけ!

この領土に戻ってくることと、フリージアの名を語ることは許さん!」


「今まで、お世話になりました。」


俺は荷物をまとめに自分の部屋に行った。


コンコン。


「開いてるぞ!」


「僕が演技するまでもなかったね...。」


「シロ何いってるんだ。俺が居なくなった時が大変なんだぞ...。」


「え?」


「領民達には俺から言っておくが、シロにも被害が行くかもしれない...。

英雄学校行くまでの辛抱だ。

セツナ居るんだろ?」


「はい。」

影からセツナが出てきた。


「しっかりシロを守って上げてくれよ。」


「はい。クロム様もお達者で...」


「シロ...こっちおいで...。」


近づいてきたシロムを俺はぎゅっと抱き締めた。


「兄さん...兄さん.....」


「シロ...泣くなよ...3年の辛抱なんだからさ。」


「だって...」


「泣くのは今日で終わりな!俺の弟ならどんなときも強くあれ!!どうだ?いい名言だろ?」


「あはは...。兄さんらしいや....。兄さんちゃんと迎えに来てね!」


「あぁ!任せろ!シロ、そろそろ戻れ。怪しまれるぞ!」


「うん!兄さんお元気で!」


「あぁ!シロもな!」


シロが部屋から出ていった。

見送りなんてされたら後ろ髪ひかれてしまいそうだからこれでいい...


荷物はこんなものか...

よし!行くか...


俺はフリージア家の門を開けて暗い夜道を一歩踏み出した。

これが冒険の第一歩だ。


歩いていると、あれ?

なんか忘れてる気がする...

まぁいいか!



「おぉーい!クロム様!待ってください!」


後ろを振り返るとセバスが走ってきた。


「ハァハァ。置いていくなんてヒドイですよ。」


「ゴメンゴメン。セバスの事だから先に行って待ってるかなと...」


「嘘つきなさい!スッカリ忘れてた癖に...」


「すいません。」


「でも間に合って良かったです。行きましょう。私も久しぶりの旅で胸が高鳴ります。」


「あぁ!」


空を見上げると満天の星空の中、まるで星達が俺達の旅路を祝福してくれるように輝いていた。







更新速度が遅くてすいません。m(_ _)m


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