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その者、女神転生(よくあるやつ)

前から考えていた物を書いてみた。

ないです(語学力もボキャブラリーも)

矛盾が発生してもおかしくはありません。

寛容な方じゃないと見ない方がいいかと。

それではどうぞ


…ここは何処だろうか。

目が覚めて最初に目に入ったのは、ただただ白い空間。

見渡そうにも白しか映らず振り向いているのかすら分からなかった。

ふと、自分の状態を確認するべく己の体があるだろう下方に視線を向けた。

向けたはずだったが()()()()()()

その者は焦り、困惑した。それもそうだ、あると思っていた体が無かったのだから。


「気がついたようですね。穂村元基(ほむらもとき)さん。」


驚いた彼は声のする方へと視線を向けた。

そこには金糸のような髪の美しい女性が浮き立っていた。


(えっと…?)

「私は女神メリュス、先ずは貴方の現状から説明しましょう。」

(はぁ…?お願いします。)

「私と貴方のいるこの空間は決まった名は有りませんが、天国やあの世とも言われる場所です。」

(ん?なんて?つまりは…死んだと?)

「えぇ、穂村元基さん貴方は死にました。老衰です。」


その者は死んだと言われたのにとても落ち着いていた。

何故ならその者には何も後悔といった感情が無かったからだ。


私は平凡に暮らしていた。生活に不満は無かった。

しかし私は満足していなかった。

私は生まれる時代を間違えている。常々そう感じていた。性格破綻者、社会不適合者とも言われるだろう。

私は人を殺すという事に忌避感がない。勘違いしないで貰いたいのだが、殺したいと思う訳でも殺すのが好きという訳でも無い。

必要に駆られれば躊躇わず殺す、そういう事だ。

簡単に説明するならば世界大戦等の戦争や戦国時代を思い浮かべて貰いたい。その様な事態が発生したとしよう、平和主義の現代人からしたら御免被る話だろう。

だが、私は喜んで戦へと!戦場へと向かおう!

例え無駄死にだろうとも、何も成す事無く朽ちようとも!私は一向に構わない。

人は必ず死ぬ、生まれた瞬間(とき)からそれは決定付けられているからだ。

特にこの地獄の様な世界では尚強く思う。


人の命を軽く思っている訳では無い。だが、重い訳でもない。

死して初めて命に重みが加わる。

どれだけ愛してくれる者がいたか。

死を嘆く者がどれだけいるか。

それらが命の重みとなる。

良く命に価値を求める者がいるが、それは間違いである。

皆平等だ、生まれ死ぬ。故に無価値。


昨今の人は上辺だけの平和を傍受し過ぎたせいか、命と言うものを理解していない。

有名人の不倫、日常が題材の番組に出た人の言動等。例を挙げれば切りがないが、それらに対して人は顔がバレないからと、SNS等で誹謗中傷。

彼等にとって命とはそこいらの石ころの様に軽いか、たった一言で人を殺せると理解していないのだろう。

ちなみに私は「離婚したり不倫する位なら結婚するな、神に誓ったんだろう。どんな時でも愛すると誓ったのではないのか?不倫されても愛するのだろう?」とか、「どんな言動だろうとそれが題材だろう、非があるならば番組を企画作成した側だろう。何にせよ視聴者が口を出すなど言語道断、気に入らんなら見なければいい。」とか思っている。これは私の意思だ、否定なぞさせん。

人は一度、命がけの戦場に出た方が良いのではないか?もちろん老若男女関係なくだ、差別はよくないのだろう?

……冗談だ。


話が逸れてしまったが、私が如何に現代社会で生きづらいのかを分かってもらえるだろう。分からないとするなら、それは現代社会の()()()()()()と思っているからだろう。


こんな私だからこそ周りに合わせる事が出来た。

そして普通の環境で育ち、それなりの会社で働き独り身のまま社会の歯車として年を経た。ただ生き、そして死んだ。


(それで…この後私はどうなるんでしょうか?)

「貴方は新たな生として異世界で生まれます。」

(異世界ですか?前の世界ではなく?)

(まれ)に元の世界で生まれる事も有りますが、どの世界に生まれるかは本来選べません。特例等も有りますが。」


その者は安堵した、残念ではなく安堵した。

もう無意味な生を過ごしたくはなかった、ただそれに尽きた。


「では新たに生を受ける上での説明です。一つ、転生先は選べません。二つ、能力スキルは転生時に選ばれ付与されます。三つ、記憶は引き継がれない事が有ります。」

(スキルとかは分からない…と、転生先で確認する事ってできますか?)

「転生された世界によります。貴方が元居た世界にあった漫画やアニメといった物に出てくる、ステータスウィンドウやステータスプレートのような物が有れば確認できるでしょう。貴方が居た世界のように無い事も有ります。」

(記憶が引き継がれないというのは?)

「世界によって魂と(うつわ)が違うのです。貴方が居た世界では器が小さくそれに合わせるため魂が削れ、前世の記憶を無くすといった形で生を得るんです。」

(なるほど…私が元の世界に転生した場合、記憶は残ると?)

「いえ、残念ですが残らないでしょう。魂とは生を過ごした年月、感情や知識等を総称して呼びます。元の世界の器は肉体の成長と共に大きくなる為、転生直後の器では魂の大きさと合わないのです。他の世界だと器の大きさが決まっているので記憶が残るのかどうかは分かりません。」

(だから前の世界では前世を知らない人ばかりだったのか……大体分かりました。ありがとうございます。)

「いいえ、では転生を始めます。良き生があらんことを。」


視界が少しづつ暗く狭まり意識が薄れていった。

次の生では満足のいく生を願いながら。


――――――


「はー、今回の人はとても疲れたわー。随分と質問が多い奴だったわね。」


指で音を鳴らし、椅子と既に紅茶や菓子が準備されているテーブルが出てくる。

金糸が眩い女神メリュスは椅子の背もたれにぐでっと寄り掛かり一口サイズの菓子を口へ放り込む。


「ほんと何で私がこんな面倒な…」

「………自業自得だろうよ、メリュス」

「⁉……そう…ですね、わかってます。急に背後に現れないでください…ウォルテ様。」


冷静を装い返答するが、内心穏やかでは無かった。


「この方が暗躍者っぽいだろう?君が悪いことをしてないかの確認に来ただけさ。来る必要も無いんだがね。」

「…なら来ないでください。」

「はいはい。まぁ、もう帰るとするよ。あぁ、分かっていると先程言ったが。」


少女とも少年とも見れる仮面をつけた者はメリュスの顔に近づき


「忘れん事だ、常に見られていると。じゃあな。」


メリュスが瞬きした一瞬で仮面を付けた者は消えていた。

まるで最初から居なかったかのように。


「………ほんと、最悪。」


メリュスは過去を振り返って顔を(しか)めた。


「あ、トイレとお風呂は流石に見とらんからな」

「当たり前だわ!」


主人公はだーれだ。

いたかな?いないかな?

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