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2.ベルリュームの住人

 最初の出勤日は、面接をした日の丁度1週間後だった。

 私服で来て構わないという言葉に甘えて、けれど可能な限り地味で目立たない服装を選んで屋敷に到着したのは、朝9時のことだった。


 私を出迎えたのはニーモ総支配人ではなく、その秘書をしているというスーザンという女の子だった。どう見ても私よりも若い彼女は、どこからどうみてもただの人間の女の子と何も変わらない。加えて、秘書と称するにはあまりにも幼く、おどおどしている。


「凛々杏さん、ですね? 初めまして、私、今日1日このお屋敷の案内を任されました、ニーモさんの秘書のスーザンです」

「初めまして。よろしくお願いいたします」

「そんな固くならないでください、すみません、私がもっと気の利くジョークとか言えたら……」

「いえ、そんな、お気遣いなく」


 随分腰の低い子だなぁ、と思いながら屋敷に足を踏み入れれば、美しいステンドグラスで囲まれたエントランスがまず目に入る。先週来た時は緊張もあって、あまりゆっくり眺めることは出来なかったけれど、太陽光が差し込んでも眩しくない、けれど柔らかな光の差し込むデザインになっていた。


「綺麗ですね」

「そうなんです。これは、この屋敷を立てる時にメレディスさんがデザインして下さったんですよ」

「メレディスさん?」

「あ、ごめんなさい!! これから、ここに住み込みで働いているコレクターさんをご紹介しますので」


 すぐに謝る少女に思わずこちらも頭を軽く下げて「すみません」と言えば、さらに向こうが「そんな」と頭を下げる。そんなことを繰り返していると、ふと互いに目が合って、それからくすりと笑いあった。


「ごめんなさい、私、舞い上がっちゃって。あんまり女性の使用人って多くないんです。同年代の女の人と話すの久しぶりで、つい」

「そうだったんですね」


 恥ずかしそうに頬を染める彼女を見てると、思わず笑顔になってしまう。まるで小動物のようですごく癒される。

 うん、こんな可愛い子がいるお屋敷で働けるなら悪くないかも。なんて。


「じゃあ最初に凛々杏さんのお部屋に案内しますね」

「え!? 私の部屋!?」

「はい。今後万一帰宅が難しくなったり、住み込みで働きたくなったりした時のためにと、総支配人が。セキュリティは万全ですし、ここに住んでいる男性陣は人間にはさほど関心を示さないので、安心して泊まってください」

「え、そんな贅沢な」

「いえいえ、お部屋、有り余ってるんです。従業員休憩室とかそう言うのが無い代わりに、好きな時にご自分の部屋を使って頂ければ。勿論服とか石鹸とか好きな物を置いてってくださいね」


 突然の好待遇に開いた口がふさがらない。いや、ほんと、文字通りに。

 でもわからない。そんなことを言って、泊まり込み勤務ばかりさせられる可能性だって……いや、それでもやはり自室を割り当てられるというのは余程じゃないの?


 真っ赤な絨毯の敷かれた階段を半階分ほど上って、まるで高級ホテルのエレベーターかと錯覚するほどに豪奢な装飾の施されたそれに乗って5階まで上がる。


「15階建てって……外から見るとそこまで上に高い印象なかったのですが」

「あまりこの屋敷が目立つのは不都合があるので、低く”見せて”るんです」


 魔法で?と聞くのが少し怖くて、そのまま「そうなんですね」とだけ答える。

 黙って階数表示を眺めていれば、チン、とベルの音が鳴って扉が開いた。


「ちなみに8階より上の階に1人で行くのはお勧めしません。”コレクション”が収めてある保護区域の扱いになりますので」

「あの、私、まだその辺りの説明をきちんと受けていないのですが……、そのコレクションっていうのは噂通り、怪異を起こす物品ってことで合ってるんですか」

「はい。人間界における自然法則では有り得ないことを引き起こす、誤ってこちら側からそちら側へ紛れ込んでしまった物品だったり、人間界で生み出されてしまったその手の物品を収集して保管しているんです」


 つまり呪いの人形だとか、妖怪だったりとか、そういうのがうようよしているということだろうか。保護されているとはいえ、そんなものがほんの数m頭上に大量に存在していると思うと、部屋を割り当てられたとしてもそこで眠るなんてまっぴらごめんだ。


「着きました。こちらが、凛々杏さんのお部屋です」


 と、思っていたのに!!

 思わず「えええええええええええ」と絶叫を上げそうになるのを必死に抑え込まなければならない程に、その部屋は豪華だった。ホテルのスイートルームよろしく、クイーンサイズのベッドとウォークインクローゼット、ふわふわの絨毯に立派なカーテン。

 これって、どこかの貴族のご令嬢のお部屋ですよね?と言いたくなるような美しい部屋につい先ほどまで抱いていた不快感が一気に吹っ飛んでしまった。


「とりあえず、そちらに荷物を置いてください。貴重品も……正直言えば、人間にとっての貴重品はここに居る誰にとっても大した価値の無い物なので放置しておいても何の問題もないのですが、不安があれば一応お持ちください」


 しばらく部屋に見とれていたが、そんなスーザンの声にふと我に返り、慌てて書き物机とセットの椅子の上にカバンを置いて、スマホと財布だけをポケットに突っ込むと部屋を後にする。


 そう言えば、スーザンは屋敷案内が始めってから随分流ちょうに話すようになった。人と接するのは苦手だが仕事となればそれなりに卒なくこなせるタイプなのだろうか。だとしたら……少し、私に似ている。


「さて、誰から会ってもらおうかな……」

「全部で何名ほどいらっしゃるんですか」

「住み込みのコレクターは男性5人だけと、私とニーモさんだけです。頻繁に遊びに来て下さる方もいらっしゃいますが、おそらく凛々杏さんが面倒を見ることになるのはこの5人なので」


 15前後の少女に”面倒を見る”と言わせるほど厄介な人物たちなのだろうか、と思わず思案する。

 確かに、今ざっとエントランスから、階段を抜けてエレベーターホールに向かい、私の部屋のある5階に来るまでの間に少しばかり汚れや埃の目立つ場所はあったが、さほど荒れている印象は受けなかった。

 魔力が暴走してキッチンが爆発、みたいなことは無いのだろうと少し安堵していたのだが。


「じゃあ先ほど話に出ましたし、メレディスさんからにしましょうか。男性方のお部屋は7階ですので行きましょう」


 7階は、意外なことに廊下の照明が切れかかっていた。住人たちが住んでいる階だというのに、薄暗い廊下と薄汚れたカーペットに思わず「あぁ」と声が漏れそうになる。

 奥に騒がしい部屋があるのがすぐに目についたが、スーザンは一番手前にある部屋のドアをノックした。


「メレディスさん。少しお時間宜しいですか」

「どうぞ」


 中から聞こえて来た声は、どこか気取った印象を受ける、けれどどこか滑らかな美しさのある中音域の声。

 鍵が掛かっていないことを分かっていたのか、スーザンは遠慮なくドアノブに手を掛けるとドアを大きく開けて、中に居るメレディスから私が見えやすいように誘導した。


「おや、新入りさんかい?」

「はい、今日からこの屋敷の給仕係として勤めて頂くことになった、凛々杏さんです」

「どうも初めまして。お世話になります」


 一度丁寧に頭を下げてから顔をあげる。

 鏡台に座り、どうやら肌の手入れをしていたらしい彼は、鏡越しにこちらを見るとにっこりと笑った。そして体をくるりとこちらに向けて、優雅に足を組むと自信たっぷりといった雰囲気で、優雅にこちらに手を差し伸べ、ソファに座るように促してくる。

 肩にかかるくらいの美しい金髪に切れ長の目。やや細身ながら引き締まった体に、ぴったりとしたスーツを身に纏う彼は、とても上品で美しい。

 それに、ネットに上がって来る、コレクターを撮影したと言われた写真の中で最も見かける”美しい人”こそ彼であると言うことに間違いは無かった。


 なるほど、これが噂の君か。


「どうかしたのかい」

「いえ、噂に違わず美しい方だなと思いまして」

「ほう?君は見る目があるようだ」


 そう言った彼は、その纏う雰囲気に違わぬ優雅な仕草で足を戻して立ち上がると、こちらに一歩近づくとやはり出来上がった笑顔でこう続けた。


「見る目がある君に1つだけ忠告だ」

「え?」

「ここの給仕なんて辞めた方がいい。お薦めはしないな」

「メレディスさん!!」

「おっと、スーちゃんこれは失礼。総支配人に叱られてしまうね」


 そう言ってわざとらしく両手をあげる彼は全く堪えていないようだ。

 2人が何か話している隙に部屋の中をぐるりと見渡す。

 うん、この人の部屋は普通だ。ゴミが溜まっている様子もないし、匂いも上品な香水の香りが漂っている。特に問題は無さそう。


「さ、次はエセルバートのとこだろう」

「そうですね、そうしましょう」

「あーでも、その流れだと最後にジョーカーかい?それはやめたほうがいいな。ショックは早めに与えてあげるべきだ」

「えと、どういうことでしょう」

「行けば分かる」


 にっこりとそう答える彼に、どこか”私には関係ない”という冷たさを感じる。表情は笑っていても目が笑っていないタイプというのだろうか。事実、先ほどから私の一挙手一投足を見逃すことなく観察しようとするような強烈な視線を感じている。

 165cm近く身長のある私より5cm程度高いだけの彼の視線は、けれどどこか見下されているような、品定めを受けているような感じがして、あまり好感を持てない。


 スーザンが早々に彼の部屋を後にして次に向かうと言ってくれたことに感謝して、3つ隣の部屋をノックする。


「エセルバートさん、少しお時間大丈夫ですか?」

「あぁ?なんだよ」


 返って来た声は、先ほどとは正反対のぶっきらぼうな声。けれどなぜだろう。口調こそ荒っぽいが、彼の声自体は疲労が滲むと同時に、どこか安心感がある。


「新しい御給仕さんが今日から入るんです。紹介だけさせてください」


 スーザンが言い終わらない内にドアが乱暴に開かれる。中から出て来た男は、くるくるの天然パーマの髪をデコルテまで伸ばし、盛大なため息をつくと「1分で終わらせろ」と凄む。


「お忙しいところ申し訳ございません。今日からお世話になります、凛々杏と申します」


 丁寧に頭をさげれば、彼は半分閉じている目を少しだけ開いてこちらを見ると「どうもよろしく」と答えて扉を閉めた。


「エセルバートさんは、ああ見えても凄く優しい方なんですよ」


 フォローするように慌ててそう言うスーザンの言葉に素直にうなずく。

 骨に皮が付いただけなのかと思う程のがりがりの体。疲労がたまりきって真っ黒になった目の下のクマ。ぶっきらぼうな口調。けれど、彼はそんな状態でもこちらに出てきて私の目を見て挨拶をした。それに、スーザンに向ける視線も暴力的な物では無かったように思える。

 部屋の状態を見ることが殆ど出来なかったのは残念だけれど、それはまたの機会にさせてもらおう。


「それで……メレディスさんのアドバイスに従うなら、次に、恐らく凛々杏さんにとって一番”厄介な方”をご紹介しようと思います」

「その厄介って言うのはどういう……」

「ジョーカーさんは……なんというか、その、悪戯好きが過ぎるんです。私も昔はよく髪の毛をアフロにされたり、水溜りに突き飛ばされたり、ワインセラーに閉じ込められたりしました」


 それは虐めというのではないだろうか。つまり簡単に言えば、これから会うジョーカーという男は悪意なくいじめを行う奴だということ。

 だが、それはさほど怖くない。分かっていればなんてことはない。

 だって、今まで散々人間たちにされてきたことと少しも変わらないんだもの。

 今までも上手くやってきたんだから、大丈夫。


「ジョーカーさーん!! 新しい御給仕さん連れてきました!! ご挨拶いいですかー!!」


 騒がしい最奥の部屋の前でスーザンが大声で叫ぶと、間もなく勢いよく扉が開いてスーザンの額に盛大な音を立ててぶつかる。


「あ、ごめんごめん」

「もう酷いですよ、ダリルさん。ところでジョーカーさんは?」

「僕もいるよー」


 どうやら扉を開けたのはダリルと呼ばれた少年のようで、彼もまた少しの悪気も無く、そして誠意のかけらも無い謝罪をスーザンに向けてから、こちらを訝しむように見つめた。

 背丈は人間でいう7歳程の少年とさして変わらない。が、特に目を引くのは坊ちゃん刈りにされた、その真っ白な髪だった。そして次にきゅるりと愛らしい大きな目が、けれど冷たくこちらを睨んでいることに気付く。


 奥から返事をしたジョーカーと呼ばれた男は部屋から出てくる気配もなく、「ダリル?戻っておいでよ」と気さくに少年に声を掛ける声だけがする。


 改めて扉の前に立ち、部屋の入口まで足を踏み出せば、その部屋はまさに「子供部屋」。勿論、悪い意味で。

 どうやったらこんなに汚せるのだろうと言う程、ペンキやら、割れたグラスやらなんやらが散乱している。


「今、ジョーカーさんはダリルさんの指導役としてコレクターとしての心得や、魔法の制御方法などを教えて下さってるんです」


 うん、どうみても一緒に遊んでる悪ガキ二人組にしか見えない。

 とはいえ、ジョーカーは随分派手な服装を着た男性で、若くは見えるが人間で言えば私と同年代に思える顔立ちをしている。そして彼もまた驚くほど整った顔立ちをしているが、メレディスのようにそれを意識するでもなく、ニカッと歯を見せて笑って見せると「僕はジョーカー、こっちはダリル。よろしくね、凛々杏ちゃん」と外見から想像していたよりもやや低い声でそう言った。


「え、私の名前」

「スーザンは読みやすいからねぇ」

「また勝手に私の頭の中読んだんですか!!」

「僕は読心の専門じゃないけど、スーザンはホントハッキリしてて読みやすい」

「やめてください!!」

「対して君は……人間の癖に随分ガードが固いんだなぁ」


 こちらを見てそう目を細める彼に思わず背筋にぞわりとした何かが走る。

 それは、漠然とした恐怖に他ならなかった。

 貼り付いた笑顔も、メレディスと同じ作り笑顔のはずなのに、彼のそれはまるで仮面のように頑強で、どこか「喜劇と悲劇の仮面」を思い出す。


「なぁ、ジョーカー。また上に行きたい」

「ダメですよ、ダリルさん。ニーモさんに禁止されたばかりでしょう」

「次はもうコレクションを暴走させたりしないから」


 その言葉にまた恐怖が浮かぶ。先ほど想像した呪いの人形だのなんだのの光景がまた脳裏によみがえって来て思わずごくりと唾をのんだ。


「凛々杏さん、次行きましょう」

「は、はい」

「なんだよあの女。全然びびってねぇの」


 そんなダリルの退屈そうな声が背後から聞こえる。

 昔からポーカーフェイスは得意だ。何をされても平気なフリをするのには慣れっこだ。

 それが幸いしたのだろうか。いや、まだ今後なにを仕掛けられるかはわかったもんじゃないけど。


「ジョーカーさんはあぁ見えてかなり凄腕のコレクターなんです。スカイハーツ帝国という、こちらの世界に数ある国の中でもかなりの力を持つ帝国の専属コレクターなんですよ」

「それは、凄いですね」

「ダリルさんは、統制庁……何といえば良いんでしょう、色んな国同士の対立とかを防ぐための総合機関といいますか……ニーモ総支配人はそこに勤めているんですが、とにかくその全部の国のバランスを保つ機関である統制庁直属のコレクター候補生として、ジョーカーさんに師事してるんです」


 突然与えられた”あちら側”の情報に理解が追いつかないが、とにかくジョーカーが凄いコレクターで、その弟子としてダリルはもっと凄いところに勤めるために訓練を受けていると、そう言う事でいいんだろうか。どうにもそうは見えないけれど。


「そう言えば、次で最後、ですよね」

「そうなりますね」

「あの2人が”厄介“だとしたら次の方は……」

「私をあの2人と比較するとは随分だな」


 突然頭上から降って来た声に、隣に居たスーザンが「ひっ」と声をあげて飛び上がる。後ろを振り返ればすぐ目の前にかなり背の高い、がたいのしっかりとした男前が立っていた。服の上からでも分かる熱い胸板と広い肩幅。長い脚と筋肉質な腕。きりりとした眉と高圧的な視線を送る漆黒の瞳。そして几帳面そうな雰囲気を醸すきっちりとオールバックで整えられた黒髪。

 思わずその迫力と完璧な外見に「ほう」と息を漏らしそうになる。が、不機嫌そうに眉を顰めて見下ろされてはそんな感嘆も飲み込む他にはなく。


「アンソニーさん、お部屋にいらっしゃるかと」

「少し調査に出ていた。それで、この人間の娘が総支配人の言っていた新しい給仕か」

「はい、凛々杏と申します。どうぞよろしくお願いいたします」

「ダリルやジョーカーの世話係という名目で玩具にされて辞めるのがオチだな」

「アンソニーさん!!」

「事実だろう。そうやって今までも何人も辞めている。お前も、ここに夢を見に来たのであれば、絶望するだけだ。悪いことは言わない。早々に辞退することを薦めよう」

「ご忠告有難うございます。ですが、私は絶望してここに来ました。それ以上の絶望がここにあるというのなら……その時は遠慮なく辞めさせていただこうと思います」


 そう答えれば、アンソニーは相変わらず武士のような固い表情のまま、けれど片眉をほんの少し上げて面白い物を見るような表情でこちらを上から下まで観察すると、「そうか」と短く答えて自室に戻っていった。


「す、すごいですね凛々杏さん」

「え、何がですか」

「初対面でアンソニーさんと普通に会話してる人間を初めて見ました」

「えと、私、何かおかしかったですか」

「大抵の場合恐怖で竦み上がるか、美しさに卒倒するかのどちらかですよ」


 スーザンの発言に思わずなるほど、と納得する。確かに私より20cm以上高い目線から話をされたのは初めてでとても圧迫感は感じたし、彼の口調もそれを助長させている。怖がるのは当然だ。だが、それと同じくらい美しさに卒倒するという発言も理解できる。とはいえ、メレディスやジョーカーも彼に負けないくらいの顔面偏差値を誇っていたし、今さらそんなことで卒倒出来るほど乙女ではないようだ。


「とにかくこれで全員ですが……大丈夫そうですか?」

「何がですか?」

「もう嫌になってたりしません?」

「はい、全然」


 まだ知らないことばかりだし、少なくともまだ、私が25年間人間界で受けて来た仕打ちよりは比較にならない程に良い環境に思えた。


「改めて、よろしくお願いします、スーザンさん」

「呼び捨てで良いですよ。こちらこそです、凛々杏さん」


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