表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺に告白してきたのは元カノの娘でした  作者: 三折 佐天
最終章 嘘であって……
84/90

第81話 許せないです……!



「ささ!どうぞどうぞ!ブラックコーヒーと砂糖増し増しのカフェオレです!」



ブラックコーヒーを京の前に、砂糖増し増しカフェオレを芹の前に出した



「なっ⁉︎わ、私もブラックで良いです‼︎」

「ダメダメー。残して無駄にするわけにはいかないんだから」

「子供扱いしないで下さい‼︎」

「ん〜……そこまで言うなら私のと交換しようか」



白瀬は芹の器と自分の器を入れ替えた



「うんうん!これが本来私に出すべき味ーー」ズズッ



芹の眉がピクッと動き、コーヒーを飲む動作をやめた



「……あー、今日は甘い物の気分の日だったなぁ……忘れてたなぁ〜」



芹は再度白瀬と器を入れ替えた



「……お子ちゃま」

「う、うるさいです‼︎今日はたまたまコンディションが万全の状態ではないだけですぅ‼︎」



戻ってきたカフェオレをゴクゴクとノンストップで飲み干した



「……それでお話しってなんですか?」



白瀬は京の方へ話を振った



「……聞きたいことがあってな」



神妙な空気を出す京を見て、白瀬の表情も真剣なものへと変わった



「白瀬……辰馬に芹の居場所を教えたのはお前だな?」



白瀬の表情に少し陰りが見えた



「……どうしてそう思うんですか?」

「アイツは言ってた。あの人が教えてくれたってな。それがうっかり出た言葉なのか、わざと言ったのかはわからないがな」



京はコーヒーを一口すすった



「……それだけで私扱いですか?」

「そんな根拠の薄い状態でここには来ないさ。俺が確信を持ったのは、俺が芹に昔の話を語った時だ」



昔の話とは、香織と京が元々彼氏彼女の関係でいたことを芹に話した時のことだ



「あの日、お前は外で聞いてたよな?で、その帰りにお前は俺に、辰馬の情報を渡した。だがな、あまりに早すぎるんだよ」



京自身も辰馬の名前を知らず、白瀬の情報によって名前を知ることができていた



「二十年近く前の情報を探し出すのは困難だ。ましてや五分でなんてあり得ない。てことは……()()()()()()()()。だから白瀬が()()()だと思ったんだ」



あの時は相変わらずの情報収集能力だと感心していたが、今になってそれはおかしいことに気がついたのだ



「……なるほど。そういうことでしたか」



白瀬も自身のコーヒーを一口すすった



「……で、私はどうされちゃうの?」



今のところ、最初の言葉以外に白瀬の表情に変化が見られなかった



「……何もしない。でも、今まで通りって訳にはいかないかもな……」



白瀬なら焦りそうな言葉だが、それでも表情の変化がない



「……聞いても良いですか?」



ここで芹が白瀬に質問を挟んだ



「香奈宮先輩は……私達が親子だって言われた時、嘘だって分かってたんですか?」



白瀬は少し沈黙を開け……



「……ううん。私も驚いた。二人が親子だって言われて、私自身も疑問に思ってたから」



どうやら辰馬を連れてきた理由は、親子関係であることを証明するためではないようだ



「じゃあ……何のために辰馬を?」

「……さあ」



白瀬は言葉を濁すように返事をした



「……じゃあ最後に一つ、聞いてもいいですか?」

「……なに?」

「……あの人を連れてきたのは、私と京さんの仲を引き裂くためですか?」



芹の質問に、白瀬は一息おいた



「……何かしらの方法で引き裂くつもりだった。でも、修復不可能にするぐらいにするためには手を借りるしかなかったの」



白瀬はそう答えた



「……そうですか」



芹は悲しそうな目で白瀬を見つめた



「……私、本当に傷ついたんです。京さんと親子だって言われて……どれだけ泣いたかも分からないです。だから私……香奈宮先輩のこと、許せないです」



グスッと鼻をすする芹



「……俺も、許せないというか、びっくりしてる。白瀬がそんなことをするなんてなって……」



京は白瀬から目を逸らして言った



「……あー。ちょっといいですか?」



白瀬は気まずそうに手を挙げた



「なんですか?この期に及んで言い訳でもするつもりですか⁉︎」

「……まあそうだね」



白瀬は気まずそうに言った



「えっと……その辰馬さんが言ってた()()()っていうのは……私じゃないですね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ