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俺に告白してきたのは元カノの娘でした  作者: 三折 佐天
最終章 嘘であって……
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第80話 ある人物……?



「ーーお前らは本当は親子なんかじゃないってだけの話だよ」



辰馬の言葉に、色々な感情に襲われる二人



「……俺はな。確かにAB型だ。でもな、シスAB型なんだよ」



シスAB型はAB型の中でも更に少ない確率で生まれる血液型で、この血液型を持つ者は、子供がO型として生まれることがある



「……何で嘘をついてた?」

「ああ?さっきも言っただろ?騙すためだって」



辰馬は芹と京が親子関係であると嘘をついた理由を話しはじめた



「俺はな()()()から色々情報をもらってたんだ。芹が昔、香織と付き合ってた男のことが好きだってな。だから芹に好きな人とは結婚することは出来ないという絶望を与えて、俺が上手いこと利用しようって思ってたんだよ」



ある人……京と芹は辰馬の言ったある人が誰か、確信が持てた



「……最低」

「最低で結構。芹、お前が来てくれたらガッポリ金を稼げたはずなんだがなぁ……残念だ」



辰馬は悪びれもなさそうに言った



「……もう一生、俺らに近づくな。香織にもな」

「別に構わねえよ。もう使い道もないしな」



道に唾を吐き捨てる辰馬



「……本当、お前なんかに香織を渡してしまったこと……後悔しかねえよ」

「はっ!むしろ感謝しろよ?俺のおかげで芹は生まれたんだからな」



と、辰馬は二人に背を向け、その場を去った……



「ーーあんな人でも、父親だって思ってたんだけどなぁ……」

「……」



芹と京の間に少しの沈黙が流れ……



「……芹。行かないでくれてありがとな」



芹を抱え寄せた状態で京は芹の頭を撫でた



「……いえ、止めてもらえて嬉しかったです……あのままだったら私……どうなってたか」



芹も京の背中に腕を回し、抱きついた



「本当に……本当に嬉しいです……もう、こうやって京さんにくっつけるなんて思ってなかったから……」



指で涙を拭う芹



「……俺もだよ」



京はそう答えると、しばらくの間二人は話すことなく、今この瞬間の幸せを感じていた



ーー約一分ほど経ち、京が口を開いた



「芹……まだお前にとって辛いことが残ってる。俺にとってもだけど」

「……分かってます。でも、どちらにしても()()()とは話をつけないといけなかったんです。だから大丈夫です。それに……文句も言わないといけませんからね」



芹の精神状態が気になる所だったが、どうやら問題ないようだ



京は携帯を取り出し、とある人物に電話をかけた



「もしもし……うんーーじゃあよろしく」



電話を切って携帯をポケットに直した



「じゃあ行くか」

「はい」



芹と京はある場所へと向かった



「ーー香織にも言っておかないとなぁ」



本当はいの一番に香織に伝えるべきなのだろうが、まずは問題を解決してからだ



確かに違和感はあった。芹のおじと繋がりがあるといってもおじは栁内家の家は知らなかったはずだ。美穂は仮にも赤阪京保護自治体の局長。芹が住んでいるからとはいえ、京が住んでいる街の場所を安易に教えることはしないだろう



では誰が辰馬に栁内家の場所を教えたのか



芹は予想で、京は確信を持っていた



「香織にもお礼言わないとな」

「うん……お母さんのおかげで私は立ち直れたから」

「……でもまずは、全部解決してからな」



ーーピンポーン



「ーーはーい!ちょっと待って下さいね……」



とある部屋の前で待つ二人。そして出てきたのはーー



「京先輩、芹ちゃんいらっしゃい!あがってあがって!」



ーー香奈宮 白瀬だった





短くなってしまいました……最終話までもう少しです!


最後までご付き合い下さい!

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