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俺に告白してきたのは元カノの娘でした  作者: 三折 佐天
最終章 嘘であって……
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第72話 どういうことか説明して……!



「芹はなぁ正真正銘、お前の娘だよ」



辰馬から明かされた真実によって、京は目の前が一瞬真っ白になった。そして、激しい立ちくらみが襲い、壁にもたれかかった



「……嘘だろ」

「あ?嘘じゃねーよ」



どうしても信じることの出来ない京。この男のことだ。もしかすると、嘘をついて動揺させているのかもしれない



「俺の子だって……証明出来るのか?」

「出来るさ」



と、京の問いに即答する辰馬



「お前、芹の血液型は知ってるか?」

「……O型だったはず……」



芹から直接血液型を聞いたことはなかったが、白瀬が芹と始めて出会った際に、集めた情報の中にO型と言っていたことを覚えていた



「香織もO型なんだがな。……俺はA()B()()なんだよ」



京は絶望した……嘘を言ってるようには見えない……ということは本当にーー



「香織……お前も酷いやつだな。なんで教えてやらない?」

「え……っ……だ、だって……」



香織は口を手で押さえながら涙を流していた



「俺がAB型の時点で、芹は俺の娘じゃないことぐらいわかるだろ?」

「そ……そんなの……わからないよ……なんでAB型なら芹は……京ちゃんの子になるの?」



香織は本当に理解していない様子だった



「……AB型からO型の子供は生まれることはない……本当なら、芹はA型かB型のはずなんだ……」



香織と辰馬の血液型相性では、O型が生まれることはありえない。その為、芹は辰馬の子ではないーー



ーーだが、京はB型。香織とO型の子供を授かることが出来る



「まあ香織がお前から俺に乗り換える前に誰かとシてたならお前じゃない可能性もあるがーー」

「そんなことするはずないでしょ‼︎」



香織は真っ向から否定した



「ーーだそうだ。ならお前の娘で確定だな」

「……そんな」



ーー信じたくない……芹が娘だなんて信じたくない……



ーー本当に芹が娘……?……俺の?……嘘だそんなの……



ーー俺は……芹のことが……芹のことを……



「……どういう……こと……」



背後からの声に振り向くと、そこには買い物袋を持った芹の姿があった……



「……どういうことなのか説明して‼︎」

「せ、芹っ……」

「京さんは黙ってて‼︎」



芹の怒鳴り声が響く……今までどんなことがあっても京に対して悪態をつくことのなかった芹。それもあってか、京は芹の怒鳴り声に萎縮し、ただ芹の言うことに従うことしか出来なかった



「……本当に……私は京さんの娘なの?」



辰馬の前に立ち、真実を問う芹



「そうだぞぉ?こいつはなぁ……お前を見捨てた最低な父親だ」



ニヤニヤ不敵な笑みを浮かべ、答える辰馬



「……そう……なんだっ…….本当にっ……私はっ……‼︎」



俯き、我慢していた涙が溢れる芹ーー



ーー芹は流れる涙を拭う仕草も見せずにその場から走り去った……



「せ、芹!待てっ!待ってくれ‼︎」



京の言葉は芹には届かない。耳には届いている。ただ、心には届かなかった。芹は足を止めず、振り向くこともなくどこかに消えてしまった……



「あーあ。娘に逃げられちゃったねー」



茶化すような口ぶりで煽る辰馬を睨みつける京



「おー怖っ。まあ芹もどっか行っちまったし、またくるわ」



エレベーターの方へ向かう辰馬



「ーークソ野郎が!お前のせいでっ!」

「俺のせい?違うな。どうせいずれ分かることだったんだ。それが今日だっただけの話なんだわ」

「……っ!」



言い返すことの出来ないまま、辰馬はエレベーターに乗り込んで、二人の前から姿を消した……



「……芹を探しに行く。香織は家で待っといてくれ」



フラフラした足でエレベーターのボタンを押す京。辰馬が今、降りている為、来るまでには少し時間を要した



「わ、私も探す‼︎」

「……来なくていいから。どこに行ったかは大体分かってる」



辰馬が降り、戻ってきたエレベーターに乗り込む京



「……ちゃんと連れて帰るから」



とだけ香織に言い残し、エレベーターの扉は閉まった……



ーーエレベーターが下る短い時間の間……京は色々な事を考えた



これから芹にどう接すればいいのだろう?今のまま……というわけにはいかない。芹の父親である以上、今のままの関係でいることなんて出来ない……



ーーただ京の中で一番の問題はそこではない



「……こんなことになってから気がつくなんてなぁ……本当バカだ……本当に最悪だ……」



気がつくのが遅すぎた。失ってからやっと気がついた……



ーーいや……本当はずっと前から気づいてたはずだった。ただそれに気がついていないフリをしてただけだった……



「……好きだったのになぁ……」



京も、芹と香織の前で堪えていた涙が溢れた。既にエレベーターは一階に到着し、扉が開いていたがーー



ーー京は涙が止まらず……外に踏み出すことが出来なかった……

突然ですが、この話から最終話を書き終わるまで、感想を受け付けないことにしました



理由としては、感想で書かれた話の予想みたいなのが、元々書く予定だったものと一致してしまい、ネタバレになってしまう可能性があるからです



ご理解のほどよろしくお願い致します





作品も大詰めになります。作品が終わるまで、皆様お付き合いの程、よろしくお願い致します!

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