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俺に告白してきたのは元カノの娘でした  作者: 三折 佐天
第十章 変わった日常2
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第69話 京のお引っ越し……?



「こんなものかな」



とうとうやってきた引っ越しの日。約二十年暮らしたこのマンションと別れる日がやってきた



「京先輩ー。引っ越し業者さんが来てくれましたー」

「わかった。すぐ降りるよ」



荷物の詰めた段ボールが業者によって次々と運び出されていく。家具、家電系統の物は心機一転、全て取っ替えることにしたので、大きな物を運び出されず、ただひたすら段ボールだけが運ばれていく。ちなみに家電は菜由に、家具は栁内家に欲しいものだけプレゼントし、他は売却し、多少の資金になった



ーー全ての荷物を運び終え、空っぽになった部屋を眺める京



「……ありがとう」



と、長年お世話になった部屋に一言添え、部屋を出た



「芹、白瀬。手伝ってくれて助かったよ」

「いえいえ。……それにしても本当に引っ越してしまうんですね……お隣の関係でいれなくなるのは少し寂しいです」



芹と白瀬に手伝ってもらい、引っ越しの準備は完了。香織はパートのシフトが入っていた為、今日は不在だ



「いやー。今まではちょっと芹ちゃんが有利すぎたからねー!今回の引っ越しでやっと対等になった気がするよ」

「有利って……出会ってからの期間に差があることを考慮したらこれぐらいのアドバンテージはあっても良かったと思います」

「まあまあ落ち着いて……」



二人の言い合いを仲裁する京



「あ、今からもう新居の方に行きますか?」

「そのつもり。家具と家電はもう置いてあるから、あとは段ボールの中身を分けるだけだし、今日中に終わらせようと思ってるし」

「あ、じゃあ私達も手伝いにーー」

「いや、そこまでしてもらうわけにはいかないよ。まあでも、新居の中だけでも見ていくか?」

「「はい!是非!」」



京は二人を車に乗せ、新居に向かった



ーーといっても遠いわけではない。それどころか、車を走らせてからたった二分程度で到着した。車に乗ったのは、駐車場付きのマンションなので、そこに車を置くため。今までは月額駐車場を借りていたのだが、そこの契約も切った



「ーー広っ‼︎すごい広いですね‼︎」

「前の部屋の1.5倍ぐらいだからな」



結局、白瀬の勧めた部屋は借りずに自分で探して見つけた物件。四階建てのマンションだが、部屋数が少なく、代わりに一つ一つの部屋が大きい。家賃も以前に比べると高めだが、京の給料ならば、全然苦労するほどの額ではなかった。ちなみに京の住む部屋は四階だ



ーーと、そこに部屋のチャイムが鳴った。業者の方が荷物を運びに来てくれたようだ



「あ、ありがとうございます。奥にどんどん置いて下さい」



次々と運ばれてくる段ボール。部屋の中は山積みになった段ボールで覆い尽くされた



「結構荷物ありますね……なんか急に狭く……」

「なるべく捨てられるものは捨てたんだが……何せ二十年分の荷物だからなぁ」



持ち運ばれた段ボールを端に避け、机でコーヒーを啜る三人



「あ、そういえばお隣さんには挨拶したんですか?」



芹が興味本意で京に聞くとーー



「いや、まだなんだ。というか聞いた話だと、隣の人も昨日引っ越してきたばっかりみたいでな」

「へぇ……そうなんですか?じゃあもう隣に住み始めてるんじゃないですか?」

「そうだな……挨拶してくるか」



と、お菓子の詰め合わせの入ったビニール袋を持ち、京は部屋の外に出た



「それにしても京さん。いい部屋借りたなぁ。香奈宮先輩もそう思いませんか?……あれ?香奈宮先輩?」



と、一緒にコーヒーを啜っていたはずの白瀬がいつのまにか姿を消していた



「……どこいったんだろ」



芹はここで悪寒がした。何かーーロクでもないことが起こる前兆がする……



「まさか……いやそんなまさか……」



芹はこの悪寒の理由に思い当たる部分があった



芹は急いで部屋を飛び出すと、隣の家の扉が開いており、京は既に隣の人と対面したようだ



「……お前‼︎なんでっ……‼︎」

「なんでって言われましても……私、昨日からここに住んでるので」



ーーああ……()()()()()してしまった……



「あ、自己紹介が遅れました。……()()() ()()です。これからお隣同士、仲良くしましょうね!」


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