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俺に告白してきたのは元カノの娘でした  作者: 三折 佐天
第十章 変わった日常2
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第65話 二人きりではなく……?



「……ねえ京先輩」

「……どうした?」

「なんで……なんで……」



昨日の約束通り、一時に京のマンション前に集まった



「なんで菜由さんもいるんですか⁉︎」



だが、集まったのは二人ではなく、三人だった



「なんでって言われても……」

「私も暇だったし、ついていこうかなって思って。別に二人きりで出かけようとは言ってなかったよね?」

「うぐっ……それはそうですけど……」



芹を応援すると決めた菜由は、白瀬が企てたデートの邪魔をしにきたのだ



「ならいいじゃない。何か問題でも?」

「な、ないです……」

「うんうん。それじゃ早速行こうよ」



いつもは翻弄する側の白瀬も菜由相手には自分のペースに持っていくことが出来ていないようだった



「で、どこに行きたいんだ?」

「あ、買い物に付き合って欲しくて……香水と、部屋のインテリア。……あと下着ですね」

「香水とインテリアはともかく、下着は菜由に見てもらえよ?」

「ええっ⁉︎京先輩好みのやつ買いますよ⁉︎」

「いや、そんなことしなくていいから」



冷たくあしらわれた。これは最早習慣ではないだろうか



「じゃあ行きましょう!」



白瀬が先導し、早速店へと向かった



と、いっても向かったのは、京や菜由も愛用しているショッピングモール。この街で買い物となれば、大体ここになるのだ



「平日だからいつもより空いてますね!」

「そうだな。まずは何から買うんだ?」

「一番近いのが下着売り場なので、まずはそこからで!」



と、近くのランジェリーショップに寄った三人



「俺は前で待ってるから」

「えーっ‼︎」

「えーっじゃない。ほらっ。早く選んでこい」

「ぶぅー‼︎」



と、頬を膨らませる白瀬。だが、観念したのか、そのまま店内に姿を消した



「ちぇー……京先輩の趣味を知ろうと思ったのに……」

「そもそも兄さんは女性が苦手だから下着の好みなんてないわ」

「……あ、確かに……もぉー‼︎じゃあ自分の好きなの選ぶもんね!」



と、半ばヤケクソになりながら物色する白瀬



「菜由さんも下着欲しいんですか?」

「うーん……まあこの前、一着ダメにしちゃったし、一つだけ買おうかなぁ……」



と、菜由も物色を始めた



「菜由さんって何カップなんです?」

「Dだったかな?」

「えっ?もっとあると思ってた……」

「EギリギリのDなのよ」

「へえ……私もDなんです!」

「……そんなにある?」

「私着痩せするんですよ!まあでも、菜由さんと違ってC寄りのDですけどね」



女性同士だから話せる話を繰り広げながら店内を回る二人



白瀬は明るい色を、対して菜由は暗い色の物を手にとって見ていた



「菜由さんが選ぶの大人っぽいのばっかり……」

「鷹斗が好きなのよ。暗い色の方が」

「……やっぱり旦那さんの趣味に合わせるんですか?」

「まあ……私が下着にこだわってないから、鷹斗好みにしてるだけだけどね」



この言葉から、菜由は鷹斗のことが好きなことがわかる。ある意味、菜由と鷹斗は理想の夫婦像なのかもしれない



「……私もたまには暗い色にしてみようかな」

「いいんじゃない?たまには気分を変えるのも大事だし、私の予想だけど、兄さんは明るいよりは暗い方が好きな気がするし」

「……本当ですか⁉︎ならそうします!」



白瀬は店員を呼び、暗い色の下着を見繕ってもらった。そして五分後……



「ーーお待たせしましたー‼︎」

「ん。終わったか?」

「はい!菜由さんにもアドバイスを頂いて……あ、買ったやつ見ます?なんなら今から着けた状態にしてから見ます?」

「……じゃあ次の店いくぞー」

「無視はダメです‼︎一番やっちゃいけないやつです‼︎」



京は歩き出し、白瀬はそれを追うように歩いた



「……邪魔するはずだったのに忘れてた」



今回菜由が同行したのはあくまで白瀬と京の距離が縮まらないようにするため。だったはずだが、白瀬にアドバイスをしてしまった……



「……これから邪魔すればいいか」



と、菜由は気持ちを切り替え、離れた二人に追いつくため、小走りで走った……

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