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俺に告白してきたのは元カノの娘でした  作者: 三折 佐天
第十章 変わった日常2
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第64話 これからのこと……?



「じゃあとりあえず、いくらか決めていきましょうか」



宴会騒ぎも終わり、今後について話し合う五人。鷹斗と時雨は二階に上がっていた



「まずは、京先輩の家からですね」



家……というのは、もし時間をおいてテレビ関係者が京の家に戻ってきた場合、今回のように対応出来るか分からない。少しでも見つかるリスクを下げるのならば、引っ越しは必須だった



「あの家気に入ってたんだけどなぁ」

「兄さん、十数年住んでたもんね」



実家と同じ時間過ごした部屋に愛着がないわけがなく、京はしみじみしていた



「私の方で新しいマンション候補を探してきました」



そういうと、2つの紙を並べた。そこには家の立地、駅からの時間、間取り、そして階層が書かれていた



「まずはこちらです!6階建ての4階で、間取りは今、京先輩が住んでる部屋とほとんど変わらないです!あと、使わないと思いますが、駅からも結構近いし、コンビニもそれなりに近いですね」

「ふむふむ……」

「おー。京さん。ここは結構いいんじゃないですか?」

「そうだなぁ……」



部屋数は違うものの、間取り図だけ見れば、今の部屋に似通った部分はある。違和感なく過ごすのならばこれだろうか……



「そしてもう一つはここです」



紙に書かれた内容を見ると、不自然な点がいくつもあった



「マンションじゃなくないか?」

「はい。一軒家です!」

「なんかもう既に車とかあるけど……」

「あ、それ私の親のやつですね!」

「……表札に香奈宮って書かれてるけど?」

「そりゃ私の家ですからね!これから京先輩は私の家に来て婿修業をーー」

「却下だ」

「なんでっ⁉︎」



心底驚いた様子の白瀬。逆になぜいけると思ったのか……



「あ!もしかしてお父さんのこと気にしてます?大丈夫ですよ!なんとか説得するので!」

「まだ話通してないのかよ!」

「ま、まあちょっと怖いですし……」

「ならやめとけ。どうせ却下だから」

「そんなぁ〜……」



いじける白瀬。とりあえず住むところは一つ目のやつに決めた



「じゃあ次は……芹ちゃんと香織さんね」



機嫌を戻し、次は栁内家のことについて話し合った



「とりあえず引っ越し……って言いたいところですが、あまりお金に負担かけらないですよね?」

「……そうね。あんまり余裕はないわね」



引っ越してきてから約4ヶ月程。今現在の収入源は芹のお給料のみの栁内家



以前から貯めていた分に余裕はある。香織も京に借金を返すため、少なめだが、収入源が増える。だが、それでも痛い出費に変わりはない



「私の考えですが、栁内家は引っ越さなくても良い……とは思ってるんです。もし仮に香織さんや芹ちゃんが見つかっても、「最近引っ越してきた」といえば、ごまかせるので」



見ただけで噂の男性と理解される京と違って、『母娘で暮らしている娘の方が噂の男性の彼女』という情報しかないため、ごまかしが効く範疇のものではあるため、わざわざ引っ越す必要はないと白瀬は考えていた



「もちろん、安全面を考慮するなら、引っ越した方がいいです」

「……そうよね」

「私はお母さんの決めた方に従うよ」



香織は少し悩んだ様子を見せた。そして、少しの間があき、結論を出した



「……私達は引っ越さないことにするわ。お金も貯めないといけないし」



と、栁内家は現状維持で決定した



「……そうですか。では、次の議題に移りましょうか」



あっさりと次に進む話。だが、京は理由は分からないが、何故か少し心の中でモヤモヤしていた……



ーー話し合いは進んだ。これからのテレビ関係者への対策や、赤坂京保護自治体の今後の京への接触についての方針など、色々話し合った



「……決めることはこれぐらいでしょうか」



話し合いを始めて30分。仕切る白瀬がしっかりしているおかげでスムーズに終わった



「あ、社長からの命令で、京先輩は来週の月曜日まで休みとのことです」

「えっ?なんで?」

「「たまにはゆっくり休め」って言ってました」



今は水曜日。土日は元々会社全体で休みだが、合計して約四日間の休みを頂いた



「休みならもうたくさんもらったが……」

「「ずっと気を張った状態を休みとは言わん」とも言ってましたね」

「うぐっ……」



確かに暇で寝転がってテレビを見たりしていたが、どこか見つからないだろうか……見られていないだろうか……と気を張っていた。社長にはお見通しだったようだ



「……と、いうことで私も木曜日と金曜日は休み取りました‼︎」



と、高らかに白瀬は宣言した



「は、はぁ⁉︎」

「ふっふっふ……芹ちゃんごめんね。貴方が仕事で頑張っている間、私と京先輩はイチャイチャ遊んじゃって……」

「か、香奈宮先輩……自分だけ京さんが休みになる事を知って……!」

「ふふん!いいでしょう?羨ましいでしょ?」



と、芹を煽る白瀬。芹は「ぐぬぬっ……」と、口にしながら悔しそうにしていた



「え……出かける前提なの?」

「え……もしかして出かけてくれないんですか?私今回結構身体張ったのになぁ……京先輩のために頑張ったんだけどなぁ……お礼ぐらい欲しいなぁ」

「うっ……分かったよ……」

「やった‼︎」



と、嬉しそうにはしゃぐ白瀬



「それじゃあ明日!一時に京先輩のマンション前で!」



それだけ言い残し、白瀬は鞄を持ってルンルン気分で帰っていった……

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