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第63話 行く末は……?



『それでは中継が繋がっております。犬飼さーん!』

『……はい!こちら犬飼です』



一夜明け、ワイドショーが始まった。そして、この街と中継が繋がっていた



『えー昨日、あの後噂のイケメン男性の方と付き合っていると名乗り出た女性の話を聞かせてもらっていいでしょうか?』

『……はい!実はですね……」



テレビの前で固唾を飲んで見守る京と菜由



『名乗り出た女性は、全て嘘だと述べておりまして……』

『嘘……ですか?全てとは?』

『彼女の名乗った名前、年齢。……あと、噂の男性の存在も嘘だと述べております』



実際は事実だが、インタビューの時に全て嘘だと言ったようだ



『女性はなぜそのような嘘を?』

『えー……テレビに出て注目されたかったから……と、言っていました。モデルの仕事をしており、これを機にテレビの仕事を増やしたかったから……との事です』



「……本当にありそうな嘘をついてるな」

「違和感ないっていえばないかもだね」



『では、なぜそんな噂が立ったのでしょうか?』

『それについても一つだけその女性から仮説を頂きまして……町おこしの一環で、凄いイケメンがこの街に住んでいると知れ渡れば、自ずと人が増えるだろう……という考えから出た噂ではないかとのことです』



「あの子……頭良いのね」

「悪知恵は働くんだろうな……」



『ではあの住んでいると噂されたマンションは?』

『あの二つはずっと前から空きだそうで。噂を立てるには都合が良かったからだとか。実際、私達が来た時点では部屋主を示す表札は無かったんですよ』



「表札つけてなかったの?」

「いや……俺も栁内家もついてたはずだが……」



表札を抜いたのは、瑠奈の仕業だ



実は、この街にテレビ関係者が来ていると自治体メンバーから連絡が入ったのだ。そして、その関係者達の目的が、京である事を悟った瑠奈が急いで抜き取ったのだ



自治体内でも問題に挙げられているのが、京の存在をこの街の外に知られてしまうこと。その為、テレビ関係者が一番厄介な相手となる。その為、自治体内で決めた事として、テレビ関係者をこの街で見かけたら即座に瑠奈に連絡を入れる事を教え込まれていた



そのおかげで、京の存在がバレていないのだ



『ではもうその男性の存在は()()ということで良いんですか?』



実は、一昨日辺りからこの街に滞在していたテレビ関係者達はどんどんと減っていき、残すはこのワイドショーの関係者のみとなっていた



『……はい。ここで打ち切りにしたいと思います』



と、実質白旗宣言を出された



「やっ、やったー!やったよ兄さん‼︎」

「……ああ!本当にっ良かった……」



と、そこに白瀬から連絡が入った



「やりましたね!京先輩!」

「ああ!白瀬のおかげだ。ありがとう!」

「いえいえ、私だけじゃないですよ」



と、珍しく謙遜する白瀬



「芹にもありがとうって伝えてくれ」

「分かってます。あ、今後の事とかまた決めないとダメなので、京は菜由さんの家に行かせてもらいますね」

「分かった。菜由に伝えとくよ」

「お願いします。それではまた後で」



と、白瀬との電話が切れた



「今日はお祝いだね」

「……今日は俺の奢りで美味いものでも頼むか!」

「あ、そういうたまに羽振りの良くなる所、私好きだよ?」

「だろ?」



解放された喜びからか、いつにも増して京のテンションが上がっていた



「ーー今日は俺の奢りだ!パァッと食べてくれ!」

「「「「「「「いただきまーす‼︎」」」」」」」」



ピザ、寿司、中華など机いっぱいに広がる料理を7人で囲んだ



豪華な料理を前に皆、遠慮なく食べ進めた





街全体を巻き込んだ、京の危機は去ったのだった……

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