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第57話 ルール決め……?



「さて、とりあえずルールを設けます」

「ルール?」

「うん。何日ぐらいこの状態が続くか分からないし、やっぱりルールは必要だと思うの」



そういうと菜由は、大きめの紙とペンを持ってきた



「ここに書いていこ。何から決めようか……」

「うーん……とりあえず時間分け……とか?風呂の時間とかさ」

「そうだね……じゃあまずそこらへんから敷き詰めていこう」



まずは、お風呂の話になった



「芹ちゃんと……香織さんは男の人が入った後のお湯でも浸かる?」

「私は大丈夫だけど……」

「私は……うーん……」



芹が少し悩んでいた



「分かった。じゃあ鷹斗はしばらく近くの銭湯に通いなさい」

「なんで⁉︎」

「芹ちゃんがお風呂浸かれないでしょ?」

「あ、あの浸かれます‼︎大丈夫ですから!」



自分が無理だと言えば、鷹斗に迷惑がかかってしまう……芹は大丈夫と答えるしかなかった……



「そう。じゃあまず私と時雨(しぐ)が入って……」



時雨とは菜由と鷹斗の息子のことだ



「その後に鷹斗。で、香織さんが入って最後に芹ちゃんと兄さんの順でいい?」

「よくない‼︎」



京は大きな声で拒否した



「なんでよ?問題ないじゃない」

「問題大アリだろ⁉︎なんで俺と芹が一緒に入るんだよ⁉︎」

「えっ?付き合ってるんだし……それぐらい普通じゃないの?」



なぜか菜由の中で京と芹は付き合っていることになっているらしい



「つつつ付き合ってませんよ⁉︎」

「あ、そうなの?」

「そうです‼︎」

「なーんだ残念……やっと兄さんに彼女が出来たのかと思ったのに……」



菜由は言葉では冗談風に言っているが、内心は本気で残念な気持ちになっていた



「あ、でも!」

「ん?」

「あ、その……京さんが良ければ付き合いたいなぁとは……思います」



モジモジしながら答える芹



「……兄さん。この子を義妹に迎えたいから結婚して」

「……お前なぁ。話脱線しすぎだ。ルール決めるんだろ?」

「あっとと、そうでした」



改めてルールを決めるために仕切り直した



「お風呂は決定ね。ご飯は一緒に食べるとして、あとは寝る場所ね」



お次は睡眠をとる場所について



「私と時雨、鷹斗は同じ部屋で寝るとして……一部屋余ってるし、そこに……香織さんが入って下さい」

「そんな……私はリビングの床でいいよ?」

「よくないです。仮にもお客さんなんですからそこはしっかりします。来客用の布団出すのでそこで寝て下さい」

「……分かった。ありがとう……」



菜由、鷹斗、時雨は二階手前の部屋。そして香織は二階の部屋奥に決まった



「で、芹ちゃんと兄さんはそこの部屋で寝て下さい」



菜由が指差した部屋は菜由が来客用にと作った畳の敷かれた和室部屋だった



「いやだから付き合ってないって‼︎」

「いいじゃん。二人とも気があるんだし問題ないでしょ?」

「あるよ!」



菜由がここまでふざけるのも珍しい……いや、本気で芹と結婚をさせたいが為にやってるからふざけてはないのか……



「……分かった。じゃあ香織さんと芹ちゃんは二階の部屋で、ここは兄さんの部屋。これでいい?」

「……あぁ。助かるよ」



お次は家事分担



「芹ちゃんは仕事があるから何もしなくていいよ」

「いや、それは申し訳ないですって!」

「いいのいいの。四人で回すから大丈夫」

「あれ?あなたの大事な夫も仕事に出てるんだけど……俺は家事有りなの?」

「当たり前」

「そうですよね……分かってました……」



夫婦間なのに敬語を発する鷹斗。この家族の力関係は誰から見ても菜由が上だ



「とりあえず……香織さんは料理をお願いします。私は洗濯……兄さんには掃除をしてもらおうかな」

「おう。任せとけ」



続いて買い物について



「兄さんは外出禁止だから論外として……お二人は運転出来ますか?」

「一応免許は持ってるけど……車はないわ」

「私はまだ免許取ってなくて……」

「なるほど……私も運転出来ないし、消去法で鷹斗に行ってもらうしかないね」

「俺の負担だけどんどん増える……」



あとは細かなルールを決めた。トイレに入る際と人の部屋に入る場合は必ずノックすること。時雨が寝る際は極力静かにするなど、ルールを設けた



「とりあえずこんなものね」

「……やっぱり俺の役割減らさない?」

「ダメ。いつもは私に任せっぱなしなんだから、今ぐらいはやってよ」

「うっ……はい……」



鷹斗は肩を落とし、自室へと引っ込んでいった……



「ごめんな。迷惑かけて……」

「いいの。こればっかりは仕方ないし。とりあえずしばらくよろしくね。ちゃんとルールは守ってよ?」

「分かってる。こちらこそお世話になるよ」



こうして五人の大人と一人の子供の奇妙な共同生活が始まった

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