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第53話 更なる強襲……?



「はぁはぁ……く、来るのだけでもうクタクタですよぅ……」

「な、なんかごめん……」



新幹線のゴタゴタからなんとか離脱した三人。今はタクシーに乗り込み、香織のいる場所まで車を走らせていた



「本当に疲れました……超有名人並みの人気でしたね……」

「いや、そんなの比にならないわ。だってあの場にいた女性全員が京先輩に群がってたからね」



芹と白瀬はもう既にかなりの疲労が溜まっていた



「そういえば芹ちゃん。ここからあと何分ぐらいかかる?」

「20分ぐらいでしょうか……なにせ結構な田舎にあるので……」



家を出発してから約三時間。このままいけば、お昼までには到着できそうだ



「……とりあえず着いたらどうする?話し合いで解決するのか?それとも強引に連れて帰るのか?」

「……ケースバイケースですね。理想としては話し合いでどうにかしたいところですが……」

「おじは頑固者で話を聞かない人なので話し合いは難しいかもしれません……」



目的地に到着してからのことを話す三人



「なら、京先輩と芹ちゃんでおじさんの気を引いてください。その間に私がなんとかしますから」

「なんとかって……何するつもりなんだ?」

「え?……聞きたいですか?」



意味深な笑顔を見せる白瀬に身体が震えた京



「や、やめとくよ……」



問いを聞くのはマズイと判断した



「あの……美穂さんはどうするんですか?」

「あぁ……あの人ならもう居ないと思うよ」

「えっ……な、なんでですか?」

「この前電話で言ってたでしょ?()()()()()()()()って……もう用無しの所に長く入り浸る人じゃないから。多分これから行方をくらませてどこかでひっそりと生きるつもりじゃないかな?誘拐っていう犯罪を犯したんだし、私達達の前に現れることはもう無いだろうね」



なんていう話をしていると、タクシーの運転手が「うーん……」と少し唸っていることに気がついた



「どうかしたんですか?」

「あ、いや……ここら辺は車があんまり通らないんだが……後ろ見てみて下さい」



と、後部座席に乗る三人は後ろを見た



「す、凄い量の車が並んでますね……確かに狭めの道だし、平日のお昼にしては車が多いですね……何かあったのかな?」

「……違う。後ろの車の人達を見て」



後ろに着く車内には女性四人組が乗っていた



「ただの女の人が乗ってるだけだが……それがどうかしたか?」

「気づかないんですか⁉︎みんなの目線をみて下さいよ!」



運転手、助手席、後部座席に座る女性全員が、一点に視線を集め、息を荒くしている様子が伺えた



「ま、まさか……」

「理解しましたか?これ、全部京先輩を追いかけてきている人達ですよ……」



後ろに並ぶ延々と続く車の列は全て京を追いかけてきたものだった



そして、京達が乗るタクシーは信号に引っかかり、停止した



そして……



「あっ!う、後ろの車の人達がっ‼︎」

「く、車から降りましたよ⁉︎」



ただそれだけでは終わらない



後ろに続く車から続々と女性が降りて、京達の乗るタクシーに迫ってきたのだ



「ぞ、ゾンビ映画みたいだな……」

「呑気な事言ってる暇ないですよっ‼︎」

「運転手さん!まだ信号変わらないんですか⁉︎」

「か、変わるには変わったんですが……」



なんとタクシーのボンネットに女性が二人ほど乗って車を走らせる事を止めていた



「ひぃぃっ!け、警察!警察呼んで!」

「い、今呼んでます!」



運転手は携帯で警察に連絡を入れた



「何があっても車の鍵は開けないで下さいね‼︎」

「わ、分かってます!」



続々と集まる女性達はガラスに顔をつけ、少しでも京の姿を見ようと必死になっていた



「きょ、京さん‼︎顔伏せて!」

「あ、ああ!」



京は芹の言われた通りに顔を伏せて隠すと……



バンバンバンッ!



「ひぃぃっ!こ、壊れる!窓壊れるよぉ‼︎」



外にいる人達の勢いが増した



「か、隠しちゃダメ!京先輩!顔出して!」

「わ、分かった!」



顔を隠すのをやめると……



「「「「「「「「キャー!素敵ぃ‼︎」」」」」」」」



と、外から歓喜の声が上がり、窓を叩くのをやめた



「……芹ちゃん。これが京先輩の影響力よ」

「は……はい……」



改めて京の凄さを実感した



こうして警察が到着するまでの5分間。その街の交通は麻痺したという……




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